通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling)
SOC100TA(社会学 / Sociology 100)社会学(「近代」とは何か)(前期メディア)Social Science
徐 玄九
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(スクーリング)School of Correspondence Education (Schooling) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | 50001 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当教員(自由記述)Instructor name | 徐 玄九 |
科目種別Class Type | スクーリング |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 前期メディア |
期間Period | 前期 |
定員Capacity | - |
予備登録の有無Presence or Absence of Preliminary Registration | |
受講可能な学科・学年Eligible Courses / Grade | 『法政通信』受講申込み等関連頁を参照 |
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Outline (in English)
What is modern society? How can we understand it? How does society affect individual lives? The aim of this course is to help students acquire the basic sociological concepts and terms, and to develop a beginning critical perspective on the structure of our modern society. The course introduces students to classical theoretical traditions of Durkheim, Weber, and Tonnies. Our study is the basic social institutions (religion, economics, and politics), and major trends in sociology.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業の主な目的は、「近代(Modern age)とは何か」という問いを軸に、「近代」という時代の診断に関して、これまで社会学者たちが出してきた暫定的な「答え」を参照しながら、「私と社会」の関係をいま一度反省的に見つめなおすことです。そのために必要な社会学の基本的な「ものの見方・考え方」をその概念や理論も含めて基礎から学びます。社会学の通低する問題意識に沿って、今日の私たちは「何」から「何」へ、あるいは、「どこ」から「どこ」へ変わってきたか、またそのなかで、何が省略され、何が稀少化され、何が凝縮されているのかについて学びます。これを通して、一人ひとりの時代への問題意識の「(再)発見」のきっかけを作ります。社会学は、社会変動を理解したいという願望とともに、それに対する知的対応として登場しました。私たちを取り巻き支配しているこの時代(近代あるいは現代)とはいかなる時代なのか、そしてどのような問題を抱えており、それの解決方向をいかに見出すかという関心が社会学の成立と発展に通低していた問題意識です。
到達目標Goal
以下の授業計画のテーマに沿って、社会学の核心的な概念、理論などを基礎から学びます。具体的には(1)各テーマに対するさまざまな人の異なる見方、考え方を学ぶ、(2)行為、関係、意味など社会現象を記述するときに用いられる基礎概念を文脈に沿って正しく理解する、(3)「近代」という時代の特徴の一面を理解でき、それを自分の言葉で表現できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「法律学科:DP5」「日本文学科:DP3」「史学科:DP1, DP3」「地理学科:DP1」「経済学科:DP7」「商業学科:幅広い教養」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は基本的に講義形式で行いますが、社会学の学説史や理論の羅列的な紹介よりも、ストーリー性を重視しながら、出来る限り身近なものから抽象的なものへと話題を進めるようにします。そうすることで、「私的」な個別具体的な事柄のなかにも、社会性(歴史的、文化的な諸状況)が入り込んでいて、一見無関係のようにみえるある社会的現象が実は互いに影響しあっていることに気づき、「私と社会」の関係をより多角的に理解できるはずです。
中間課題に対しては、①採点もしくは個別評価・添削、②全体講評、③模範解答や優秀リポート等の掲示、のうちいずれかを実施します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:Introduction
社会学への招待:「自明なものを問う」―社会学的想像力の重要性
第2回[オンライン/online]:見えない社会を見る
目に見えない社会を見る練習をする―(E.T. Hall/E.Goffman)の「プロクセミックス」/「儀礼的無関心」の概念を学ぶ
第3回[オンライン/online]:近代と空間観の変化
テンニースのゲマインシャフトとゲゼルシャフトという社会形態の区分を中心に空間と相互行為の違いについて学ぶ
第4回[オンライン/online]:近代と時間観の変化
自然的な時間から機械的な時間の変化を歴史的に学ぶ
第5回[オンライン/online]:歴史区分としての近代
歴史区分としての「近代」とその特徴について学ぶ
第6回[オンライン/online]:社会契約論と私的所有論
近代社会理論の代表的な社会契約論と私的所有論について学ぶ
第7回[オンライン/online]:労働賛美の時代としての近代
概略的に古代から近代までの労働観の変遷を歴史的・思想的に学ぶ
第8回[オンライン/online]:逆説としての近代
理解を深めるために、「近代」への道筋をM.Weberの「近代形成論」(『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』)に即して学ぶ
第9回[オンライン/online]:規律化と臣民化としての近代
社会秩序と権力の問題をM.Foucault『監獄の誕生』に依拠して学ぶ
第10回[オンライン/online]:世俗化の時代としての近代
E.Durkheim/P.L.Bergerの「宗教論」に学びながら、社会全体の動きに大きな影響を及ぼした宗教の意味や役割、そして「世俗化」について学ぶ
第11回[オンライン/online]:ナショナリズムの時代としての近代
E.ゲルナーとB.アンダーソンの議論を中心に近代とナショナリズムの関係を学ぶ
第12回[オンライン/online]:公共性の変容としての近代
H・アレントとJ.ハバーマスの議論を手がかりにして公共性の変容について学ぶ
第13回[オンライン/online]:マニュアル化の時代としての近代
G.Ritzer『マクドナルド化する社会』を参照しながら、合理化、官僚制、などの概念について学ぶ
第14回[オンライン/online]:リスク社会としての現代
U.Beck『危険社会』に依拠しながらリスク社会としての現代社会を考える
第15回[オンライン/online]:授業内容の総括
これまでの授業内容をもう一度おさらい
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
この授業では多くの内容を比較的短時間で扱います。よって、毎回の講義のなかで取り上げる基本的な概念について、関連する参考文献や辞典等を用いて予習・復習をすることが大事です。受講生皆さんには「読書」(多読)をお薦めします。取り組もうとしている問題が重要、かつ複雑であるからこそ、平易であろうと、難解であろうと、多くの文献を読む必要があるのです。時間とコストを惜しまず取り組んでください。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用せず、配布資料に基づき講義を進めていきます。
参考書References
必要に応じて配布または提示しますが、さしあたっては以下を参照してください。
ピーター・L. バーガー(1989)『社会学への招待』思索社。
ジグムント・バウマン(1990=1993)奥井智之訳『社会学の考え方――日常生活の成り立ちを探る』HBJ出版局。
見田宗介(2006)『社会学入門』岩波文庫。
市野川容孝(2006)『社会――思考のフロンティア』岩波書店。
長谷川公一他(2007)『社会学』有斐閣。
大澤真幸(2008)『不可能性の時代』岩波文庫。
日本社会学会社会学事典刊行委員会編(2010)『社会学事典』丸善。
成績評価の方法と基準Grading criteria
中間リポート(30%)とメディアスクーリング試験(70%)の合計点で評価します。
具体的な評価基準は、到達目標に書いてある通り「行為、関係、意味など社会現象を記述するときに用いられる基礎概念を文脈に沿って正しく理解」しているかを合格基準とし、その上、取り上げられたテーマ(問題)に関して論理的な記述、自主的な学習の成果が認められた場合はさらに高く評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講者の意見のなかには、「日常生活の中で疑問に感じていたことなどが、授業の随所にあり納得した。」「理解しているつもりなのに、小テストへの反応が悪く残念であった。」とのご意見をいただきました。メディアスクーリング形式の特性上、時々の疑問をすぐに解決できないかもしれませんが、「中間レポート」の提出と合わせて文末に日頃の疑問を書いてくださるか、掲示板などを積極的に活用していただければ、担当者のできる限りにおいてお答えしていくように努めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
なし。
その他の重要事項Others
受講時の疑問などは積極的に掲示板などをご利用ください。