文学部Faculty of Letters
PHL300BB（哲学 / Philosophy 300）哲学特講（７）－２Special Lecture on Philosophy (7)-2
鵜澤 和彦Kazuhiko UZAWA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2023 |
| 授業コードClass code | A2225 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 水5/Wed.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市Ｙ‐Ｙ７０２ |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 2～4 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 哲学科 |
| 他学科公開科目 | |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
In the late 1780s, Kant systematically deepened and developed his critical philosophy by recognizing the a priori principle in the pleasant and unpleasant emotions (life emotions). This influence extends from his contemporaries, the poets Schiller and Goethe, to various fields of modern thought (political philosophy, phenomenology, and hermeneutics). This class will focus on "The Critique of Judgment" to clarify Kant's foundations of aesthetics and natural teleology and the systematic significance of the Third Critique. By tracing the speculations that lead from the analysis of life emotions to the discussion of theology, we aim to learn the innermost truths of critical philosophy. Read the textbook and find points you do not understand (2 hours). Review whether your questions find an answer (2 hours). If you have any questions, please write them down in the posting section of Hoppii, the class support system. The assignment (A) and the final report (B) will be 50％ each. The evaluation standard will lie in (1) whether you have a correct understanding of Kant's problem setting, concepts, and methods, and (2) whether the structure and expression of the assignments and reports, in the form of answers to questions, are written in a way that readers can understand.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
カント『判断力批判』を読む ― 美学と自然目的論の基礎づけ
カントは1780年代後半、認識能力と欲求能力の他に、快と不快の感情（生命感情）にもア・プリオリな原理（合目的性）を認め、批判哲学を体系的に深化・発展させました。その影響は、同時代の詩人のシラーやゲーテから、現代思想の様々な分野（政治哲学、現象学、解釈学）にまで及んでいます。本授業は『判断力批判』を取り上げ、カントによる美学と自然目的論の基礎づけのほか、第一批判と第二批判を媒介する第三批判の体系的意義を明らかにします。生命感情の分析から神学の議論に行きつく思索を辿ることで、カント批判哲学の到達点を学ぶことを目的とします。
到達目標Goal
①哲学の古典テキストを読解する仕方や内容のまとめ方を学ぶことができる。
②18世紀の美学および自然目的論の概念史を学ぶことができる。
③反省的判断力の原理（合目的性）の体系的意義を理解することができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義は授業支援システムHoppiiを使用しながら、対面の形式で行ないます。テーマの変わり目で、グループワークと質疑応答の時間を作り、授業内容の理解の深化を図ります。質問と感想は、授業時に配布するリアクションペーパーに記入してください。このペーパーの提出で出席となります。質問への回答は、次回の授業時に行います。課題の出題、回収、評価とフィードバックは、Hoppiiを使用します。受講生の積極的な参加を望みます。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：授業ガイダンス
授業の概要と目的、授業の方法などを説明するほか、授業の導入として『判断力批判』の成立史と影響作用史、ならびに、問題設定と第三批判の体系的位置づけについて解説します。
第2回[対面/face to face]：反省的判断力：教科書第IV章第1節
反省的判断力の概念、並びに、その原理としての合目的性とその体系的意義を解説します。
第3回[対面/face to face]：美感的判断力の批判：教科書第IV章第2節
趣味判断の四つの契機（質・量・関係・様相）を学びます。
第4回[対面/face to face]：グループワークと質疑応答
第1回から第3回までの授業に関するグループワーク、並びに、質疑応答を行います。
第5回[対面/face to face]：崇高の分析論：教科書第IV章第2節
崇高の概念、および、数学的崇高と力学的崇高の区別について学びます。
第6回[対面/face to face]：純粋美感的判断の演繹（１）：教科書第IV章第2節
第三批判における演繹の意味、趣味判断の固有性と共通感官を説明します。
第7回[対面/face to face]：純粋美感的判断の演繹（２）：教科書第IV章第2節
カントの天才論、芸術論について解説します。
第8回[対面/face to face]：美感的判断力の弁証論：教科書第IV章第2節
趣味のアンチノミー、合目的性の観念論、道徳性の象徴としての自然美について学びます。
第9回[対面/face to face]：グループワークと質疑応答
第5回から第8回までの授業に関するグループワークと質疑応答を行います。
第10回[対面/face to face]：目的論的判断力の批判：教科書IV章第3節
自然の客観的・形式的合目的性、自然目的、自然の相対的合目的性と内的合目的性について学びます。
第11回[対面/face to face]：目的論的判断力の方法論：教科書IV章第3節
判断力のアンチノミーとその解決、自然の客観的合目的性の概念、自然目的を説明します。
第12回[対面/face to face]：目的論的判断力の方法論：教科書IV章第3節
機械論の目的論への従属、物理的神学と倫理的神学、道徳的信仰について学びます。
第13回[対面/face to face]：グループワークと質疑応答
第10回から第12回までの授業のグループワークと質疑応答を行います。
第14回[対面/face to face]：授業全体のまとめ
美学と自然目的論の内容をまとめ、第三批判の体系的意義について解説します。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習：テキストの関連個所や参考文献を読み、理解できない点をまとめるほか、それに関連する諸概念を調べてください（2時間）。復習：再度、授業資料とテキストを読み直し、疑問点が解決できたかどうかを確認してください。疑問があれば、授業支援システムHoppiiの投稿欄に質問を記入してください。また、課題も提出してください（2時間）。
テキスト（教科書）Textbooks
高峯一愚（著）『カント講義』、論創社：四六版 (2022)、3300円
参考書References
①牧野英二（訳）『判断力批判』カント全集第8巻と第9巻、岩波書店（2017年）
②牧野英二（編）『新・カント読本』法政大学出版局（2018年）
③牧野英二（著）『崇高の哲学 情感豊かな理性の構築に向けて』法政大学出版局（2007年）
④相原博（著）『カントと啓蒙のプロジェクト 《判断力批判》における自然の解釈学』法政大学出版局（2017年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
各授業の課題（A）と期末レポート（B）を、それぞれ50％の評価とし、総合的に成績を算出します。また、評価については（１）カントの問題設定、概念、方法を適切に理解できているかどうか、（２）問いに対する答えという仕方で、課題やレポートの構成と表現が、読者に理解できるように書かれているか、という点を基準にします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
教科書以外の学習教材は、すべて学習支援システムHoppiiにアップロードされますので、病気などで欠席した場合、このシステムを活用して各自自習してください。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業時そして予習や復習の際にも、学習支援システムHoppiiを利用するため、インターネット、パソコンあるいはノートブックを使用します。
その他の重要事項Others
その他、授業の詳細については、学習支援システムHoppiiに掲載していますので、そちらをご覧ください。