通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
LIT100TC(文学 / Literature 100)日本文芸研究特講・近代(日本の私小説を読む)(前期メディア)Special Study of Japanese Literary Arts(Modern)
梅澤 亜由美
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | 52003 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 梅澤 亜由美 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 前期メディア |
期間Period | 前期 |
定員Capacity | - |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
【Course outline】
This course introduces the watakushishosetsu of Japan. The watakushishosetsu is a unique novel form in Japanese modern times. We learn the study on watakushishosetsu and analyze it about the watakushishosetsu.
【Learning Objectives】
By the end of the course, students should be able to do the following:
・The student will explain the the watakushishosetsu of Japan and major previous studies about it.
・The student will read and think each watakushishosetsu.
・The student will write papers of their thoughts on watakushishosetsu.
【Learning activities outside of classroom】
Preparation:Students read each watakushishosetsu before watching each lecture video.
Reviewing: Students read and think each watakushishosetsu after watching each lecture video.
【Grading Policies】
Your final grade will be calculated according to the following process: Usual performance midterm paper 50%, final paper exam 50%. To pass, students must earn at least 60 points out of 100.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
【テーマ】日本独特の小説形式とされる私小説について学ぶ。
この授業では、日本の私小説について勉強します。日本の近代に、19世紀西欧小説の変形として生まれたとされる私小説は、日本独特の小説形式と考えられています。私小説についてこれまで言われてきたこと(否定的評価が多いです)を理解するとともに、実際の私小説を読んでいくことで、私小説に対する理解を深めること(文学史の定説からの解放)を目指してほしいです。
到達目標Goal
具体的には、以下の3点が目標となります。
1.実際の私小説について、これまで言われてきたことを理解する。
2.授業でとりあげられた私小説を、実際に読み、自分の考えをもつ。
3.特定の作家、私小説について、これまで言われてきたことと、実際に読んでみての自分の考えをまとめて、レポートや試験などで表現する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「法律学科:DP3,DP5」「日本文学科:DP1,DP2」「史学科:DP1」「地理学科:DP1,DP2,DP3」「経済学科:DP4,DP5」「商業学科:自由な発想と柔軟な判断ができる能力」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
1回目にガイダンスと、これまでの私小説言説(=私小説についてこれまでいわれてきたこと)について、説明をします。2回目から10回目までは、近代文学史における代表的な作家の私小説をとりあげます。11回めから14回めでは、戦後から現代まで、比較的新しい私小説をとりあげます。1時間に、1人の作家をとりあげ、代表的な私小説について、ポイントを説明していきます。他、授業でとりあげた作家が、作中人物として登場する私小説なども、紹介していきます(私小説を立体的に読む試み)。
これらの授業内容を理解した上で、気に入った私小説のいくつかを実際に自分で読み、これまで言われてきたこととあわせて、自分の考えをもつようにしましょう。
中間課題に対しては、受講者数によって、①採点もしくは個別評価・添削、②全体講評、③模範解答や優秀リポート等の掲示、のうちいずれかを実施します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第01回[オンライン/online]:私小説と私小説言説について
私小説の定義、先行研究など、基礎知識を学ぶ。
第02回[オンライン/online]:田山花袋『蒲団』
私小説の祖とされる田山花袋の『蒲団』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第03回[オンライン/online]:近松秋江『疑惑』
平野謙によって「最初の金無垢な私小説」とされた近松秋江の『疑惑』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第04回[オンライン/online]:志賀直哉『和解』
私小説を代表する作家とされる志賀直哉の『和解』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第05回[オンライン/online]:葛西善蔵『子をつれて』
破滅型の代表とされる葛西善蔵の『子をつれて』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第06回[オンライン/online]:嘉村礒多『崖の下』
葛西善蔵の系譜にある嘉村礒多の崖の下』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第07回[オンライン/online]:小林多喜二『党生活者』
プロレタリア文学と私小説として、小林多喜二の『党生活者』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第08回[オンライン/online]:中野重治『村の家』
転向文学の代表とされる中野重治の『村の家』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第09回[オンライン/online]:徳田秋声『仮装人物』
私小説の一つの達成とも言える徳田秋声の『仮装人物』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第10回[オンライン/online]:太宰治『人間失格』
私小説批判の私小説を書いた太宰治の『人間失格』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第11回[オンライン/online]:島尾敏雄『出発は遂に訪れず』
戦後派の私小説として島尾敏雄の『出発は遂に訪れず』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第12回[オンライン/online]:安岡章太郎『悪い仲間』
第三の新人の私小説として安岡章太郎の『悪い仲間』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第13回[オンライン/online]:西村賢太『どうで死ぬ身の一踊り』
現代の私小説として西村賢太の『どうで死ぬ身の一踊り』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
第14回[オンライン/online]:リービ英雄『千々にくだけて』
越境作家による私小説としてリービ英雄の『千々にくだけて』をとりあげ、基礎知識を学び、そこから読みの可能性を探る。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
百聞は一見にしかずです。講義でとりあげられている小説は、必ず読みましょう。
・準備学習:講義を聞く前にテキストを読む(120分)
・事後学習:講義で学んだことをもとにテキストを読み返す(120分)
テキスト(教科書)Textbooks
各種文庫本、講義の一回目で手に入りやすい文庫本を紹介しています。
参考書References
小谷野敦『私小説のすすめ』2009、平凡社新書(入門書)
梅澤亜由美『増補改訂 私小説の技法』2017、勉誠出版(研究書)
私小説研究会編『私小説ハンドブック』2014、勉誠出版(研究ガイド)
井原あや他編『「私」から考える文学史 私小説という視座』2018、勉誠出版(研究書)
成績評価の方法と基準Grading criteria
中間リポート(50%)の提出を前提に、リポート試験(50%)の評価とあわせ、総合的に判断します(合計100点満点で60点以上が合格)。目標達成のための判断基準として、講義や文献等で勉強したことと自分で小説テキストを読み考察したこと、これら2点がしっかりそろっていることを重視します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
中間リポートの講評方法について、今後、検討したいと思います。