デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design
ADE100NB(建築学 / Architecture and building engineering 100)建築のしくみArchitectonics
安藤 直見Ando NAOMI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学部Faculty of Enginneering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | B2151 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | 建築:建築士 |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | 必修 |
入学年度Admission year | |
カテゴリー(2023年度~)Category (2023~) |
建築学科 専門科目 導入科目 |
カテゴリー(2019~2022年度)Category (2019~2022) |
建築学科 専門科目 導入科目 |
カテゴリー(招聘学科)Category | 建築 |
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Outline (in English)
[Course outline]
This course aims to provide students, who have started architectural studies, with knowledge of fundamental building constructions.
[Learning objectives]
Through understanding the relationship between forms and spacial compositions as well as framework and details in construction, students will learn the basic structures, such as reinforced concrete wall structure, reinforced concrete frame structure, steel frame structure, and wooden frame structure.
[Learning activities outside of classroom]
Prepare and Review online tests
[Grading criteria/policy]
Grading is based on the evaluation of online tests (100%)
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本授業は建築を学び始める学生が建築のしくみ(物的構成)の基本を知ることを目的としています。「巨匠たちの住宅」(国内および海外の著名な建築)を題材として,その形態構成・空間構成と架構法・ディテールとの関係を理解しながら,建築の主要な架構形式である鉄筋コンクリート壁式構造,鉄筋コンクリートラーメン構造,木造軸組構造,鉄骨構造の基本的なしくみについて学びます。
(以下,教科書の「はじめに」より)
本書の2章以降では,「住吉の長屋」,「サヴォワ邸」,「ファンズワース邸」,「白の家」といった20世紀を代表する住宅を実例として取り上げ,その形態・空間がどのような建築のしくみによって成立しているかを解説している。取り上げた住宅は,それぞれ,鉄筋コンクリート壁構造,鉄筋コンクリートラーメン構造,鉄骨構造,木造軸組構造という異なった構造形式でつくられている。それらは現代においても(変更:現在の)建築の主要な構造形式であるから,これらの住宅を学ぶことで,建築の主要なしくみがどのように形態・空間を構成しえるかを理解することができると思う。
さて,しかし,取り上げた住宅が,主要な建築のしくみを学ぶために適した実例であるかどうかという点には疑問の余地があるかもしれない。これらの住宅が,後に続く建築に,決定的な影響を与えた建築であることに間違いはないのだが,これらの住宅は,研ぎ澄まされた形態と空間をもつがゆえに,建築の特殊解(変更:例)だといえなくもないからだ。街にあふれる多くの建築では,建築を物的に構成する柱や壁が見えない部分に隠されていることが多いのだが,これらの住宅は,そういった建築とはいささか異なっている。
しかし,建築のしくみという視点(変更:観点)でいえば,4つの住宅が,街にあふれる多くの建築とまったく異なっているわけではない。現代の建築技術は,産業革命以降に発展した工業技術に根ざしているから,4つの住宅と街にあふれる多くの建築は同一の技術に基づいて成立している。両者が異なっているのは,4つの住宅では,建築のしくみが至高の形態と空間に昇華しているという点だけだ。
本書で取り上げる4つの住宅は,建築を架構する壁や柱の構成が建築の形態・空間を決定づけているという意味において「裸の建築」と呼ぶこともできると思う。これらの住宅は,「裸」であるからこそ美しい。建築のしくみを形態・空間と関連づけ,すなわち,建築のしくみを建築の美しさと関連づけて学んで欲しいことも本書のねらいである。
到達目標Goal
建築にしくみに関する以下の知識の習得が目標です。
1. 鉄筋とコンクリート
2. 壁構造とラーメン構造
3. 基礎・壁・床・屋根・開口部・その他の各部の構成
4. 鉄骨の形状と接合方法
5. ガラスの構成
6. 木造の基礎・床組・軸組・小屋組
(以下,教科書の「はじめに」より)
建築のしくみは建築の技術の一端である。一つの考え方として,建築のしくみは先行したデザインの後からついていくものであり,しくみの積み重ねによってデザインが生まれることはないという考え方があると思う。その考え方に従えば,しくみを表す図面・模型よりも,細部の構成にはこだわらない1枚のスケッチこそが建築デザインにとってもっとも重要だということになる。そのことに間違いはないと思うのだが,だからといって,建築のしくみを学ばなくてもいいということにはならない。この先に描かれるであろう1枚のスケッチがどのようなしくみによって成立するかは未知のことであっていいが,現在の建築が(現代に多大な影響を与えた建築が)どのようなしくみによって成立しているかを理解することは,建築を学び始める学生にとって重要であるはずだ。
【修得できる能力】*【修得できる能力】*
- 総合デザイン力:
- 文化性:
- 倫理観:
- 建築の公理:◎
- 芸術性:
- 教養力:○
- 表現力:
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部建築学科ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎回の授業では,各回のテーマに関する解説に続いて,hoppii(学習支援システム)の「テスト/アンケート」を利用して,授業内オンラインテストを実施します。解説は教科書に沿って進めるので,重要なポイントにマークをするなどして,教科書に書かれていることをよく理解してください。その上で,教科書を参照しながら,テストに解答し,重要なポイントを再確認してください。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:建築の主要な架構形式
ガイダンス
2[オンライン/online]:住吉の長屋(1):
鉄筋コンクリート壁構造による建築架構の概要
教科書2章1節〜2節(住吉の長屋と壁構造の概要)
3[オンライン/online]:住吉の長屋(2):
コンクリート打放しと壁仕上げ,断熱材,建具の納まりなど
教科書2章3節(平面の構成)
4[オンライン/online]:住吉の長屋(3):
基礎,壁,床,天井,屋根の架構法など
教科書2章4節〜5節(断面と立面の構成)
5[オンライン/online]:サヴォワ邸(1):
鉄筋コンクリートラーメン構造による建築架構の概要
教科書3章1節〜3節(サヴォワ邸とラーメン構造の概要)
6[オンライン/online]:サヴォワ邸(2)
構造壁と間仕切り壁などについて学ぶ
教科書3章4節〜6節(1階・2階・屋上の構成)
7[オンライン/online]:サヴォワ邸(3):
鉄筋コンクリートによる造作(開口部など)
教科書3章7節〜9節(立面・断面・窓の構成)
8[オンライン/online]:これまでのまとめ:
鉄筋コンクリート構造による建築の工事現場の事例
スライドレクチャー(予定)
9[オンライン/online]:ファンズワース邸(1):
鉄骨構造による建築架構の概要など
教科書4章1節〜2節(ファンズワース邸と鉄骨構造の概要)
10[オンライン/online]:ファンズワース邸(2)
鉄骨フレームのしくみなどについて学ぶ
教科書4章3節〜4節(鉄のフレームと床・屋根)
11[オンライン/online]:ファンズワース邸(3):
ガラスのディテール。カーテンウォールのディテールなど
教科書4章5節〜7節(ガラスの壁・階段・設備コア)
12[オンライン/online]:白の家(1):
木造軸組構造による建築架構の概要。ツーバイフォー構法,パネル構法などの概要
教科書5章1節〜3節(白の家と木造軸組構造の概要)
13[オンライン/online]:白の家(2):
軸組,床組,軸組部材の名称と役割
教科書5章4節〜5節(基礎と床組)
14[オンライン/online]:白の家(3):
小屋組,軸組構造の枠廻り,壁,床,天井の仕上げ
教科書5章6節〜8節(軸組・小屋組・各部の構成)
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
教科書該当部分の予習と復習が必要です。
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
「建築のしくみ/住吉の長屋,サヴォワ邸,ファンズワース邸,白の家」(安藤直見・柴田晃宏・比護結子著,丸善,2008年)※
※この教科書は1年次配当科目(必修科目)である「デザインスタジオ1(建築)」でも使用します
参考書References
●安藤忠雄,安藤忠雄のディテール/原図集/六甲の集合住宅・住吉の長屋,彰国社,1984年
●GAディテール No.1/ミース・ファン・デル・ローエ/ファンズワース邸/1945ー50,A.D.A. EDITA Tokyo Co., Ltd.,1976年
●篠原一男,白の家・上原通りの住宅,世界建築設計図集,同朋舎,1984年
●篠原一男,住宅論,SD選書 No.49,鹿島出版会,1970年
(5) エドワード・R・ フォード,巨匠たちのディテール,八木幸二監訳,丸善,1999年
●安藤直見・石井翔大・浅古陽介・種田元晴,建築のカタチ: 3Dモデリングで学ぶ建築の構成と図面表現,丸善,2020年
●内田祥哉他,建築構法(第五版),市ヶ谷出版社,2007年
●建築構造ポケットブック(第4版),共立出版,2006年
●加藤道夫,建築における三次元空間の二次元表現/ショワジー『建築史』における軸測図の使用について,図学研究,第32巻3号,日本図学会,1998年9月
●佐々木睦朗,私のベストディテール/接合部の痕跡を消す,日経アーキテクチュア No.709(2002年1月7日号)
●サヴォワ邸/1931/フランス/ル・コルビュジエ,バナナブックス,2007年
●Jacques Sbriglio, Le Corbusier: La Villa Savoye, Foundation Le Corbusier, Birkhäuser, 1999
●Werner Blaser, Mies van der Rohe, Farnsworth House: weekend house, Birkhäuser, 1999
▼参考ホームページ
○ファンズワース・ハウス(アメリカ・イリノイ州)
:http://www.farnsworthhouse.org/
○フランス国立モニュメントセンター:
http://www.monuments-nationaux.fr/
○ル・コルビュジエ財団(パリ):
http://www.fondationlecorbusier.asso.fr/
○ル・コルビュジエ アーカイブ(大成建設):
http://www.taisei.co.jp/galerie/archive.html
▼教科書「建築のしくみ〜」の中国語版
建筑构造--从图纸模型3D详解世界四大名宅安藤直見・柴田晃宏・比護結子・陶新中(译)・董新生(校),中国建筑工业出版社(2016年1月)
成績評価の方法と基準Grading criteria
毎回の授業にて実施する授業内テストにより評価します(100%)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業評価アンケートに「眠くなる」という回答がありました。「眠くならないような演出」として,何か手を動かすような演習を交えるようにします。なお,授業の前日には十分な睡眠をとってください。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
毎回の授業で,学習支援システム(hoppii)を用いた「テスト」(演習)を実施します。「テスト」を受けるには,ノートパソコンまたはスマートフォンが必要となります。
また,授業時に,学習支援システムを通して,3DモデルのCGデータ(スケッチアップのファイル)などの資料を配布します。CGデータを参照すると,建築の構成がよくわかります。ノートパソコン等を用意して,CGデータを参照してください。
その他の重要事項Others
この授業の題材とする4つの住宅のうちの「サヴォワ邸」(フランス・パリ近郊)と「ファンズワース邸」(アメリカ・シカゴ近郊)は文化財として一般に公開されているので,ぜひ実物を見に行ってください。
教科書では,4つの住宅の図面・模型・CG(Computer Graphics)の製作方法について解説しています。ぜひ図面を描き,模型を作ってみてください。また,教室の中で建築の実物を工事することは不可能ですが,コンピュータ上でなら組み立てることができます。CGの制作にもチャレンジしてください。3年次以上秋学期配当科目(選択科目)である「デジタルスタジオ」は,実在の建築のCGを制作する演習を含んでいるので,ぜひ受講をしてください。