文学部Faculty of Letters
LIT300BC(文学 / Literature 300)日本文芸研究特講(15)国際日本学ASpecial Study of Japanese Literary Arts (15) A
スティーヴン ネルソンSteven NELSON
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A2703 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市富士‐F408 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | 2~4 |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2~4 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 日本文学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
Course Outline: This class deals with Japan and its relations with the other nations of the world, focussing on the 19th and early 20th century. Introductory lectures deal with the issues of global cultural spheres, and Japan's relations with China and Europe (Spain, Portugal and the Netherlands) in earlier centuries. We then examine accounts of 19th-century Japan written by such figures as Alcock, Aston, Satow, Chamberlain and Hearn. Each student participates in one of three presentations on books written in English by Japanese men of the time: Uchimura Kanzō's Representative Men of Japan (1908), Nitobe Inazō's Bushido: The Soul of Japan (1900), and Okakura Tenshin's The Book of Tea (1906), in an effort to determine what it was about Japan that these men wanted to present to the world. Other lectures deal with the influence of Japanese art and music on 19th-century and early 20th-century Europe, and Europe's discovery of Japanese classical literature. The class uses many sources written in English; existing Japanese translations are provided, and often commented on, by the instructor.
Learning Objectives: Students will gain a comprehensive understanding of the image of 19th-century Japan recorded by foreign visitors to the country, the facets of Japanese culture that the Japanese of the time felt should be communicated to the West, and the process by which Japanese literature and arts came to be known to the world outside Japan's borders.
Learning Activities Outside of the Classroom: Students must prepare their presentations, deliver them, and write them up as their final report. Sections of the textbook are required reading for certain classes; other materials for required reading are distributed electronically prior to the class in which they are dealt with.
Grading Criteria/Policy: Reaction paper (submitted after each class) 35%; participation in presentation and discussion 25%; final written report 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「日本意識」といえるものが芽生え、発展していった現象を概観した後、幕末・明治期の日本の外国とのかかわり合いを、主に2つの観点から考察します。題材として取り上げるのは、幕末から明治期にかけて滞日した外国人(特にイギリス人)の残した文章と、明治期という激変の時代を生き、西洋文明に接した日本の知識人3人が、海外へ発信するために英文で著した次の文献です。
・内村鑑三(1861-1930)Representative Men of Japan(代表的日本人、1908。Japan and the Japanese[1894]の改訂版)。
・新渡戸稲造(1862-1933)Bushido: The Soul of Japan(武士道、1900)。
・岡倉天心(1862-1913)The Book of Tea(茶の本、1906)。
文学と芸術(美術・音楽)にも触れます。
到達目標Goal
・幕末・明治期に滞日した外国人がどんな印象を持ったか、日本をどう理解したかを知る
・西洋文明に接した明治期の日本人が、日本文化について何を西洋人に伝えるべきだと思ったかを知る
・幕末から明治・大正期にかけて日本の文学や芸術が世界的に知られていったプロセスを知る
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
教員による講義が中心ですが、計3回の討論会(授業第5・9・13回)で、複数の学生グループによるプレゼンテーションと議論を行います。履修者は、プレゼンテーションに必ず1回参加するとともに、議論にも参加します。授業第1〜3回にプレゼンテーション打合せ・相談のための時間を設けます。毎回リアクション・ペーパーを提出してもらいます。授業の冒頭、前回の授業で提出されたリアクション・ペーパーからいくつか取り上げ、フィードバックを行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序説
授業履修の意味を確認
アンケート
プレゼンテーション担当の調整
第2回[対面/face to face]:「(国際)日本学」とは
世界の中の日本
文化圏の存在
プレゼンテーションの準備
第3回[対面/face to face]:日本意識の芽生えと発展
「中華思想」との接触
中世の日本意識
プレゼンテーションの準備(続)
第4回[対面/face to face]:ヨーロッパ人との出会い
江戸期という「閉ざされた時代」の中で
キリスト教宣教師の見聞(ザビエルとフロイス)
長崎(出島)歴代オランダ商館長らの研究
博物学と本草学
第5回[対面/face to face]:討論会① 内村鑑三著『代表的日本人』をめぐって
プレゼンテーションと討論
第6回[対面/face to face]:明治維新前後の外国人の活躍①
オールコック、アストン等
第7回[対面/face to face]:明治維新前後の外国人の活躍②
アーネスト・サトウ等
Asiatic Society of Japanの設立と活動
第8回[対面/face to face]:明治維新前後の外国人の活躍③
チェンバレン、ハーン
第9回[対面/face to face]:討論会② 新渡戸稲造『武士道』をめぐって
プレゼンテーションと討論
第10回[対面/face to face]:日本美術とジャポニスム
浮世絵の移入、パリ万国博覧会
印象派への影響
第11回[対面/face to face]:ジャポニスムと音楽①
オペレッタ《ミカド》、または幕末流行歌《トコトンヤレ節》の大出世
第12回[対面/face to face]:ジャポニスムと音楽②
オペラ《蝶々夫人》の東洋的表象
第13回[対面/face to face]:討論会③ 岡倉天心『茶の本』をめぐって
プレゼンテーションと討論
第14回[対面/face to face]:日本文学の再評価
フェノロサのノートからパウンド・イェイツの能へ
ウェイリーが訳した能と『源氏物語』
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
第5・9・13回のプレゼンテーションのために計画的に準備を進めること。
第6回 テキストpp. 10-17
第7回 テキストpp. 18-23
第8回 テキスト pp. 64-69、70-77
第14回 テキスト pp. 104-111
その他の回 事前に配付されたプリントに目を通し、内容について考えておくこと。
プレゼンテーションに対する議論・コメントを受けて、期末レポートをまとめること。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
佐伯彰一、芳賀徹編『外国人による日本論の名著 ゴンチャロフからパンゲまで』(中央公論社、1987)中公文庫832(本体780円、ISBN4-12-100832-4)
参考書References
授業内に適宜紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
リアクション・ペーパー(35%)、プレゼンテーションと議論への参加度(25%)、期末レポート(プレゼンテーションを文章化したもの、40%)。試験はありません。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
昨年度、各自のプレゼンテーションが長くなり、討論が十分できないことがあったので、予め時間配分を決めることにしたいと思います。
その他の重要事項Others
担当教員は英語を母語とするオーストラリア人ですが、本講義では元々英語で書かれた文章も原則として和訳で読むので、英語の読解力はあまり問題になりません。ただし、プレゼンテーションのために敢えて英文も読んでみたい学生のためには原文を用意し、読解の指導もします。日本文学科の学生のみならず、哲学科、英文学科、史学科などの学生の履修も歓迎します。