人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY500B6（心理学 / Psychology 500）学習指導特論Advanced Lecture in Coursework Advising
藤田 哲也
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X0524 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 心理学専攻(修士課程)-展開科目 |
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Outline (in English)
[Course outline]
In this class, students understand various theories concerning learning psychology, which is useful in promoting appropriate teaching with the communication of information, knowledge and technology to others.
[Learning Objectives]
By the end of the course, students should be able to do the following:
1.Students can plan practical curriculum guidelines after understanding the theory of memory and cognition.
2.Students can plan practical curriculum guidelines based on motivational theories.
3.Students can plan practical curriculum guidelines that incorporate the concept of collaborative learning.
4.Students can develop a curriculum plan that reflects appropriate educational evaluation methods.
5.Students can effectively provide learning guidance according to the learning guidance plan based on the above factors 1 to 4.
[Learning activities outside of classroom]
The standard preparation time for this class is 3 hours, and the standard review time is 1 hour.
[Grading Criteria /Policy]
The overall grade of the class is determined based on the following.
In-class contribution 60%, presentation of class concept 10%, simulated lesson 30%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
学校教育場面はもちろんのこと，現代社会の様々な場面における，情報・知識・技術の他者への伝達を念頭に置き，適切に学習指導を進める際に有益となる学習心理学に関する諸理論について理解を深める。
到達目標Goal
半期の授業が終了した時点で，以下の各要素を身につけていることが，この授業の具体的な到達目標である。
１．記憶・認知に関する理論を理解した上で，実践的な学習指導の計画を立てることができる。
２．動機づけに関する理論をふまえた上で，実践的な学習指導の計画を立てることができる。
３．協同学習の考え方を取り入れた，実践的な学習指導の計画を立てることができる。
４．適切な教育評価の方法を反映させた，学習指導の計画を立てることができる。
５．上記１～４の要素をふまえた学習指導の計画に沿って，効果的に学習指導を行うことができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
前半の授業は主として講義形式であり，取り上げる理論は記憶・認知や動機づけ，協同学習に関するものが中心となるが，ただ理論について概説するというよりも，諸理論を実践的に応用する観点について強調する予定である。それと同時に，学習指導を行う上での，適切な教育評価情報の取り扱いなどの実際的な技術や留意点について修得し，「教えること」と「学ぶこと」を多面的かつ客観的に捉えるために必要な知識や考え方について解説する。
後半の授業で中心となるのは，具体的な学習場面として，高等教育（大学・短期大学）・中等教育（高校・中学）における授業を題材にした模擬授業を行うことである。行う模擬授業の学校の種別や教科は受講生の興味に合わせて比較的自由に選択可能とする予定である。ただし，学習指導特論の授業の教育目標に照らして，単に教科に関する知識を増やすような準備の仕方をするのではなくて，授業の方法上の工夫を凝らすことに焦点を当てて準備をすることを求める。
毎回の模擬授業の直後に授業検討会を行い，受講生全員で，当該の模擬授業のよかった点や改善すべき点などを心理学的な視点から討論することでフィードバックを行う。これらによって，各自の教育現場での実践に活かせるような観点を養う。
受講生一人につき，一回の模擬授業を行う予定だが，受講生数が多い場合には変更する可能性もある。
模擬授業の実施に先立ち，どのような授業をするつもりなのか，各自が作成した授業案を用いた構想発表の機会を設ける。構想発表の授業内では，発表直後に要修正点について討論を行う形でフィードバックを行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]：イントロダクション：教授・学習心理学をふまえた授業作り
教授・学習心理学の視点から授業を構成することの意義を中心に，この授業の概要と到達目標，評価方法について，担当者が説明する
2[対面/face to face]：授業計画・指導案について
多様な学習方法を導入し，個人差に配慮した授業計画・授業案作りについて担当者が説明する
3[対面/face to face]：学習指導のポイント：記憶・認知編
記憶・認知の理論に基づいた教授法の考え方について担当者が説明する
4[対面/face to face]：学習指導のポイント：動機づけ編
動機づけ理論を応用した授業運営の実践例について担当者が説明する
5[対面/face to face]：学習指導のポイント：集団作り編
協同学習の考え方に基づいたグループ学習法について担当者が説明する
6[対面/face to face]：構想発表１
受講生の構想発表に対して，教科内容と教育目標との整合性についての討論を全員で行う
7[対面/face to face]：構想発表２
受講生の構想発表に対して，教材および課題を心理学の理論から見直し，改善の可能性を全員で討論する
8[対面/face to face]：構想発表３
受講生の構想発表に対して，学習者の達成度を把握し授業計画を修正するための評価の方法についての討論を全員で行う
9[対面/face to face]：模擬授業１
受講生が実際に模擬授業を行い，教育目標が明確に伝わったか，教育目標は適切だったかを全員で討論する
10[対面/face to face]：模擬授業２
受講生が実際に模擬授業を行い，個別の指導上の工夫について，理論的な視点から改善策を全員で討論する
11[対面/face to face]：模擬授業３
受講生が実際に模擬授業を行い，授業者と学習者の双方の視点から授業のよい点・要改善点を全員で討論する
12[対面/face to face]：模擬授業４
受講生が実際に模擬授業を行い，教育目標が明確に伝わったか，教育目標は適切だったかを全員で討論する
13[対面/face to face]：模擬授業５
受講生が実際に模擬授業を行い，個別の指導上の工夫について，理論的な視点から改善策を全員で討論する
14[対面/face to face]：総括
この授業全体および各回の教育目標の到達度の確認を行い，この授業の評価について担当者が説明する
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備時間は3時間，復習時間は1時間を標準とする。各回の準備学習の詳細は下記の通りだが，効果的に学習を進めるためにも，以前の授業内容の復習も随時行うこと。
第１回 自分の行う模擬授業についての構想案を作成
第２回 自分の行う模擬授業に関連した，通年・学期を通した授業計画を作成
第３回 本時の内容を，自分自身の模擬授業の計画に反映させるための構想を練る
第４回 動機づけに関連した具体的な授業上の工夫を，自分自身の模擬授業のために考案する
第５回 模擬授業のための構想発表の準備
第６回 模擬授業を行う教科に関する知識・情報の収集，教育目標の見直し
第７回 模擬授業内で用いる教材と課題の改善
第８回 模擬授業の教育目標と対応した，具体的な評価方法の考案
第９回 既発表者は指導案の見直し，修正。未発表者は模擬授業の準備と改善
第10回 既発表者は指導案の見直し，修正。未発表者は模擬授業の準備と改善
第11回 既発表者は指導案の見直し，修正。未発表者は模擬授業の準備と改善
第12回 既発表者は指導案の見直し，修正。未発表者は模擬授業の準備と改善
第13回 自分の行った模擬授業の振り返りと，他者の模擬授業からの気づきを整理
第14回 今後の多様な教育活動に，この授業で学んだことを活用できるよう，習得したことを振り返る
テキスト（教科書）Textbooks
教科書は指定しない。授業は配付プリントに沿って行う。
参考書References
藤田哲也（2005）．動機づけ理論をふまえた授業運営－京都光華女子大学における導入教育－
溝上慎一・藤田哲也（編） 心理学者，大学教育への挑戦 第3章 ナカニシヤ出版, pp.79-114.
藤田哲也（2006）．心理学を活かした教育実践のために 井上智義（編）視聴覚メディアと教育方法
ver.2 北大路書房
藤田哲也（編）（2021）．絶対役立つ教育心理学［第2版］－実践の理論，理論を実践－ ミネルヴァ書房
その他，各回の授業内容に関連した書籍や論文を授業内で紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点60％…授業へ参加し，他者の構想発表・模擬授業に対してコメントすることを評価対象とする。
構想発表10％…発表の内容，発表後の質疑応答を評価対象とする。
模擬授業30％…授業自体の質，指導案の内容，授業検討会での質疑応答を評価対象とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年に授業担当がなかったので最新の2019年度分を載せます：2019年度の授業への参加者は4名でしたが，授業終了時点での正規履修者は3名でした。全員から「履修してよかった」「理解できた」等，高い評価を得ました。心理学の理論を枠組みとして模擬授業をし，授業検討会に参加することで，「教える」ことを単に経験則のみで語らないという視点が獲得できたと思います。今後も各自の文脈で，この授業で学んだことの実践を重ねてください。
その他の重要事項Others
授業の運営方針や教育目標について説明を行うとともに，発表の割り当てを行うので，受講希望者は初回の授業に必ず出席すること。心理学専攻以外の所属で受講を希望する者は，必ず事前に相談すること。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞
学習指導，教育評価
＜研究テーマ＞
高等・中等教育における学習指導の在り方について
＜主要研究業績＞
藤田哲也（2005）．動機づけ理論をふまえた授業運営－京都光華女子大学における導入教育－
溝上慎一・藤田哲也（編） 心理学者，大学教育への挑戦 第3章 ナカニシヤ出版, pp.79-114.
藤田哲也（2006）．心理学を活かした教育実践のために 井上智義（編）視聴覚メディアと教育方法
ver.2 北大路書房
藤田哲也（編）（2021）．絶対役立つ教育心理学［第2版］－実践の理論，理論を実践－ ミネルヴァ書房