法学部Faculty of Law
POL300AD(政治学 / Politics 300)アジア国際政治概論Introduction to Asian and International Politics
水野 孝昭Takaaki MIZUNO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A0662 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | BT0610 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | アジア国際政治コース科目 |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) | アジア国際政治コース科目 |
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Outline (in English)
This class tries to provide a fresh look at strategic landscapes in Asian region through Japan's experiences. Asian countries in general have been enjoying economic growth and development by trade and investment. Regional economic integrations and economic interdependences, however, do not mean political reconciliation nor a stable regional order. We will examine these trends and think of the future perspectives in Asia.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
ウクライナ侵攻の影響もあってアジアの国際情勢は険しくなる一方です。米中対立は外交・安全保障から経済・技術に広がっています。台湾海峡や朝鮮半島、南シナ海など緊張は高まり、民主化の挫折や平和構築の失敗も続いています。日本外交も北朝鮮や中国だけでなく、日韓関係も打開の途がなかなか見えません。冷戦後の「平和の配当」を享受して「東アジア共同体」を目指していたアジアが、冷戦時代の対立の再現に様変わりしたのはなぜでしょう。どうしたら紛争を予防できるでしょう。日米中のトライアングル関係を軸に領土問題や歴史認識などの争点を取り上げて、日本のパワーが衰えつつある現実をリアルに把握しつつ、「他者との共存」を図るトランスナショナルな視点をもつことを目指します。
到達目標Goal
21世紀のアジアを理解するために
①アジアの戦争と和平の経験を学んで、国際政治の基礎を把握する
②軍事、経済、ソフトパワーなど国際社会を動かすパワーの視点から日米中のトライアングル関係を理解する
③中国と台湾、朝鮮半島、ベトナムという「分断国家」の現状を比較してアジア特有のナショナリズムの意味を理解する
④日本とアジアの将来について自分の言葉で語れるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に強く関連。「DP1」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
参考にするべき動画や資料を事前に提供したうえで対面授業と討論を行います。
前半は戦後アジアの国際紛争の事例を欧州などと比較しつつ「戦後処理」を軸に考察する。後半は領土紛争、歴史認識、地域統合など個別争点を取り上げて、その原因と和解の方策を考える。毎回のテーマごとに受講生から「討論者」を募集して授業を進める。ニュースの背景解説もふくめて国際問題をファクトに基づいて「議論する力」を身につける。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション・「冷戦後から新冷戦へ」
ウクライナ戦争の余波は?/リアリズムとリベラリズム/アジアと米国/「インド太平洋」と「一帯一路」
第2回[対面/face to face]:「冷戦の終わり方」欧州とアジアの経験
欧州とアジアの冷戦の違い/「封じ込め」と熱い戦争/アジアの「分断国家」とドイツ統一の教訓
第3回[対面/face to face]:対立の原型①:「二つの中国」と台湾の地位
国共内戦と「中国の喪失」/毛沢東と蒋介石/中ソ対立と米中接近/共産党の世界観
第4回[対面/face to face]:対決の原型②:イデオロギーの対決 朝鮮戦争と日米安保
「民族解放」と朝鮮国連軍/米韓同盟と日米同盟/日韓基本条約と植民地支配の清算
第5回[対面/face to face]:対決の原型③ ベトナム戦争と「グローバルサウス」
内戦と代理戦争/第3世界のナショナリズム
/メディアと反戦運動/
第6回[対面/face to face]:冷戦後①中国の「平和的台頭」とその変質
天安門事件と鄧小平/APECとWTO加盟/香港返還と「一国二制度」/海洋強国路線へ
第7回[対面/face to face]:冷戦後②韓国の民主化と南北関係
軍服からシビリアンへ/金大中というカリスマ/米朝交渉の経緯
第8回[対面/face to face]:冷戦後③カンボジア和平と米越和解
ドイモイと市場経済/日本の和平努力/国連PKOの役割/
第9回[対面/face to face]:冷戦後④ASEAN:地域機構の意義と限界
ベトナムの加盟とARF外交/アジア金融危機と開発独裁/APECの迷走/TPPと「一帯一路」
第10回[対面/face to face]:民主化と関与政策:フィリピン、ミャンマー、タイ
「開発独裁」から民主化したフィリピンやインドネシア、民主化から逆戻りしたタイ、ミャンマー
第11回[対面/face to face]:習近平体制の中国
「歴史決議」と「中華民族の偉大なる復興」/「共同富裕」と市場経済/ロシア、インド、日本の位置づけ
第12回[対面/face to face]:米中関係の展開
米国の大統領選挙と中国政策/経済安全保障と台湾/ウクライナ戦争と核抑止
第13回[対面/face to face]:日本の選択は
日米同盟の深化とは/台湾海峡と尖閣問題/朝鮮半島有事と日韓関係/歴史認識問題への姿勢
第14回[対面/face to face]:まとめ:日本の選択は?
「平和国家」のアイデンティティー/「経済大国」のパワーと国家安全保障戦略/日本の「抑止力」とは
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
初回に配る参考文献リストから毎回の参考文献や資料を紹介するので、事前に目を通して下さい。アジアで日々起きる問題について、国際政治の視点から背景、現状、対応を説明できるようにニュースを日々読んでください。本授業の準備学習・復習時間は各1時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特定の教科書は指定しません。授業支援システムやgoogleクラスルームを使ってレジュメや資料などを配布します。
参考文献は授業の初回で指示します。
参考書References
小原雅博『戦争と平和の国際政治』(ちくま新書)
千々和泰明『戦後日本の安全保障』(中公新書)
千々和泰明『戦争はいかに終結したか』(中公新書)
佐橋亮『米中対立』(中公新書)
毛利和子 『日中漂流』(岩波新書)
服部龍二 『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書)
同『日中国交正常化』(中公新書)
阿南友亮『中国はなぜ軍拡を続けるのか』(新潮選書)
五味洋治『朝鮮戦争はなぜ終わらないのか』(創元社)
ジョン・ダワー 『敗北を抱きしめて』(岩波書店)
イアン・ブルマ 『戦争の記憶 日本人とドイツ人』
若宮啓文 『和解とナショナリズム』(朝日新書)
波多野澄雄『日本の歴史問題』(中公新書)
朴裕河『帝国の慰安婦』(朝日新聞出版)
木宮正史『日韓関係史』(岩波書店)
ドン・オーバードーファー 『二つのコリア』(共同通信)
吉田文彦『核のアメリカ』(岩波書店)
加納雄大『東南アジア外交』(信山社)
成績評価の方法と基準Grading criteria
最終レポート(3000字)を70%、授業参加を30%で評価します。
レポートのテーマ選択については授業で説明します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎回の授業内容や順序はできるだけ現実の国際社会の動きに合わせていく。必ずアジアに関する日々の国際ニュースをチェックすること。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
ipadなどネットが閲覧できる情報機器を持参するのが望ましい。
その他の重要事項Others
朝日新聞での30年間の記者経験、とくにハノイ、ワシントン、ニューヨークでの特派員としての経験をいかして、戦争報道や国際報道のメディアリテラシーを高めることを目指す。