人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B7(文学 / Literature 500)沖縄文芸史ⅠLiterary History of Okinawa I
福 寛美
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | X1096 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市院棟-301 |
配当年次Grade | 院人際・修士課程・関連科目 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
国際日本学インスティテュート (修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
The structures with stone walls similar to castles or fortresses are called gusuku in Okinawa. The Omoros in the Omoro Soshi are the oldest literature that refer to the gusuku. Deepening the understanding of gusuku leads to learning about unknown history of Ryukyu. In this course, you will read Omoros related to gusuku to understand Ryukyuan culture.
The goal of this course is to understand gusuku and ancient Ryukyuan culture.
Intensive reading of textbooks and references is necessary before and after each class. Required study time is one hour for a class.
The final grade will be evaluated by in-class performance (40%) and the result of the term-end examination (60 %).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
沖縄はかつて琉球という国だった。琉球を代表する建造物は、グスクと称される城郭である。そしてグスクが建造された時代に最も近い文学作品はオモロと称する神歌を集成した『おもろさうし』である。グスクに関するオモロを読み、グスク時代の琉球史について考察していきたい。
日本の中の異文化、琉球文化をよく知ることは、日本文化への深い理解にもつながる。そのような視点で、グスクをうたうオモロ群を検討する。
到達目標Goal
・『おもろさうし』はおもろと称する神歌を集成した冊子である。おもろは日本本土のどのような歌謡とも似ていない。そのおもろがグスクをどのようにうたっているかを知る。
・グスクを建造し、そこを拠点としていたのがいかなる人物だったかは、わかっていない。知られざる琉球史にもせまってみたい。
・『おもろさうし』とグスクを深く理解することを到達目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・講義形式と演習形式をまぜて行う。
・講義をした後、講義の内容にかかわる事象を学生が調べ発表する、という形をとる。
・調べものは琉球・沖縄に関する基本的な文献(辞典など)を使う程度とする。
・対面形式の授業とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:『おもろさうし』とおもろ・ぐすく概説1
『おもろさうし』とおもろ、そしてぐすくの概説をする。
第2回[対面/face to face]:『おもろさうし』とおもろ概説2
『おもろさうし』とおもろ、そしてぐすくの概説をする。
第3回[対面/face to face]:第1回、第2回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
琉球・沖縄の文学や歴史に関する辞典の記述を読み、簡単に発表する。
第4回[対面/face to face]:尚真王と尚真王のおもろ群の概説
尚真王と尚真王のおもろ群について概説する。
第5回[対面/face to face]:石を割る道具の概説
ぐすくの石垣を形成するための、石を割る道具について概説する。
第6回[対面/face to face]:第4回、第5回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
尚真王について、またぐすくの石垣について、辞典等で調べ、簡単に発表する。
第7回[対面/face to face]:ぐすく造営のおもろと歴史事象について概説
造営のおもろと歴史事象の重なりについて概説する。
第8回[対面/face to face]:「げらへる」という言葉の概説1
「げらへる(造営する)」という言葉について概説する。
第9回[対面/face to face]:「げらへる」という言葉の概説2
「げらへる」という言葉について概説する。
第10回[対面/face to face]:美称辞としての「げらへ」
美称辞としての「げらへ」について概説する。
第11回[対面/face to face]:第7回から10回の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する。
おもろと歴史事象について、また「げらへる」という言葉について、簡単に調べ、発表する。
第12回[対面/face to face]:「げらへる」以外の造営に関わる言葉の概説
「げらへる」以外の造営に関わる言葉について概説する。
第13回[対面/face to face]:石、信仰の対象の石の概説
石、信仰の対象の石について概説する。
第14回[対面/face to face]:春学期の講義をふまえ、学生が調べたことを発表する
主に第13回の講義に関わる事象を簡単に調べ、発表し、春学期をまとめる。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・『ぐすく造営のおもろ』(教科書)を読む。
・授業支援システムにおもろの読み方、ぐすく、琉球史に関わる事柄を記したプリントをアップするので、あわせて読む。
・大学の沖縄文化研究所にはおもろ、ほか琉球文学に必要な文献が揃っているので、発表する時はそこで辞書を引いたり、参考文献を読んだりする。
・学習時間は1時間程度とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・『ぐすく造営のおもろ―立ち上がる琉球世界-』(福寛美、新典社、2015年、1100円)
参考書References
・『『おもろさうし』と群雄の世紀』(福寛美、森話社、2013年)
・『奄美群島おもろの世界』(福寛美、南方新社、2018年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・期末試験は、問題を複数提示し、2問を選んでそれぞれ400字以上記述することとする。
・平常点に含まれる、出席回数、発表への積極性も評価基準とする。
・期末試験70%、平常点30%で評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
担当者は琉球文学のほか、民俗学、神話学も専攻している。
そのため、『おもろさうし』以外の学生の関心に応えることも可能である。
学生からの申し出があった場合、『おもろさうし』のほか、シャーマン、神話なども積極的に授業で対応していきたい。
過去の授業では、学生からの申し出によってシャーマンについて述べた。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
春学期、秋学期はテキストが異なる。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
琉球文学(『おもろさうし』)
民俗学(南西諸島のシャーマン)
神話学(日本神話、琉球神話)
<研究テーマ>
現在の研究テーマの中心は南西諸島の神霊観である。また『おもろさうし』の言語の中に奈良時代の東国方言と同じものがあることに注目し、研究を進めている。
<主要研究業績>
『ぐすく造営のおもろ』(新典社、2015年)
『うたの神話学』(森話社、2014年)
『ユタ神誕生』(南方新社、2013年)
『『おもろさうし』と群雄の世紀』(森話社、2013年)
『夜の海、永劫の海』(新典社、2011年)
主要研究業績
『琉球の恋歌』(新典社、2010年)
『喜界島・鬼の海域』(新典社、2008年)
その他
『奄美三少年 ユタへの道』(円聖修著、南方新社、2017年)の監修