人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY500B6(心理学 / Psychology 500)生徒指導特論Advanced Lecture in Student Advising
小澤 真
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | X0539 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市BT-0802 |
配当年次Grade | 院人心・修士課程・展開科目 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
心理学専攻 (修士課程)-展開科目 |
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Outline (in English)
(Course outline)In this class, we consider the role of teachers to work effectively in the various aspects involved in student guidance for life coaching, counseling, career education, developmental disabilities, or else. On the other hand, to fulfill such a role, we mention on teachers’ self-understanding and self-growth.(Learning Objectives)(1) to explain basic concepts about the significance and role of student guidance, (2) to understand the role of teachers and their strategies to be played through activities such as school counseling, career education, and life guidance, and to express their own ideas in concrete terms, (3) to deepen understanding of how to understand students and propose their own ingenuity and ideas, (4) to describe what the establishment of adolescents’ self is in relation to school counseling, career education, and life guidance, and to apply it to self-understanding and self-growth, (5) to outline developmental disorders such as ASD and ADHD, and devise countermeasures for such developmental disorders. (Learning activities outside of classroom) Students will be expected to prepare to report or to discuss about the theme of each class meeting. Your study time will be more than four hours for a class. (Grading Criteria /Policy) Your overall grade in the class will be decided based on the following. In class contribution: 20%, Presentation 40%, Short reports: 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
生活指導、教育相談、キャリア教育、発達障害への対応など、生徒指導に関わる様々な局面で、それらが有効に機能するために教師に求められる役割とは何かについて考察する。あわせて、そうした役割を果たしていくための教師自身の自己理解、自己成長についても論及する。これにより学生は、生徒指導の意義について理解し、教師としてどのように機能すべきかを考察できる。
到達目標Goal
①生徒指導の意義と役割について基本的な概念を説明できること。
②教育相談やキャリア教育、生活指導等の活動を通じて果たすべき教師の役割とその方策について理解し、独自の考えを具体的に述べられること。
③生徒理解の方法について理解を深め、自分なりの工夫やアイデアを提案できること。
④青年の自己の確立とは何かについて、教育相談やキャリア教育、生活指導との関連で記述するとともに、自己理解や自己成長にも応用できること。
⑤広汎性発達障害、ADHD等の発達障害についてその概要を説明し、その対応策を案出できること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP4」「DP5」「DP6」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
生徒指導の意義を理解し、教師の役割と効果的な方策を学習することが本科目の主たる目的である。各回のテーマについての理論的な概説や事例の提供を小澤による講義、または課題についての発表により行った後、全員で討論することにより、生徒指導に関わるさまざまな場面において、その本質を踏まえて、教師としていかにして効果的に対応するかを検討し、理解を深める。その際には、心理的な動きを中心とした生徒の内面の理解ばかりでなく、受講院生自身の教師としての自己理解を深めることも大切である。また折に触れて教師と生徒の効果的なコミュニケーションについて交流分析の視点からの理論的な検討も加える。これにより、生徒指導のための具体的な方法を指導者として考える力が養われるとともに、受講院生の自己成長がはかられることが期待される。
・授業形式:対面授業を予定している。ただし、新型コロナウィルスの感染症の拡大状況によってはオンライン授業(リアルタイム配信型)に移行する。
・フィードバック方法:各回の授業の終わりにその回の発表、討議に対して講評や解説を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:オリエンテーション/生徒指導とは
授業の目的と方法の確認。生徒指導の概念、意義と方法についての概説を担当者が行う。
2[対面/face to face]:生徒指導の体制と諸問題
生徒指導の学校分掌上の位置づけ、学校内外との連携、およびそこで生じる諸問題について担当者が説明し、全員で討論する。
3[対面/face to face]:生徒理解と生徒指導
青年期の発達課題の理解を踏まえて、生徒指導における生徒理解の意義について担当者が説明する。
4[対面/face to face]:生徒指導における教師と生徒とのコミュニケーション
前回の内容をさらに展開し、生徒とのコミュニケーション把握および改善するための方法、教師の自己理解と成長について担当者が説明する。
5[対面/face to face]:教育相談の意義
他の領域の臨床心理学的援助との異同を踏まえながら、学校教育相談の意義と特質について担当者が説明する。
6[対面/face to face]:教育相談の体制と構造
教育相談の学校分掌上の位置づけ、ハード、ソフト両面の構造、校外諸機関との連携等について担当者が説明する。
7[対面/face to face]:教育相談の具体的な展開(1)社会的ひきこもりの理解と対応
担当者が社会的ひきこもりについての概説を行った後、具体的な事例を提示し、全員でその対応について話し合う。
8[対面/face to face]:教育相談の具体的な展開(2)反社会的問題への対応
担当者が反社会的問題についての概説を行った後、具体的な事例を提示し、全員でその対応について話し合う。
9[対面/face to face]:教育相談の具体的な展開(3)心身症の理解と対応
担当者が心身症についての概説を行った後、具体的な事例を提示し、全員でその対応について話し合う。
10[対面/face to face]:生徒の心のケアと学校の役割
学校内外で緊急事態が発生した際の生徒の心のケアにについて、担当者が具体的な事例を提示し、教師の役割について全員で話し合う。
11[対面/face to face]:発達障害の基本理解
広汎性発達障害、ADHD等の発達障害について発表を行い、担当者が説明する。
12[対面/face to face]:発達障害への対応
広汎性発達障害、ADHD等の発達障害を持つ生徒に対する教師としての対応について全員で話し合う。
13[対面/face to face]:キャリア教育の意義と内容/具体的な展開
青年期の発達課題の理解を踏まえて、キャリア教育の具体的な方法を発表し、全員で討論する。
14[対面/face to face]:まとめ/生徒指導とは
これまでの学習を踏まえて、生徒指導の意義や教師の役割について全員で討論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、計4時間を標準とします。
第1回 教育基本法、学習指導要領を調べ、生徒指導の位置づけについてレポートする。
第2回 自らが生徒として生徒指導を受けた体験をもとに、そこから生じる諸問題についてレポートする。
第3回 エリクソンの発達課題を中心に、青年期の発達課題についてレポートする。
第4回 自らが陥りやすい、適応的でないコミュニケーションパターンを振り返りレポートする。
第5回 他の領域の臨床心理学的援助と学校教育相談との異同についてレポートする。
第6回 各自が学校内の相談室の理想的な構造を考え、レポートする。
第7回 社会的ひきこもりの問題に対して教育相談の立場からどのように対応するかについて方策を考え、レポートする。
第8回 生徒の反社会的問題に対して教育相談の立場からどのように対応するかについて方策を考え、レポートする。
第9回 生徒の心身症に対して教育相談の立場からどのように対応するかについて方策を考え、レポートする。
第10回 PTSDについてレポートする。
第11回 発達障害についてレポートする。
第12回 発達障害に対する対応例についてレポートする。
第13回 キャリア教育の具体例をレポートする。
第14回 なし
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。授業で使用する文献・資料はその都度配布する。
参考書References
佐々木雄二・笠井仁(編)(2010).図で理解する生徒指導・教育相談 福村出版.
稲垣應顕・犬塚文雄(編)(2004).わかりやすい生徒指導論改訂版 文化書房博文社.
石隈利紀(1999).学校心理学―教師・スクールカウンセラー・保護者のチームによる心理教育的援助サービス 誠信書房
成績評価の方法と基準Grading criteria
討論参加20% 発表40% レポート40%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講者数が少数であったため授業改善アンケートは実施していないが、受講生の積極的な参加によってディスカッションが活発になされ、受講生、担当教員双方にとって良い刺激となとなっている。その状況をさらに促進するため、それぞれの受講生の研究テーマを生かせるような授業展開を心がけたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
なし。
担当教員の専門分野等
<専門領域>臨床心理学
<研究テーマ>交流分析理論の実証的な研究
<主要研究業績>
*小澤 真(2010). 対人関係にアプローチする―交流分析― 佐々木雄二・笠井仁(編) 図で理解する生徒指導・教育相談 第15章. 福村出版.
*小澤 真(2000). 生徒理解のための交流分析の活用-高校生の学校ストレス認知とエゴグラム- 交流分析研究,25(2),117-123.
*小澤 真(2000). 学校も家もつまらない-不適応の心理 古川聡(編) 教職に活かす教育心理-子どもと学校の今- 第12章. 福村出版.
*小澤 真・西森優実子(2016)交流分析と自律訓練法の効果的な利用法を探る. 交流分析研究, Vol.41(1), Pp.11~20.