人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY500B6(心理学 / Psychology 500)障害児心理特論Advanced Lecture in Psychology for Children with Special Needs
奥田 健次
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X0528 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期集中/Intensive(Fall) |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他/intensive・other courses |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 心理学専攻(修士課程)-展開科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Children with disabilities such as Autism Spectrum Disorder (ASD) often have serious problems in human interpersonal relationships. Think about support for people surrounding the parties, such as support for families with children with disabilities, support and consultation to schools, and so on.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
人間は、対人的なかかわりを通して、人間らしい社会的関係を生み出し、社会でよりよく生きるために調整する力が育てられる。しかし、自閉症スペクトラムなどの障害のある子どもは、適切な対人関係をもつことに大きな問題をかかえることが多い。障害のある子どもをもつ家族に対する支援や指導、学校に対する支援やコンサルテーションなど、当事者と当事者を取り巻く人々に対する包括的な支援について考える。
到達目標Goal
障害のある子どもの知的発達、社会性の発達、行動情緒の問題について、実践的な視点から具体的に論じることができる。
アセスメントの方法、実際の支援の方法について、具体的事例を通じて実践的な方法を討議し、いくつかのケース課題のワークショップを通して心理学的援助の方法を検討し、発表する。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
「障害がある」とはどういうことか。逆に「障害がない」とはどういう状態のことをいうのか。これだけでも、大きなテーマであるといえる。しかし、哲学的な考察を深めるような授業ではなく、現実的な課題となっている「専門的支援」について、実践的に役立つ知識と技能を具体的な事例を通して学ぶ。そのために、基本的には講義形式で進められるが、グループワークや発表、討論の機会を設けて、受講者に能動的な学習ができるようはたらきかける。グループワークや発表へのフィードバックは授業中に行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:障害の概念と特別な教育ニーズおよび合理的配慮
「障害」とは何か、国際障害分類の定義について説明する。また、特別な教育ニーズについて具体例を挙げながら説明する。「合理的配慮」について具体事例を挙げて検討する。
第2回[対面/face to face]:知的障害児の発達と心理
知能の定義、知的障害について説明し、教育や発達の支援について説明する。また、支援方法についてのワークを行う。
第3回[対面/face to face]:視覚障害・聴覚障害児の発達と心理
視覚障害および聴覚障害について、発達的な特徴と教育方法を説明する。支援の具体的な方法や課題についてのワークを行う。
第4回[対面/face to face]:肢体不自由・病虚弱児の発達と心理
肢体不自由・病虚弱について、発達的な特徴と教育方法を説明する。また、特別支援や家族支援上の課題について説明する。
第5回[対面/face to face]:自閉症児の発達と心理
自閉症について、発達的な特徴と教育方法の変遷について説明する。支援の具体的な方法や課題についてのワークを行う。
第6回[対面/face to face]:発達障害者の青年期・成人期での支援
発達障害者の青年期問題や成人期の課題、就業支援、余暇支援について説明する。
第7回[対面/face to face]:LD・ADHD児の発達と心理
LD・ADHDについて、発達的な特徴と教育方法を説明する。学校教育上の教育支援や家族支援上の課題について説明する。
第8回[対面/face to face]:特別支援教育とは
特別支援教育について、従来の特殊教育からの変遷や目的・特徴の差違について説明する。また、ガイドラインのねらいについて説明する。
第9回[対面/face to face]:実態把握と相談支援
特別支援教育において行われる実態把握と相談支援の具体的方法について説明する。支援システムの構築の実例について発表する。
第10回[対面/face to face]:個別の指導計画と個別の教育支援計画
個別の指導計画と個別の教育支援計画について実際の計画案から説明する。また、問題のある計画の改善についてのワークを行う。
第11回[対面/face to face]:校内委員会と支援体制
校内委員会と支援体制について、機能的な組織の在り方について説明する。また、学校と家庭の連携・協働における課題について説明する。
第12回[対面/face to face]:特別支援教育(児童期の支援事例)
小学校における特別支援教育の支援事例を説明し、仮想事例から支援計画を検討して発表する。
第13回[対面/face to face]:特別支援教育(青年期の支援事例)
中学校における特別支援教育の支援事例を説明する。また、高等学校における特別な教育ニーズのある生徒への支援課題について説明する。
第14回[対面/face to face]:学校コンサルテーション、まとめ
特別支援教育で専門的な支援者に求められる学校コンサルテーションについて説明する。また、これまでの講義のまとめと講評を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
日常生活上の「障害」について、具体的な実例を考えておく。知的障害、聴覚障害、視覚障害、肢体不自由・病虚弱の教育支援方法について調べておく。自閉症についての発達的な特徴について調べておく。学校で求められる合理的配慮の実例を考えておく。文部科学省「特別支援教育」ガイドラインの目次部分を、各自で準備し、調べておく。個別の指導計画と個別の教育支援計画の見本を、教科書や専門サイトなどから、各自で準備し、調べておく。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。
参考書References
奥田健次(編著)教師と学校が変わる学校コンサルテーション.金子書房.2018年.
成績評価の方法と基準Grading criteria
集中講義であるため出席基準(4/5以上の出席)を満たしていることを前提に、授業参加40%、グループ発表30%、テーマ毎に実施するミニクイズ30%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業改善のための意見を聞かせて下さい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
該当なし
担当教員の専門分野等
<専門領域>
応用行動分析学、特別支援教育、行動療法
<研究テーマ>
自閉症児への応用行動分析学による指導、自閉症児の「心の理論」、特別支援教育と学校コンサルテーション、家族支援とペアレントトレーニング、行動コーチング
<主要研究業績>
奥田健次編著(2018)教師と学校が変わる学校コンサルテーション.金子書房.
仁藤二郎・奥田健次(2016)痙攣性発声障害と診断された男性の日常生活における行動アセスメント.行動分析学研究, 31(1), 40-47.
仁藤二郎・奥田健次(2013)嘔吐不安を訴えるひきこもり男性の食事行動への介入 : エクスポージャーにおける行動アセスメントと介入の評価.行動分析学研究, 27(2), 80-91.
奥田健次(2012)メリットの法則−行動分析学・実践編.集英社.
奥田健次・小林重雄(2009)自閉症児のための明るい療育相談室-親と教師のための楽しいABA 講座.学苑社.
奥田健次(2006)症例研究の方法.河合伊六(監修),辻下守弘・小林和彦(編),リハビリテーションのための行動分析学入門(pp.37-49).医歯薬出版株式会社.
奥田健次(2005)不登校を示した高機能広汎性発達障害児への登校支援のための行動コンサルテーションの効果-トークン・エコノミー法と強化基準変更法を使った登校支援プログラム-.行動分析学研究, 20(1), 2-12.
奥田健次(2001)認知発達と言語行動:「心の理論」研究から. 日本行動分析学会(編), 浅野俊夫・山本淳一(編), ことばと行動:言語の基礎から臨床まで(pp. 189-210). ブレーン出版.