法学部Faculty of Law
POL200AC(政治学 / Politics 200)協同組合論Theory and practice of cooperatives
杉崎 和久Kazuhisa SUGISAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A0900 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S205 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | 選択科目(他学科との共通科目除く) |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | 選択科目(政治学科科目のみ) |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
【授業の概要(Course outline)】
This lecture will learn about the history, current situation, future prospects and possibilities of cooperatives or nonprofit projects.
【到達目標(Learning Objectives)】
By the end of the course, students should be able to do the followings:
A.Learning about the status of activities in Japan and its significance and issues today, based on history of cooperatives and social enterprises around the world.
B.Recognizing the contemporary problems of urban space
C.Acquiring the basic ability to think about the theory and practice of new public policy in which consumers and citizens are the main actors.
【授業時間外の学習(Learning activities outside of classroom)】
Your required study time is at least two hours for each class meeting.
【成績評価の方法と基準(Grading Criteria /Policy)】
Grading will be decided based on reports at each class.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
政治学科科目の中で「政策」の分野に属する科目である。
一人ひとりが尊重され、生き活きと暮らし続ける社会を実現していくため、協同組合やNPO等の非営利市民事業による様々な取り組みが行なわれています。グローバリズムが加速する中で、貧困根絶や仕事の創出等に関する協同組合の貢献は国際的に評価されており、国連は2012年を「国際協同組合年」とし、2013年に社会的連帯経済タスクフォースを立ち上げました。一方、日本では人口が減少し、超高齢社会に突入し、働く者の数が減少する中、経済ばかりでなく社会システムの停滞・行き詰まりが表面化していますが、こうした問題に市場や行政だけでは十分に対応できない状況下においても、諸外国のように生協等の協同組合による実践の価値や可能性が広く認識されているとはいえません。このような中で2020年12月労働者協同組合法が成立しました。協同組合運動は新しい段階を迎えます。なぜ今、「非営利・協同」の運動と事業に期待がよせられているのか。「もう一つの世界は可能か-協同組合と社会的連帯経済」この点を本講座の中心テーマとし、協同組合あるいは非営利市民事業の歴史的社会的背景、現状、そして今後の展望や可能性について、第一線の学者および実践者による講義を行ないます。
到達目標Goal
① 世界における協同組合および社会的企業の歴史・沿革を踏まえ、日本における活動状況や今日的な意義や課題について知ること。
② 非営利市民事業及び協同組合が展開する事業・活動が、市民生活に及ぼす役割について知ること。
③ 協同組合をはじめ非営利市民事業の今後の展望や可能性等について考えることなどを通じて、生活者・市民が主体者である新しい公共政策の理論と実践について考える基礎力を身につけること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は原則「対面」で行う予定であるが、講師等の都合によりオンデマンド教材などを併用することがある。
この講座では、①世界の協同組合をはじめとした非営利・協同セクターが切り開いてきた歴史を学ぶとともに、②生協を中心にした日本の協同組合やNPO等の非営利市民事業の活動を広く検証し、③協同組合やNPO等を中心とする非営利・協同セクターが今日の日本の地域の課題解決にどのような可能性を持っているか、④生活者・市民が主体者である公共政策をどのように実践し、担っていくのか、など協同組合・非営利市民事業の現代的意義について、テーマ毎にゲストスピーカーによる実践報告を交えながら検討する。
授業中に授業内容に関するコメントを提出する。なお、小レポート等から提出された質問について、講義時間等に回答する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第01回[対面/face to face]:①ガイダンス
②「もう一つの世界は可能かー非営利セクターと生協
①本講座の主旨、狙い、講座概要、成績評価方法などを説明します。
②公共政策にとって、政府セクター、営利セクターと違った、非営利セクターの役割を俯瞰し、現代生協の一つとしての生活クラブ運動の普遍的価値について触れます。今年、施行となる労働者協同組合法を含めた状況についても論じます。全14回の講座の道しるべとします。
第02回[対面/face to face]:世界の協同組合から考えるー協同組合法制の変遷と課題
世界を見渡すと、協同組合を「憲法」に位置づけている国もあります。社会の変化は急速であり現行生協法にも様々な課題が生じています。生協法や労働者協同組合法を中心に協同組合運動と事業における課題認識を現行法との関連で深めます。
第03回[対面/face to face]:東京の生協と生活クラブ(消費材と共同購入)
東京の生協全体の状況を把握します。日本全体の協同組合や生協の現況に触れつつ、焦点としては、東京の生協の歴史、そしてその特徴を、街で走る「生協車両」の姿など、学生にとっても、身近な事例と結び付けて、論及します。その上で、生活クラブ生協の事業と運動の取組みを、具体的な食品問題(添加物、農薬、放射能、BSE等)を事例に紹介します。以降の講座で生活クラブを理解する上で、前提となる「考え方」を伝える講座となる予定です。
第04回[対面/face to face]:若者と協同組合―韓国の事例から
韓国では、2012年に「協同組合基本法」を施行し、また2013年度に「ソウル市特別協同組合活性化支援条例」
が制定されて以来、3,000に及ぶ協同組合が設立しています。特に若者の協同組合への参加に焦点をあてて、現在の分析につなげていきます。韓国において「制度」が整備されることによって、「運動」が拡大していく条件を学びます。
第05回[対面/face to face]:地域づくりを描く協同組合
地域協議会の活動と働く人たちがつくる協同組合であるワーカーズ・コレクティブの理念と様々な事業分野に展開する実践および課題について学びます。ワーカーズ運動は、生活クラブ運動の中から生まれた経過を踏まえ、地域において<労働>が位置付けられるべきか議論します。一方、本年、労働者協同組合法が施行となる状況は、運動の新しい課題をもたらすものと考えます。
第06回[オンライン/online]:市民によるエネルギー自給の可能性を探る~エネルギーの共同購入
気候危機が世界的な課題となっています。しかし、日本の施策は、大幅に遅れているといっても過言ではありません。相変わらず、「電力業界」という古い世界が、「新電力」の壁となっており、問題が山積みです。こうした状況の背景を学びながら、地域と結びつきながら、再生可能エネルギーの推進をすすめる生活クラブのエネルギー自給の取り組みの背景と課題を研究者の立場から論及します。
第07回[対面/face to face]:コミュニティの未来を担うディーセントな働き方を求めて
人々が大事にされる働き方(ディーセントワーク)によってこそ、私たちの生きる基盤を支え、充実させていくことが可能となります。しかしながら、現代社会はディーセントな働き方が実現しにくい仕組みになっています。この仕組みに「挑戦」していくためには、どんな思想、実践が手掛かりになるのでしょうか。それを考え合うことが本講義の目的です。
第08回[対面/face to face]:市民参加で都市農業を守る
生活クラブは、都市農業の育成と強化を柱としてきました。2016年度から開始した、生活クラブ農園・あきるの野の実践の意義と実践および政策的課題を共有します。
第09回[オンライン/online]:市民金融によるコミュ二ティ・エンパワーメント
協同組合運動にとって、「金融」とは不可欠な歴史があります。お金に意志と意思をもたせるために市民がつくった市民のための非営利市民金融による、公正な暮らしや働き方、持続可能な社会づくりをすすめる取組みを紹介します
第10回[対面/face to face]:地球と身体にやさしい食~私の食が世界・地球をつくる~
日本の協同組合が日本の食文化を守り伝えていくことに果たした役割は大きいものがあります。日本の風土に沿った食のあり方や添加物などの問題をとおした生活提案やまちづくりを学びます。飲み物などの実験を行い、学生が体感することで理解を深めます。
第11回[対面/face to face]:協同組合と子育て支援事業
子育て支援事業は、大都市部において、そのニーズは減っていません。しかし、政府政策は、その点で十分な措置をとっていません。このためこの事業の財政運営は、厳しいものがあります。このような状況の中で、生協事業の多様な世代への展開という点でも、この事業は不可欠となっていますが、その生活クラブの「子育て支援」の特徴を、「制度」や「地域的課題」と結びつけて、考えていきます。
第12回[対面/face to face]:生活クラブと居場所づくり
生活クラブが「個人化」時代の中で、「地域」にどうアプローチしていくのか、防災や減災という課題を関係づけながら、課題を共有します。とりわけて「居場所づくり」と結びついた、生活クラブの福祉事業についても言及します。地域の具体的な問題解決の活動事例を学びます。
第13回[オンライン/online]:地域づくりを描く協同組合と非営利セクター
協同組合や社会的連帯経済の世界的動向を踏まえつつ、ワーカーズ・コレクティブの理念と様々な事業分野に展開する実践を一方でグローバルな非営利セクターの視点で位置づけるとともに、地域の課題に引き付けて学びます。
とくに、地域で、障がいがあってもなくてもともに働くワーカーズ運動に焦点を当てます。
第14回[対面/face to face]:市民による公共政策実現のプロセス
~地域政策づくり/全体のまとめ
講座全体の総括的な視点として、「政治」を講座の中心に置きます。運動グループの政治運動の全体と、条例提案や地域の実践という運動とリスク評価という点でも、視点をひろげながら課題を共有します。政策的課題の事例を踏まえつつ、最終的には、公共性政策という課題を展望します。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予定されたテーマについて自分なりに調べてみてください。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しません。配布資料は、授業前日までに学習支援システムにアップロードしますので、各自対応してください。
参考書References
適宜、案内します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
各講義時の小レポートによる評価の合計:各回講義の最後に講義内容に関するコメントをリアクションペーパーに記入し提出する。
・小レポートの評価は下記とする。
A:授業内容を踏まえて、独自の視点からの意見や考え方が記述されれている。
B:適切な分量(リアクションペーパーの7割以上)を満たし、授業内容を踏まえた内容が記述されている。
C:授業内容を踏まえた内容が記述されていないか、適切な分量をみなしていない。
D:未記入
なお、授業時間外に提出した場合には理由の如何に関係なく、受理しない。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生からの質問へは、なるべく早く対応したいと思います。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
講師によって、パワーポイント、映像を活用します。