通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling)
HIS300TD（史学 / History 300）史学演習（西洋）（夏期スクーリング）Seminar in History
皆川 卓
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部（スクーリング）School of Correspondence Education (Schooling) |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | 35008 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 担当教員（自由記述）Instructor name | 皆川 卓 |
| 科目種別Class Type | スクーリング |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 夏期 |
| 期間Period | 2群午前 |
| 定員Capacity | |
| 予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
| 受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
（Course outline）The Holy Roman Empire, which spread across Germany, Austria, the Czech Republic, the Benelux countries, northern Italy, and Switzerland, was the opposite of the centralized and authoritarian state that the word "empire" conjures up. It has been considered a typical example of a "divided state." However, that view has now changed, and it is now being referred to as a model for the EU. We will study the history of this hybrid political community from various angles, and together with students we will consider its possibilities and limitations.
（Learning Objectives）By recognizing the pluralism of the political order in early modern Europe and understanding its mechanisms and the complexity of the underlying society, a history that examines modern sovereign states from multiple perspectives and critically and resolves their problems. Acquire technical skills.
（Learning activities outside of classroom）Although we have created resumes that are as easy to understand as possible, there may be some technical terms that may be unfamiliar to students who are tackling this topic for the first time. We will show you some important points during class, so please write down the historical background of them in the margins of the resumes you will receive. The standard preparation and review time for this class is two hours each.
（Grading Criteria /Policy）Normal score (questions, impression sheet description, etc.): 40%
Final exam (if there are many students) or report (if there are few students): 60%
Whether it is a final exam or a report, we aim for 30 participants.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
ドイツ、オーストリア、チェコ、ベネルクス三国、北イタリア、スイスなどに広がっていた「神聖ローマ帝国」は、「帝国」という言葉が想起させる中央集権的・権威主義的国家とは逆の存在で、長い間「分裂国家」の代表例とされてきました。しかし現在ではその見方は変化し、ＥＵのモデルといわれるまでになっています。このハイブリッドな政治的共同体の歴史をさまざまな角度から学び、履修者とともにそれが持っていた可能性や限界を考えます。
到達目標Goal
近世ヨーロッパの政治秩序の多元性を認識し、そのメカニズムと基底にある社会の複雑さを理解することによって、近代主権国家を多角的、批判的に検証し、その問題点を解決するための歴史的素養を習得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
通常の講義形式で行いますが、数度に一回簡単な質問・感想票に記入してもらい、できるだけフィードバックします（履修者多数の場合は複数の履修者から寄せられた質問に授業中に回答します。授業後の個別質問も受け付けます）。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：初期の神聖ローマ帝国―建国から皇帝選挙制の成立まで
神聖ローマ帝国の成立と最初の意味、その成長に伴う混乱の概略を紹介します。
第2回[対面/face to face]：領邦の成立
14-15世紀に神聖ローマ帝国の「構成国」となった領邦（領域国家）の誕生を論じます。
第3回[対面/face to face]：領邦の諸類型
領邦が中世的な「領地」と近代的な「国家」の両面を持っていたこと、それらの間でも多様性があったことを、14-18世紀までの長いスパンで紹介します。
第4回[対面/face to face]：帝国改造①－平和志向への道
社会の発展に見合う統一性がなく、領邦が互いに武力抗争する時代が、二つの歴史的変化によって変化する状況を論じます。
第5回[対面/face to face]：帝国改造②―「国家連合」的システムへの成立
有力な国が他国を併呑するのが一般的な他の歴史的事例に対し、帝国内の各国は法と安全保障で連携する特異な発展を遂げたことを論じ、その背景を紹介します。
第6回[対面/face to face]：「宗教改革」と帝国分裂の危機
キリスト教は領邦の「絆」の重要な部分でしたが、それが神へのアプローチ方法で対立し、帝国を揺るがした経緯を論じます。
第7回[対面/face to face]：人口過剰と宗派の対立－宗教メディアの台頭とリテラシーの危機
16-17世紀の帝国は人口増と産業の限界、そして情報通信手段の発展という、現在と似た状況にありました。その中で敵意がどのように高まったのかを論じます。
第8回[対面/face to face]：「三十年戦争」―宗教戦争から生まれた「理性」
25%以上という空前絶後の人口減を帝国にもたらした宗教戦争の中で、伝統的な認識と行動の方法を改める大きな変化がもたらされました。その実相を紹介します。
第9回[対面/face to face]：帝国をまとめ上げる二つの柱①―法治主義と帝国裁判所
帝国改造の過程で生み出され、三十年戦争後に安定した仕組みに、領邦間の対立を裁く法と裁判の仕組みがありました。その発展を実例を交えつつ簡単に論じます。
第10回[対面/face to face]：帝国をまとめ上げる二つの柱②―心の支配「バロック文化」
法制の枠組みと並んで帝国の連帯を維持したのが、「美意識」の普及でした。そのために開発されたバロック文化とその様々な局面における役割を紹介します。
第11回[対面/face to face]：社会契約説の光と影―プロイセンの台頭
18世紀になると、西欧の「科学革命」の影響が帝国にも及んできます。その中で帝国を支える「神授権」に挑戦し、軍事力に全てを賭けた一領邦が歴史を大きく変えました。その変化を読み解きます。
第12回[対面/face to face]：①神聖ローマ帝国の終焉
②試験
1789年のフランス革命は、隣国神聖ローマ帝国にも「解党的出直し」を強いることになります。帝国の解体によって得られたもの、失われたものを、その後の歴史も紹介しながら論じます。
受講者数が普通以下であればレポートを課しますが、受講者多数の場合は試験を行います。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
レジュメはなるべく分かりやすく作成していますが、このテーマにはじめて取り組む受講者には耳慣れないテクニカル・ターム（専門用語）も登場します。授業中にいくつかのポイントとなる事項を示しますので、配布のレジュメの欄外に、それらの歴史的背景をメモしてください。本授業の準備・復習時間は、各２時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
テキストは用いません（単元ごとにプリントを配布いたします）。
参考書References
木村靖二・成瀬治・山田欣吾編『世界歴史大系 ドイツ史１』山川出版社 1997
木村靖二・成瀬治・山田欣吾編『世界歴史大系 ドイツ史２』山川出版社 1996
P.H.ウィルソン（山本文彦訳）『神聖ローマ帝国』1495ー1806 岩波書店 2005
山本文彦『近世ドイツ国制史研究―皇帝・帝国クライス・諸侯』北海道大学図書刊行会 1995
渋谷聡『近世ドイツ帝国国制史研究―等族制集会と帝国クライス』ミネルヴァ書房 2000
永田諒一『宗教改革の真実』講談社 2004
池谷文夫『神聖ローマ帝国－ドイツ王が支配した帝国』刀水書房 2019
その他適宜紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点（質問・感想票の記述など）：40%
期末試験（受講者が多い場合）ないしレポート（受講者が少ない場合）：60%
期末試験かレポートかは、受講者数30人を目安とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にありません。
その他の重要事項Others
特にありません。