人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B7(言語学 / Linguistics 500)国際日本学特殊講義BⅠLecture: International Japanese Studies B I
滝浦 真人
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | X1169 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市院棟-201 |
配当年次Grade | 院人際・博士後期課程・選択必修科目 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
国際日本学インスティテュート (博士後期課程) |
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Outline (in English)
Some characteristics of contemporary Japanese will be considered in terms of how it is used and understood by native speakers. In the spring semester, linguistic functional aspects are focused on.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
“日本語らしさ”とはどのようなもので、またそれはどこから生じてくるかを探っていく。「日本語学」の本や授業で触れたことのある事柄でも、それのどこがどう“日本語らしい”のかを考えることは、日本語を複眼的に見ることを可能にしてくれるだろう。春学期は、文字、音、語、文といった言語学的単位に沿いながら、ひと味違った角度からトピックを眺めていく。
到達目標Goal
(1)日本語が漢字をどのように取り入れたかを理解し説明できるようになる。
(2)日本語の音声をコミュニケーションの観点で理解し説明できるようになる。
(3)言語の変化というものの正しい捉え方を理解し説明できるようになる。
(4)「ハ」と「ガ」を語り方の構えの相違として理解し説明できるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎回、考察のための素材を配布し、受講者自身による考察と講師の解説とを組み合わせながら進行する。授業内で提出する小課題は、グループ・ラインなどを通じて他の受講生の考えも互いに見ながら、ディスカッションし考察していく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:導入
日本語の「性格」とはどういうことかを考え、授業の趣旨や目標を明確にする。
第2回[対面/face to face]:漢字と日本語
日本語が漢字をどのように取り入れたかを見て、そこから漢字使用の日本語らしさを見出す。
第3回[対面/face to face]:日本語の表記
漢字・ひらがな・カタカナを併用することの意味を、それぞれの経緯に遡って考える。
第4回[対面/face to face]:日本語の語種
日本語の語彙を構成する和語・漢語・外来語という語種のもつ機能的相違を探る。
第5回[対面/face to face]:日本語の音とリズム
モーラと音節の相違を理解した上で、日本語のリズムがどう構成されるか考察する。
第6回[対面/face to face]:音象徴と日本語
日本語で好まれる擬音・擬態語を支える音象徴を普遍と特殊の側面から考察する。
第7回[対面/face to face]:日本語のオノマトペ
日本語の擬音・擬態語がもっている語構成的な特徴を探り、その機能を考察する。
第8回[対面/face to face]:連濁と日本語①
連濁が音声現象に見えてそうではないことを、生起/不生起環境の考察から見出す。
第9回[対面/face to face]:連濁と日本語②
連濁の機能を理解した上で、アクセントなどによる類似の機能についても検討する。
第10回[対面/face to face]:位相語
社会的条件や心理的条件などによって言葉が変わる側面に目を向けることを通して、日本社会を考える。
第11回[対面/face to face]:言語変化
若者言葉と言われるような言語変化の進み方を、言語一般の次元に置いて考察する。
第12回[対面/face to face]:ラ抜き言葉
「日本語の乱れ」と言われたラ抜き言葉が、実は長期におよぶ言語変化の一局面だったことを理解する。
第13回[対面/face to face]:「ハ」の語り
日本語の特徴である助詞「ハ」を取り上げ、それを語り方の構えとして考察する。
第14回[対面/face to face]:「ガ」の語り
「ハ」と対比的に用いられる「ガ」を取り上げ、語り方の構えとして比較考察する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
参考書の内容は事前に確認しておき、授業内容に関係の深い箇所について、授業前・授業後に読んで理解を深める習慣をつける。
授業時に配布される資料についても、さらなる考察の出発点として振り返る。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書という形では使用しない。毎回授業時に配布する資料を用いる。
参考書References
滝浦真人編(2020)『日本語学入門』放送大学教育振興会
ほか授業内で指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(授業内での課題やディスカッション等) 60%
期末レポート 40%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学問する楽しさを伝えられる授業にしたいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業資料を印刷すると大部になるため、クラスの共有フォルダを作成し、そこにアップされたファイルを資料として見てもらいながら授業を進めます。受講の際は、パソコンやスマホなど、インターネットに接続できる機器を持参してください。
その他の重要事項Others
昨年度と基本的に同内容なので、去年履修した人は取れません(ゴメン!)。
担当教員の専門分野等
<専門領域>言語学・語用論・コミュニケーション論
<研究テーマ>ポライトネス、日本語語用論
<主要研究業績>
滝浦真人(2016)『日本語リテラシー』放送大学教育振興会
滝浦真人(2008)『ポライトネス入門』研究社