人文科学研究科Graduate School of Humanities
PHL600B1（哲学 / Philosophy 600）超越論哲学研究Ⅱ－２Study on Transcendental Philosophy II - 2
鵜澤 和彦
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X0035 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 哲学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
Outline: In this class, we will read the Preface to Kant's Critique of Pure Reason (1st and 2nd editions) to clarify the problem-solving and thinking methods inherent in critical philosophy. We will also use the Japanese translation of the text to master the reading of the German text and the writing of the paper. However, students who have not yet completed a course in German may take the class using only the Japanese translation. Homework: To read the text preliminary and identify points that are difficult to understand or questions that you may have (2 hours). To check to see if you have solved the problems and summarize the contents of the text (2 hours).Evaluation criteria: (1)Level of achievement observed in previous summaries, text reading, and Q&A. (2)level of achievement of the attainment objectives as confirmed by the report assignment. Evaluation will be 50% for (1) and 50% for (2). The evaluation criteria are: (1) Whether the German language is correctly understood (30%). (2) Whether or not the structure and methods of philosophical argumentation are understood (40%). (3) Whether or not the student has a sufficient understanding of the basic structure of cognition (30%). For students who have not studied German, (2) and (3) will be 50% each.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本授業は、カント『純粋理性批判』の「序文」（第１版及び第２版）を精読し、批判哲学に固有の問題設定と思考法を明らかにしていく。また、邦訳を使いながら、ドイツ語テキストの読解、並びに、論文の書き方に習熟することも本授業の目的とする。なお、ドイツ語を履修していない受講生にも配慮して、テキストの邦訳（教科書の欄を参考）による参加も可とする。
到達目標Goal
①ドイツ語原文の文法、表現に関する疑問を解決していくことで、テキストを正確に読み、翻訳する能力を向上させることができる。また、ドイツ語の概念の語源と使用法について、正確な歴史的理解を深めることができる。
②カントの問題設定や思考法の特徴を捉えることで、哲学的な議論の組み立て方、論証方法、実例の使い方、要約の仕方、すなわち、論文の書き方を学ぶことができる。
③『純粋理性批判』の読解を通して、感覚と知覚、思考と認識、世界と自己との関係をより深く考察することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
本授業は対面の演習形式で行う。(1)前回の内容をまとめ、受講生から寄せられた質問に答える。(2)ドイツ語テキストの訳読を行い、ドイツ語の文章の内容理解を深める。(3)テキストの内容理解が困難な点を挙げ、質疑応答を通じて、テキストの理解を深める。(4)カントのテキストの内容がよく分かるように解説する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：オリエンテーション
教員紹介、ゼミの仕方、テキスト及び参考書、『純粋理性批判』の全体像とその意義の解説
第2回[対面/face to face]：理性の本性としての形而上学的関心
第１版序文、A VIIからA XII（原書頁数）
第3回[対面/face to face]：純粋悟性概念の演繹
第１版序文（続）、A XIIIからA XVII
第4回[対面/face to face]：直観と概念、分析と総合
第１版序文（続）、A XVIIIからA XXII
第5回[対面/face to face]：学的認識としての数学と物理学
第２版序文、B VIIからB XI
第6回[対面/face to face]：思考法の革命
第２版序文（続）、B XIIからB XV
第7回[対面/face to face]：コペルニクス的転回
第２版序文（続）、B XVIからB XXI
第8回[対面/face to face]：思考、認識、経験
第２版序文（続）、B XXIIからB XXVI
第9回[対面/face to face]：形而上学と実践哲学
第２版序文（続）、B XXIIからB XXVI
第10回[対面/face to face]：純粋悟性概念の演繹
第２版序文（続）、B XXVIIからB XXX
第11回[対面/face to face]：形而上学的関心と迷妄
第２版序文（続）、B XXXIからB XXXV
第12回[対面/face to face]：書き換えの意図
第２版序文（続）、B XXXVIからB XXXIX
第13回[対面/face to face]：晦渋な文体の弁明
第２版序文（続）、B XLからB XLIV
第14回[対面/face to face]：第1版と第２版序文のまとめ
期末レポート発表
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習：授業で精読するテキストの個所を読み、分かりにくい点、疑問点などを洗い出す（2時間）。復習：分かりにくい点や疑問点が解決されたかを確認し、その回の学習内容をまとめる（2時間）。
テキスト（教科書）Textbooks
①I. Kant, Kritik der reinen Vernunft. Herausgegeben von Jens Timmermann. Felix Meiner Verlag.
②(邦訳書)『カント全集』岩波書店版・第５巻、理想社版・第５巻、その他多数。
③(英訳書) ケンブリッジ版 I. Kant, Critique of Pure Reason (The Cambridge Edition of the Worksof Immanuel Kant).
参考書References
①牧野英二編『新・カント読本』（法政大学出版局、2018年）
②天野貞祐『〈純粋理性批判〉について』（講談社学術文庫、1980年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
①前回のまとめ、テキスト読解や質疑応答で観察される到達目標達成度。②レポート課題で確認される到達目標達成度。①を50%、②を50%で評価する。その際、到達目標に挙げられた以下の基準に準拠する。①ドイツ語が正しく理解されているかどうか(30%)。②哲学的な論証の構造及び方法が理解できているかどうか(40%)。③認識の基本構造について十分な理解ができているかどうか(30%)。なお、ドイツ語未履修者の場合は、②と③がそれぞれ50%となる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
ゼミ参加者の研究テーマに配慮しながら、認識批判の諸概念を理解しやすく解説する。また、ドイツ語の読み方や文法の説明も併せて行う。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にない。
その他の重要事項Others
オフィスアワーについては、授業終了後に質問を受け付ける。なお、随時、メールでの質問も受け付ける。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞カントを中心とする近現代ドイツ哲学
＜研究テーマ＞意味論、構想力論、心の哲学、解釈学、生命・医療倫理学
＜主要研究業績＞
（共著）Die japanische Edition von Kants Gesammelten Schriften, in: Kant-Studien, 2013, Band 104, Heft 3. S. 386-394. ヴィルヘルム・ディルタイ著『アカデミー版カント全集・前文』翻訳及び解説（日本ディルタイ協会『ディルタイ研究』第25号、2014年）、p.98-117. 「編集者としてのディルタイ・アカデミー版カント全集の歴史的経緯からの考察」（日本ディルタイ協会『ディルタイ研究』第26号、2015年）、p.56-72.「カテゴリーの演繹論と図式論―超越論的真理概念をめぐって」（牧野英二編『新・カント読本』、2018年）、「生命・医療倫理とゲシュタルトクライスー現代の論争点として仁恵原則を問い直す」（『哲学の変換と知の越境』2019年）、「リベラル優生学のパラドックス － ゲノム編集における遺伝的多様性をめぐって」（北里大学一般教育紀要第25号、2020年）、「直観と概念 ―カント理論哲学における現代の論争について」（現代カント研究第15巻、晃洋書房、2021年）