人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B2(文学 / Literature 500)沖縄文芸史BHistory of Okinawan Literature B
福 寛美
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X0129 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 日本文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
The myth and folklore of Nansei Islands are closely related to Southern Kyushu. The Hayato were the people who sailed across the Southern Kyushu and Southern Satsuma islands. In this course, the myth of the Hayato and the people of the sea who sailed across the Nansei areas will be learned. The relationship between the Hayato from the Southern Kyushu and Japanese myths reveals the presence of Hayato people in Japanese myths. The culture of ancient Kyushu will be deeply learned. The members of this course will also be required to make a presentation to deepen their understandings.The goal is to understand the importance of Hayato in Japanese mythology. For learning outside of class hours, read textbooks and references carefully. The method and criteria for grade evaluation are to attend at least 6 times and take a test.The test is 70% and the normal score is 30%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・琉球文学・民俗を考察する際には南九州(薩摩)や薩南の島々についてよく知ることが必要である。・古代日本の神話において、南九州を重視する箇所がある。
・そのことを考察し、沖縄島を中心とする南西諸島への理解を深めるようつとめる。
・日本神話における隼人の重要性を理解することを到達目標とする。
到達目標Goal
・日本神話の従来の研究とは別の視点で神話を考察することにより、見えてくるものは多い。そのことを学ぶ。
・日本神話を火山や噴火という視点で考察する研究はあまり見られなかった。しかし、火山列島の日本で古代の噴火は神の仕業とされていた。そのことに注目し、新たな知見を得る。
・神話のコノハナノサクヤビメと『竹取物語』のカグヤヒメを比較検討する。
・日本語のヨ(世・代・節)は南西諸島の祭祀においても重要な存在である。またヨは世界観や時間意識を表現する語でもあるので、そのことを学ぶ。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・講義を数回した後、学生が講義に関わる事象について簡単な発表をする、という形をとる。
・講義と演習の混合形式で授業を進める。
・対面授業とする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:噴火・火山の女神
古代における火山の噴火と、火山の女神とされるコノハナノサクヤビメについて考察する。
第2回[対面/face to face]:コノハナノサクヤビメの行動
コノハナノサクヤビメが天上のアマテラス同様の行動をとったり、隼人の女神らしく振舞ったりすることを考察する。
第3回[対面/face to face]:ヨ(節)
ヨが竹の節を意味する事例を考察し、『竹取物語』のカグヤヒメがそこにいた意義を考察する。
第4回[対面/face to face]:学生の発表
第1~3回の講義の中で関心のある箇所を調べ、簡単に発表する。辞書を引く、参考文献の粗筋を紹介する、などの発表をする。
第5回[対面/face to face]:ヨと輝き・カグヤヒメのカグ
カグヤヒメは竹の節の間におり、ヨ(節)は輝いていた。カグヤヒメと香具山、火の神カグツチを比較検討する。
第6回[対面/face to face]:影(カゲ)
カグと関わるカゲ(影)は霊力や魂、そして光とも結びつく語である。そのことを考察する。
第7回[対面/face to face]:隼人と畿内
隼人は畿内に移住し、その痕跡は考古学的事象、地名などに残っている。そのことを考察する。
第8回[対面/face to face]:学生の発表
第4~7回の講義の中で、学生が興味を持った箇所について発表する。
第9回[対面/face to face]:コノハナノサクヤビメ・ナヨタケノカグヤヒメ
コノハナノサクヤビメとカグヤヒメが神話的に極めて興味深い対応をしていることを考察する。
第10回[対面/face to face]:富士山
コノハナノサクヤビメは富士山の女神とされている。その意義を考察する。
第11回[対面/face to face]:隼人と水の献上
隼人は朝廷で水を献上する役割を担っていた。そのことの意義を考察する。
第12回[対面/face to face]:日向出身の皇妃
日本古代、日向(現在の宮崎県)出身、つまり隼人の女性が皇妃になったことが語られる。そのことの意義を考察する。
第13回[対面/face to face]:隼人と狗吠え(いぬぼえ)
隼人は魔を祓うため狗吠えという特殊な声を出す役割を担っていた。そのことを考察する。
第14回[対面/face to face]:学生の発表
第9~13回の講義で学生が興味を持った箇所を調べ、発表する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・『火山と竹の女神』の「火山と竹の女神」をよく読むこと。
・教科書の理解を助けるため、学習支援システムにプリントをアップするので、プリントもあわせて読むこと。
・参考文献、インターネットで読める参考文献を指示するので、それも読むこと。
・学習時間については、各自の任意とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・『火山と竹の女神』(福寛美、七月社、2021年)本体2500円+税
参考書References
・『夜の海、永劫の海』(福寛美、新典社、2011年)
・『うたの神話学』(福寛美、森話社、2014年)
・『新うたの神話学』(福寛美、新典社、2020年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・学期末に期末試験を行う。問題を複数提示し、2問選んでそれぞれ400字以上記述する、という形をとる。
・平常点も評価に加える。最低6回は出席すること。
・期末試験を70%、平常点を30%として評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・筆者は琉球文学のほかに、南西諸島のシャーマン(ユタガミ・ユタ)の研究もしている。
・学生の関心が琉球文学や神話学よりもシャーマンの場合、シャーマンについても講じることは可能である。
・シラバスに沿った授業のほかに関心がある、という申し出が過去にあり、その対応をしたこともある。そのような場合、授業の時に申し出てほしい。
・また授業の内容があまり馴染みのないものであると、難解すぎる、という声が聞かれる。なるべくわかりやすく解説するようにつとめる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
・春学期、秋学期は共に同じテキストを使用する。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
・琉球文学(『おもろさうし』)
・神話学
・民俗学(シャーマン研究)
<研究テーマ>
・『おもろさうし』の文学研究
・日本神話・琉球神話研究
・奄美のシャーマン研究
<主要研究業績>
・『新うたの神話学』(新典社、2020年)
・『奄美群島おもろの世界』(南方新社、2018年)
・『歌とシャーマン』(南方新社、2015年)
<主要研究業績>
・『ぐすく造営のおもろ』(新典社、2015年)
・『『おもろさうし』と群雄の世紀』(森話社、2013年)
・『ユタ神誕生』(南方新社、2013年)
・『夜の海、永劫の海』(新典社、2011年)
<主要研究業績>
・『うたの神話学』(森話社、2010年)
・『琉球の恋歌』(新典社、2010年)
・『喜界島・鬼の海域』(新典社、2008年)
その他
『奄美三少年 ユタへの道』(円聖修著、南方新社、2017年)の監修