法学部Faculty of Law
POL200AC(政治学 / Politics 200)都市の環境問題Urban Environmental Issues
松村 正治Masaharu MATSUMURA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A0531 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y504 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | 選択科目(他学科との共通科目除く) |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | 選択科目(政治学科科目のみ) |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
【Course Outline】
The scope of this lecture covers not only environmental problems that arise within cities, but also local and remote environmental problems caused by the power that accompanies cities. In order to approach these subjects, we will incorporate knowledge from multidisciplinary fields such as sociology, urban planning, geography, history and ecology related to cities and the environment.We take on environmental problems as urban problems and consider what kind of city can realise an environment where no one is left behind.
【[Learning objectives】
・Be able to think sociologically about what environmental problems are.
・Be able to understand the power that comes with cities and to recognise various environmental problems as urban problems.
・Be able to seek solutions to environmental problems on an environment-social-economic layer.
・It becomes interesting to think and act specifically about how cities should be.
【Learning activities outside of classroom】
After the class, look back at the class and submit a reaction paper.
I recommend that you read a reference books.
【[Grading Criteria /Policies】
Reaction papers (may include quizzes): 100%
*Additional points may be given depending on what is said in class.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義で扱う範囲は、都市の中で発生する環境問題だけではありません。都市に伴う力が引き起こす地方や遠方の環境問題も扱います。こうした対象に迫るために、都市と環境に関わる社会学・都市計画学・地理学・歴史学・生態学など、複合領域の知見を取り入れます。
都市と環境は対立的な概念と思われがちですが、本講義では、都市が環境問題を引き起こす必要悪とは捉えません。環境問題を都市の問題として引き受け、どのような都市をつくれば、誰ひとり取り残さない環境を実現できるのかを考えます。
到達目標Goal
・環境問題とは何かについて、社会学的に考えられるようになる。
・都市に伴う権力を理解し、さまざまな環境問題を都市の問題として認識できるようになる。
・環境-社会-経済というレイヤーで、環境問題の解決法を模索できるようになる。
・都市のあり方について具体的に考え行動することが面白いと思えるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義形式で授業をおこないます。基本的にシラバスに示した進めますが、受講生の理解度や社会情勢の変化などによって変更することがあります。
授業に用いる教材は学習支援システムを通して提供します。
基本的に毎回リアクションペーパーを提出していただき、次の授業にフィードバックします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンス/「環境問題」とは何か
本講義の進め方などを短く案内したあと、本講義でいう「環境問題」とは社会的に構築されるものであることを説明します。
2[対面/face to face]:都市の公害史・終わらない公害
都市の環境問題として「公害」に焦点を当て、おもに1960年代以降の公害史と今日の公害(光害・香害など)を紹介します。
3[対面/face to face]:都市と物質循環
物質循環の視点から、歴史的に都市を見つめます。江戸のリサイクル事情、東京ごみ戦争、NIMBY問題、プラスチックごみ問題などを取りあげます。
4[対面/face to face]:都市と水循環
水循環の視点から都市について考えます。琵琶湖の水質汚濁、石けん運動、流域再生、都市型水害などを取りあげます。
5[対面/face to face]:都市の交通問題
都市内の交通問題と都市間の高速交通ネットワークの問題について考えます。宇沢弘文『自動車の社会的費用』、新幹線公害、リニア中央新幹線などを取りあげます。
6[対面/face to face]:「東京」にとっての水俣・福島
公害を象徴する水俣病事件と今世紀最悪の公害である福島第一原発事故による放射能汚染を、見田宗介『現代社会の理論』を参考にして、これを「東京」の都市問題として考えます。
7[対面/face to face]:グローバル化と環境正義
現在の都市環境がきれいになったとしても、都市から排出される廃棄物が地方に、遠方に、将来に運ばれているとしたら公正ではありません。その不公正をただす環境正義や、近年話題の気候正義について考えます。
8[対面/face to face]:首都圏の基地問題
首都圏にある立川・厚木・横須賀などの米軍基地がもたらす問題を取りあげ、なぜ敗戦から80年近く経過しても基地がなくならないのかを考えます。
9[対面/face to face]:都市と権力
都市は食料自給率が低いにもかかわらず、戦時中を除いて飢えることがありません。藤田弘夫『都市の論理』を参考にしながら、このような都市を支える権力構造について考えます。
10[対面/face to face]:都市再開発・ジェントリフィケーション
都市の再開発は環境の改善を目指すものですが、それによって行き場を失う人々が現れることがあります。批判的地理学の研究からジェントリフィケーションの議論を学びながら、誰ひとり取り残さない都市環境について考えます。
11[対面/face to face]:東京一極集中と脱成長
コロナがやや落ち着き、日本国内では東京一極集中の傾向が依然として見られます。この弊害を理解するとともに、脱成長や里山資本主義の議論を参考に、これからの日本の都市のありかたを考えます。
12[対面/face to face]:都市と農・里山コモンズ
かつて都市には農地は不要と言われていましたが、今日では都市の諸問題を解決する場として農的な役割が期待されています。都市農業、コミュニティガーデン、里山コモンズなど、最新の動向を取りあげます。
13[対面/face to face]:都市の生態学
都市は人間生活の利便性を高めるための空間に違いないですが、この中にはさまざまな生きものがいます。都市生態学の最新の知見を参照しながら、都市の生物多様性を高め方について考えます。
14[対面/face to face]:まとめにかえて:都市と分解
これまでの講義をふりかえりながら、分解という視点からあらためて都市を捉えます。その上で、誰ひとり取り残さない環境に向けて、どうすれば持続可能な都市を実現できるのかを考えます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業終了後に、授業をふりかえり、リアクションペーパーを提出してください。
本講義に関連する参考図書を読むことを勧めます。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは指定しません。
参考書References
さらに深く学びたい場合、以下の参考書が助けになります(発行年順)。
宇沢弘文(1974)『自動車の社会的費用』岩波書店.
藤田弘夫(1993)『都市の論理:権力はなぜ都市を必要とするか』中央公論社.
見田宗介(1996)『現代社会の理論:情報化・消費化社会の現在と未来』岩波書店.
品田譲(2004)『ヒトと緑の空間:かかわりの原構造』東海大学出版会.
デビッド・ハーヴェイ(2013)『反乱する都市:資本のアーバナイゼーションと都市の再創造』作品社.
宮内泰介編(2013)『なぜ環境保全はうまくいかないのか:現場から考える「順応的ガバナンス」の可能性』新泉社.
矢部宏治(2014)『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』集英社.
藤原辰史(2019)『分解の哲学:腐敗と発酵をめぐる思考』青土社.
セルジュ・ラトゥーシュ(2020)『脱成長』白水社.
飯田晶子・曽我昌史・土屋一彬(2020)『人と生態系のダイナミクス3 都市生態系の歴史と未来』朝倉書店.
メノ・スヒルトハウゼン(2020)『都市で進化する生物たち:“ダーウィン”が街にやってくる』 草思社.
安藤聡彦・林美帆・丹野春香編(2021)公害スタディーズ:哀しみ、闘い、語りつぐ』ころから
岸由二(2021)『生きのびるための流域思考』筑摩書房.
新保奈穂美(2022)『まちを変える都市型農園 コミュニティを育む空き地活用』学生出版社
『世界』2021年3月号「特集 21世紀の公害」
成績評価の方法と基準Grading criteria
リアクションペーパー(小テスト含む場合があります):100%
※授業内容をまとめても評価できません。授業で取りあげた概念、方法論、事例などをもとに、何を考えたのかを評価します。
※授業中の発言内容によって加点することがあります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません
その他の重要事項Others
【実務経験】大学の専任教員として、環境社会学・持続可能社会論などを教えました。環境コンサルタント会社・環境系行政研究機関に約5年勤務、環境NPO代表など市民活動の経験は20年以上。