文学部Faculty of Letters
LIT200BC(文学 / Literature 200)日本文芸研究特講(2)中古ASpecial Study of Japanese Literary Arts (2) A
栗山 元子Motoko KURIYAMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A2661 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火5/Tue.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市外濠‐S406 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2~4 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 日本文学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
Course Outline: In this class, we will read Genji monogatari (The Tale of Genji) by Murasaki Shikibu. Since the story is long, we will focus on the first half of the life of the main character, Hikaru Genji: a story of overcoming setbacks and attaining glory. By carefully reading famous scenes of this work, we will discover what this great work of literature accomplished, the power of its excellent expression and ingenuity, and how it has managed to captivate people throughout the ages.
Learning Objectives: The goals of this lecture course are for students: (1) to understand the literary achievement and historical significance of The Tale of Genji by experiencing its expressions and learning about the world of the tale; and (2) to deepen their understanding of ancient language and grammar, and broaden their knowledge of the customs and history of the Heian period, which is necessary for reading classical literature.
Learning Activities Outside of the Classroom: Before each class, students will be expected to have read the relevant chapters of the text. After each class, students are expected to revise the class content, read the materials related to the lecture content, and complete assignments. These tasks take four hours each week.
Grading Criteria/Policy: Grading will be based on 14 assignments (70%) and a long report (30%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では『源氏物語』の入門講座として、物語の表現に触れることを通じて、作品の概容やその魅力・文学的達成・文学史的意義についての理解を深めていくことを目指します。具体的には、物語の第一部と呼ばれる光源氏の生涯の前半生を描いた部分について、巻々の名場面を取り上げ講読し、その表現世界を味わっていきます。古典作品を読むのに必要な基礎知識の習得や確認につながるような授業にしたいと思います。
到達目標Goal
①『源氏物語』の表現に触れ、その物語世界について知ることで、この作品の文学的な達成や文学史的意義について理解する。
②古典文学の本文を読んでいくことで、古語や文法についての理解を深め、また古典作品を読むにあたって必要な平安期の習俗や歴史などについての知識を広げる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・毎回講師の作成したプリントを配布し講義を行います。
・毎回授業内容についての理解度を計るために、リアクションペーパーの提出を課します。
・リアクションペーパーに書かれた意見の紹介や質問への解答を通じてフィードバックを行います。
・授業は対面で行います。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーションと『源氏物語』についての基礎的な知識の確認
授業内容・方針・方法などについての説明を行い、『源氏物語』の概容についての講義を行う。
第2回[対面/face to face]:桐壺巻冒頭を読む
光源氏の誕生前史にあたる、桐壺帝による桐壺更衣への寵愛ぶりを語る物語の冒頭を講読する。
第3回[対面/face to face]:帚木巻を読むー雨夜の品定とは
第二巻目の帚木巻に書かれた雨夜の品定について考察する。
第4回[対面/face to face]:夕顔巻冒頭を読む
巻の冒頭の夕顔歌について、その解釈の揺れなども含めて講義を行う。
第5回[対面/face to face]:夕顔巻ー夕顔怪死の場面を読む
夕顔怪死の場面を読み、物の怪の出現の意味について考える。
第6回[対面/face to face]:若紫巻を読む
源氏が若紫君(のちの紫の上)を垣間見する場面を中心に講読する。
第7回[対面/face to face]:紅葉賀巻を読む-藤壺と源氏について
紅葉賀巻の青海波の舞の場面などの読解を通じて、光源氏と藤壺との関係について考えていく。
第8回[対面/face to face]:葵巻を読む
葵巻における物の怪出現の場面を中心に、読んでいく。
第9回[対面/face to face]:賢木巻を読む
源氏不遇の時期の物語を、朧月夜との密会発覚の場面を中心に確認していく。
第10回[対面/face to face]:須磨巻を読む-配所における光源氏
光源氏の失意の日々を描いた須磨巻で、古来名文とされてきた場面を中心に取り上げ、鑑賞する。
第11回[対面/face to face]:明石~松風巻を読む
光源氏が都へ復帰し、政治家として返り咲いていくといった物語の内容を、要点を抑えつつ概観する。
第12回[対面/face to face]:薄雲巻・朝顔巻を読む
藤壺の死について書かれた場面を読み、その波紋について考える。
第13回[対面/face to face]:少女巻・玉鬘十帖前半の物語についての概観
光源氏の建てた六条院という壮麗な屋敷で展開される栄華の世界と新たなヒロインの投入による波紋を確認していく。
第14回[対面/face to face]:玉鬘十帖後半から梅枝・藤裏葉巻の物語の概観/第二部の物語粗描
第一部の大団円にむけての物語世界について確認し、第二部の物語とどのようにつながっていくのかということなどについても触れる。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前学習としてはスムーズに授業内容に対応できるように、各回授業の前に取り上げる巻の内容や出てくる登場人物などについて調べておいてください。また授業後には、授業内容を振り返って整理し、より深く掘り下げて主体的に学ぶべく、関連論文などにあたって学びを深めてください(参考論文については授業時にも紹介します)。本授業の準備学習・復習時間は、合わせて4時間程度を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
講師作成の文書を配信します。
参考書References
中野幸一編『新装版 常用 源氏物語要覧』(武蔵野書院 2012)は、系図や巻の順番ごとの要約、物語の年表など、簡便な事典のようにして使えます。林田孝和他編集『源氏物語事典』(大和書房 2002)などはキーワードから物語世界についての知識を得ることができます。物語世界を概観するには、中野幸一『源氏物語みちしるべ』(小学館 1997)、高木和子『源氏物語を読む』(岩波新書)などがあります。また原文を読んでみたい人には、入手しやすいテキストとして岩波文庫『源氏物語』(柳井滋他校注 2017から刊行中)や角川ソフィア文庫のものなどがあります。なお風俗博物館(京都)のサイトは、平安時代の風俗や年中行事を知る上で非常にわかりやすく参考になります。http://www.iz2.or.jp/
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の授業時に課すリアクションペーパーや小課題による評価が70%、期末のまとめ課題による評価が30%とします。評価のポイントは、課題への取り組み姿勢と授業内容の理解度の深浅に拠ります。なお課題の提出が三分の二以上であることを単位修得のための必須条件とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
わかりやすい講義を心がけたいと思います。なお授業に関しての質問や意見にはフィードバックとして次回の授業冒頭で対応をするようにします。