公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
POL500P1－125（政治学 / Politics 500）自治体政策実践論１Local Government Policy Studies 1
青山 貴洋、宇佐美 淳Takahiro AOYAMA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X9062 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期後半/Spring(2nd half) |
| 曜日・時限Day/Period | 土3/Sat.3,土4/Sat.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
公共政策学専攻 （修士課程）公共マネジメントコース専門科目 |
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Outline (in English)
（Course outline）
The form of society that is required is seeking new systems through changes in values and diversification. And, responding to many difficult problems and challenges, such as natural disasters and the rise of coronavirus infection, the declining birthrate and the rapid digitalization, has created the need for new policy developments that are independent of the conventional system. "Sharing Society" are efforts to solve various problems by actively engaging and collaborating with society.
The aim of this course is to help students acquire understanding the “Sharing Society” as new policy development.
（Learning Objectives）
The goals of this course are to understand the role of the national / local government, economy, and society through analyzing cases of the “Sharing Society”.
"Sharing Society" requires a lot of people's activity. In the sense that the discussion on how people interact is universal, we think it will be widely useful to each student with a variety of research subjects. Therefore, not only master's students, but also doctoral students will be able to participate in this class.
（Learning activities outside of classroom）
Before each class meeting, students will be expected to have read the relevant chapters from the text. Your required study time is at least two hours for each class meeting.
（Grading Criteria /Policy）
Final grade will be calculated according to the following process term-end examination (report) (50%), and in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
「シェアリング・ソサイエティ」（地域防災・自治体政策）
求められる社会のかたちは、価値観の変化と多様化により、新たなシステムを模索している。そして、自然災害や新型コロナウイルス感染症の猛威、また少子高齢化や急速なデジタル化といった、多くの困難な問題や課題への対応は、従来の制度にとらわれない、新たな政策展開の必要性を生じさせている。「シェアリング・ソサイエティ」は、人々が社会に対し能動的な関わりを持ち協力することによって、様々な問題を解決していこうとする取組である。
青山は、「市民」による地域防災力をテーマに、災害時初期段階の共助による事例から、「自助・共助・公助」の防災における「シェアリング」の実態と必要性に関する理解を目指す。
宇佐美は、ローカル・ガバナンスが重視される時代の地域コミュニティにおける自治体職員の役割をテーマに、特に、自治体内の最前線の地域コミュニティを現場として活動する自治体職員に着目しつつ、「行政」と地域コミュニティで活動する各種アクターとの関係性から、「ソサイエティ」の実態と必要性に関する理解を目指す。
本講義は、２人の講師がそれぞれの部分のみを担当するのではなく、基本的に常時２人で、それぞれの事象の中にある「シェアリング」及び「ソサイエティ」の内容を認識し、議論しながら行うものである。
到達目標Goal
院生が「シェアリング・ソサイエティ」の事例を通して、国・自治体と経済、社会に対する役割を理解することができる。講義を通し、院生がそれぞれの研究対象の背景にある社会の動きについて、自ら考えを深め、既定概念にとらわれない研究の展開をもたらすことを目指す。「シェアリング・ソサイエティ」の世界では、人々の能動性が一般的な政策展開と言われるものと比べ、より多く求めるとも考えられることから、人々の関わり方についての議論は普遍的であるという点で、研究対象が多種多様となる院生それぞれに対し、幅広く有益なものになると考える。そこで、本授業は、修士課程の院生だけでなく、広く博士課程の院生の参加も可能としている。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては、「DP1」「DP4」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP4」は特に強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
基本、対面での講義方式で行う。知識の蓄積に応じ、グループディスカッション等により汎用的能力の育成を図る。状況によりオンライン併用もあり得る。適宜、各人の研究における関心事項に関し、講義で得た知見との関係等について発表をしてもらい、それに各講師が所見を述べることや、レポート作成に関し、個別に協議を行うこと等で、フィードバックを行いたい。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：プロローグ～「シェアリング・ソサイエティ」のイノベーションとガバナンス～（青山・宇佐美）
イントロダクション（２講師から講義の全体構想と担当概要等を説明）
第2回[対面/face to face]：「自助・共助・公助」概論（青山）
①自助、共助、公助とは（福祉と防災の視点）
②広領域を担う共助（互助領域と公共領域）
③共助と市民
第3回[対面/face to face]：公助と自助の実態（青山）
①公助（自治体の食料備蓄状況と配布の課題）
②自助（家庭備蓄の現実と重要性、なぜ「備蓄」は進まないか）
第4回[対面/face to face]：災害時空白期間における二つの共助・1（青山）
①避難所良好運営に必要な要素
②避難所における共助とリーダーシップ（避難所トライアングル・モデル）
③避難所内部による自治組織形成
第5回[対面/face to face]：災害時空白期間における二つの共助・2（青山）
①ボランティアによる避難所良好運営の刺激
②被災地域での共助の取り組み
③「自助・共助・公助」による地域防災力
第6回[対面/face to face]：地域防災の視点からみるシェアリング・ソサイエティ（青山）
①地域防災の現状と課題
②共助組織とコミュニケーション
③シェアリング・ソサイエティと地域防災力
第7回[対面/face to face]：（青山・宇佐美・ゲスト講師）
「シェアリング・ソサイエティ」についてゲスト講師から事例紹介等
第8回[対面/face to face]：（青山・宇佐美・ゲスト講師）
「シェアリング・ソサイエティ」についてゲスト講師から事例紹介等
第9回[対面/face to face]：ローカル・ガバナンスにおける地域コミュニティ概論（宇佐美）
①政策ネットワーク論からのローカル・ガバナンスの視座
②ガバナンスと地域コミュニティとの関係
第10回[対面/face to face]：自治体行政職員による「地域担当職員制度」（宇佐美）
①「地域担当職員制度」とは何か
②事例分析
第11回[対面/face to face]：最前線の地域コミュニティを現場とする自治体行政職員の役割（宇佐美）
①M.リプスキーによる“Street-Level Bureaucracy”
②“Community-Level Bureaucracy”としての“地域密着型公務員”
③アメリカのネイバーフッドカウンシル制度における地域担当職員に関する比較分析
第12回[対面/face to face]：地域コミュニティにおける各種アクターによるネットワーク（宇佐美）
①自治体議会及び議員並びに議会局（事務局）の役割
②町内会自治会長や民生委員・児童委員等の従来のアクター役割
③NPOや地域おこし協力隊等の新たなアクターの役割
④「地域を飛び出す公務員」（「地域公務員」）に関する取組との比較分析
第13回[対面/face to face]：コロナ禍における地域コミュニティの現状と自治体若手職員の早期退職（宇佐美）
①コロナ禍における地域コミュニティの現状と自治体行政
②自治体行政における若手職員の早期退職と人材育成
③「シェアリング・ソサイエティ」の観点からのまとめ
第14回[対面/face to face]：エピローグ～地域の課題解決のために～(青山・宇佐美)
全体のまとめ（自身の研究に向け、何を学び、何に問題意識を持ったのか）
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
参考書を事前に読むほか、講義資料に関連する案件につき、調査・検索し、まとめる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
青山貴洋『地域防災イノベーション 自助・共助・公助で「空白期間」を乗り切る』文芸社、2020年。
その他、講師が配布する講義資料。
参考書References
十嵐敬喜編著『現代総有論』法政大学出版局、2016年。
青山貴洋『「自助・共助・公助」と「市民」による地域防災力 ―食料危機管理政策からみた災害時空白期間における相互補完的防災体制の可能性―』博士学位論文、2019年。
宇佐美淳『ローカル・ガバナンスが重視される時代の地域コミュニティにおける自治体職員の役割に関する研究―“地域密着型公務員”としての地域担当職員制度に関する分析を通して―』博士学位論文、2021年。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業での学習状況や参加度である「平常点」50%、期末試験(レポート)50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本講義は、参加学生との双方向で行われることから、学生から寄せられる気付きや所感等から、逐次講義のブラッシュアップを行う。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
授業終了後に教室で質問を受け付ける。なお、本授業を担当する講師の青山は経済・社会活動の事業家であり、災害支援の経験と実績から、また、宇佐美は市役所にて勤務の経験を有しており、自治体行政職員として、各々の経験を踏まえた実務的観点からの内容を交えて講義を行う。
担当教員の専門分野等
【青山貴洋】
＜専門領域＞公共政策学（災害時食料危機管理政策）
＜研究テーマ＞地域の食料安全保障、災害食、自助・共助・公助論
＜主要研究業績＞
①『「自助・共助・公助」と「市民」による地域防災力 ―食料危機管理政策からみた災害時空白期間における相互補完的防災体制の可能性―』博士学位論文、2019年。
②「災害時初期段階の良好な避難所運営をめぐる地域力と共助組織に関する論考」『公共政策志林』第6号、2018年3月、法政大学大学院公共政策研究科、pp.39-54。
③「平成28 年(2016年)熊本地震の自治体対応からみる食料供給時系列検証」『日本災害食学会誌』VOL.5 NO.1、2017年7月、pp.7-17。
担当教員の専門分野等
【宇佐美淳】
＜専門領域＞行政学、公共政策学
＜研究テーマ＞地方自治論、ガバナンス論
＜主要研究業績＞
①『ローカル・ガバナンスが重視される時代の地域コミュニティにおける自治体職員の役割に関する研究―“地域密着型公務員”としての地域担当職員制度に関する分析を通して―』博士学位論文、2021年。
②「【研究ノート】ローカル・ガバナンスが重視される時代の地域コミュニティにおける自治体職員の役割に関する考察―地域担当職員制度に関する分析を通して―」『公共政策志林』第8号、2020年3月、法政大学大学院公共政策研究科、pp.13-27。
③「大都市自治体における地域担当職員制度に関する一考察―福岡市、世田谷区、札幌市の比較事例分析を通して―」『都市政策研究』第21号、2020年1月、公益財団法人福岡アジア都市研究所、pp.11-23。