人文科学研究科Graduate School of Humanities
HIS500B4（史学 / History 500）東洋史学演習ⅣSeminar on Oriental History Ⅳ
徳留 大輔
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | X0353 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月6/Mon.6 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 704 |
| 配当年次Grade | 院人史・修士課程・専門科目 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
史学専攻 （修士課程） |
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Outline (in English)
（Course outline）Considering Society through Ceramics (2) -- Focusing on the History of Chinese Ceramics and its Acceptance
（Learning Objectives）After deepening their understanding of the development of Chinese ceramic history in the first semester, students will deepen their understanding of the representative types of Chinese ceramics history: white porcelain, celadon, black glaze, underglaze blue, and overglaze, as well as the new cultures and traditions that have developed in each region. Students will also learn about ceramic culture by comparing how ceramics were accepted not only in China but also in Japan and other country or regions, and how new cultures and traditions were established in each region. The history of the "reception" of Chinese ceramics in various countries and regions from ancient times to the modern period will be studied while acquiring research methods of "archaeology," "art history," and "historiography. Then, students will learn the history of exchange from the viewpoint of "imitation" and "creation" developed in China, Korea, Japan, Southeast Asia, and West Asia, as well as acquire "internationality".
（Learning activities outside of classroom）Visiting exhibitions at museums
（Grading Criteria /Policy）Final report: 60%, homework assignments: 20%, regular marks: 20%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
【授業の概要】陶磁器から社会を考える②——中国陶磁の歴史とその受容を中心に
【目的・意義】前期に行った中国陶磁史の展開における理解を深めた上で、中国陶磁史における代表的な陶磁器の種類である白磁・青磁、黒釉、青花、色絵について理解を深める。またそれら中国だけでなく日本や世界でどのように受容され、またそれぞれの地域でどのような新しい文化や伝統を築いてきたのかについて、比較しながら陶磁文化を学ぶ。そして古代から近世における様々な国や地域における中国陶磁器の「受容」の歴史を、「考古学」「美術史」「歴史学」の研究方法を取得しながら学ぶ。そして中国・韓国・日本、東南アジア、西アジアなどで展開される「模倣」「創造」という視点から交流の歴史を学ぶとともに、「国際性」を身につけることができる。
到達目標Goal
前期に行った中国陶磁史の展開における理解を深めた上で、中国陶磁史における代表的な陶磁器の種類である白磁・青磁、黒釉、青花、色絵について理解を深める。またそれら中国だけでなく日本や世界でどのように受容され、またそれぞれの地域でどのような新しい文化や伝統を築いてきたのかについて、比較しながら陶磁文化を学ぶ。そして古代から近世における様々な国や地域における中国陶磁器の「受容」の歴史を学び研究するための、「考古学」「美術史」「歴史学」の研究方法を取得できる。そして中国・韓国・日本、東南アジア、西アジアなどで展開される「模倣」「創造」という視点から交流の歴史を学ぶとともに、「国際性」を身につけることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
授業の形態は講義方式を中心とする。また授業内での簡単な発表、リアクションペーパーの提出があります。また陶磁器に関する展覧会を1〜2回、博物館・美術館にて見学する予定（事前に予定は調整します。また交通費は各自で準備すること）
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：官窯の歴史
皇帝・宮廷用の陶磁器生産における官窯とその生産システムの歴史的展開を学ぶ。
第2回[対面/face to face]：白磁・青花の歴史
白磁ならびに青花の技術・様式的展開について学ぶ
第3回[対面/face to face]：青磁の歴史
青磁の技術・様式的展開について学ぶ
第4回[対面/face to face]：黒釉の歴史
黒釉の技術・様式展開について学ぶ
第5回[対面/face to face]：色絵・五彩の歴史
色絵・五彩磁器の技術・様式展開について学ぶ
第6回[対面/face to face]：沈没船が語る陶磁史
中国陶磁器の流通と消費、また年代を考える上で近年沈没船から引き揚げられた陶磁器が注目されている。発見された沈没船は時代・場所により、航路や目的地が異なるため積載される陶磁器の組合せは様々である。東アジア・東南アジアの海域で発見されている沈没船資料を紐解きながら、交流の歴史を探る
第7回[対面/face to face]：エジプトフスタート遺跡出土の中国陶磁器
東アジアから遠く離れたエジプトカイロに所在する都市遺跡のフスタート遺跡。ここから8世紀から19世紀頃まで、中国陶磁をはじめ、日本陶磁や東南アジア、またそれらの影響をうけて在地で作られた陶磁器が出土している。それらがエジプトでなぜ発見されているのか、どのような交易・交流の歴史があったかの、発見されている陶磁器を通して学ぶ。
第8回[対面/face to face]：韓国陶磁史における中国陶磁の影響
中国陶磁の朝鮮半島における流通とその影響について、理解を深める。この中では簡単に韓国陶磁史についても学ぶ。
第9回[対面/face to face]：茶の湯にみる陶磁史
日本における中国陶磁の舶来は、唐物という言葉にも知られるように大きな影響を与えた。中でも茶の湯における中国陶磁器の重要は極めて大きい。陶磁器の受容史を「茶の湯」という視点から見ていく。この講義では黒釉碗、天目、青磁を中心に学ぶ。
第10回[対面/face to face]：儀礼と陶磁器——大名の儀礼・御成と陶磁器
日本における中国陶磁の舶来は、唐物という言葉にも知られるように大きな影響を与えた。この講義では、儀礼と陶磁器の関係に注目する。具体的には江戸時代における大名儀礼・御成において、中国陶磁器がどのような役割を果たしたのかを理解を深める。
第11回[対面/face to face]：欧州におけるアジアの陶磁文化の影響
大航海時代以降、中国陶磁、日本陶磁は欧州へ輸出され大きな影響を与えた。それは欧州における陶磁史にも新しい創造をもたらした。その影響関係が見られる陶磁作品を通して、影響・模倣・創造のプロセスについて学ぶ。
第12回[対面/face to face]：近代における陶磁器鑑賞の歴史
明治時代以降、中国陶磁器に対する見方は多様化する。唐物・茶の湯（煎茶を含む）・華道以外に、鑑賞陶器という捉え方が生み出される。欧州からの影響を受けた新しい陶磁器の見方・受容のあり方について学ぶ。
第13回[対面/face to face]：博物館見学
講義に関連する陶磁器の見学を行う。
第14回[対面/face to face]：後期のまとめ
後期で学んだことについて、まとめと整理を行う。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。講義の際にレジュメの配布ならびに内容にあわせて参考文献を紹介します。授業の前・後に読んで要点をまとめて授業に臨んでください。また授業では課題を出しますので、次回の講義時に提出してください。
テキスト（教科書）Textbooks
講義では教科書は使用しません。毎回レジュメを配布します。ただし、【参考書】に関してはぜひ一読してください。
参考書References
葉喆民原著、出川哲朗 監訳、徳留大輔／新井崇之 訳『中国陶磁史』科学出版社東京、国書刊行会、2019年
徳留大輔責任編集『茶の湯の茶碗 唐物茶碗』淡交社、2021年
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末レポート60％、各講義時に課す課題（宿題）20％、平常点20％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
本講義の担当者者は美術館に勤務する学芸員であり、陶芸を中心とする工芸分野を担当しています。可能な限り、実物作品の実見や資料などの観察の方法のレクチャーや資料にふれる機会を設けるようにします。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞考古学・東洋陶磁史
＜研究テーマ＞中国初期王朝形成過程の考古学的研究、中国陶磁史
＜主要研究業績＞
徳留大輔責任編集『茶の湯の茶碗 第一巻 唐物茶碗』淡交社、2021年
葉喆民原著、出川哲朗 監訳、徳留大輔／新井崇之 訳『中国陶磁史』科学出版社東京、国書刊行会、2019年
徳留大輔編集『宋磁ー神秘のやきもの』（展覧会・図録）、出光美術館、2018年