文学部Faculty of Letters
PHL300BB(哲学 / Philosophy 300)哲学特講(1)-2Special Lecture on Philosophy (1)-2
山下 真Makoto YAMASHITA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2213 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 哲学科 |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
[ Course outline ]
This course deals with german existential philosophy. Under the influence of Kierkegaard and Nietzsche, contemporary philosophy has discussed human existence as the finite individual. Based on this concept, Heidegger constructed "fundamental ontology" through the structural analysis of human being as Existenz. Also Jaspers' "philosophy of existence (Existenzphilosophie)" projected an unique metaphysics that can create the existential plurality. The student will obtain basic knowledge about the thinking of existential philosophers by this lecture.
[ Learning Objectives ]
The goals of this course are to
(1) learn basic knowledge about the history and development of german existential philosophy.
(2) understand historical diversity and contemporary potential of concept of the “Existenz”.
[ Learning activities outside of classroom ]
Before/ after each class meeting, students will be expected to have read the teaching materials and reference books. Your required study time is at least four hours for each class meeting.
[ Grading Criteria ]
Grading will be decided based on usual performance score (50%), and final paper (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この講義のテーマは、「ドイツ実存思想の系譜」です。
19世紀半ば、支配的だったヘーゲル哲学への対抗から、人間存在を〈実存〉という概念で捉え直す新たな思想が、キルケゴールによって生み出されました。少し遅れて、通底する問題意識を有するニーチェが登場するものの、両者の著作は当時理解されず、黙殺に近い扱いを受けました。ところが、その真価が見出されるのは、20世紀初頭になってからでした。彼らの思想は、ハイデガーの存在論や、ヤスパースの実存哲学に大きな影響を与え、継承されていくこととなります。講義では、こうしたドイツにおける実存思想の基本構図と展開を考察していきます。
〈実存〉とは、特定の状況の内に現に巻き込まれている、有限な個的存在としての自己、現実を生きる私たち一人一人の存在のことです。そして同時に、〈私〉を思考することは、私ならざるもの、様々な位相で直面する〈他者〉、〈他なるもの〉を思考することでもあります。受講者は、人間存在を多面的に探求する実存思想についての理解を深め、〈実存〉概念の今日的可能性を学ぶこととなるでしょう。
到達目標Goal
受講者が達成すべき目標は、以下の三点です。
① 実存をめぐる哲学の展開とその基本構想を学ぶ。
② 歴史的背景や思想状況との関連を視野に入れながら、20世紀ドイツの実存思想が持つ、問題意識や独自性を理解する。
③ 現代に生きる自分たちにとって、〈実存〉としての人間存在という概念が持つ意義を考察する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は、配布資料を使って講義形式で進めます。毎回、テーマとなる哲学者の中心課題や基本概念を解説し、問題となっている事柄を捉えていきます。
受講者には、出席票を兼ねたコメントカードで、感想や意見、質問を提出してもらいます。そのうち重要なものについては、次回の授業でいくつか取り上げ、応答することとします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:講義の概要と導入
実存思想の誕生とその前史
第2回[対面/face to face]:キルケゴール (1)
〈実存〉概念の成立と主体的真理
第3回[対面/face to face]:キルケゴール (2)
実存的〈瞬間〉における神との対峙
第4回[対面/face to face]:ニーチェ (1)
〈神の死〉とニヒリズム
第5回[対面/face to face]:ニーチェ (2)
パースペクティヴィズムと〈力への意志〉
第6回[対面/face to face]:ハイデガー (1)
〈存在の問い〉と基礎存在論
第7回[対面/face to face]:ハイデガー (2)
〈世界-内-存在〉と〈ひと〉
第8回[対面/face to face]:ハイデガー (3)
〈死への先駆〉と決意性
第9回[対面/face to face]:ヤスパース (1)
〈限界状況〉における実存の生成
第10回[対面/face to face]:ヤスパース (2)
他者との〈実存的交わり〉
第11回[対面/face to face]:ヤスパース (3)
〈暗号解読〉の形而上学
第12回[対面/face to face]:ハイデガーのニーチェ論
存在忘却としての近代主観性の原理
第13回[対面/face to face]:ヤスパースのニーチェ論
実存的パースペクティヴの多元性の空間
第14回[対面/face to face]:講義全体の総括
実存概念の展開と今日的意義
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
受講者は、配布資料や指定した参考文献を読解し、予習・復習を実施して参加すること(大学の基準では、本授業の準備・復習時間は、毎回4時間以上が標準とされています)。
各回の連続性が高いので、欠席が多いと内容を理解できなくなります。学んだ事柄を自主的に整理した上で、極力休まず参加してください。
テキスト(教科書)Textbooks
特定のテキストは使用しません。
参考書References
最も基本的・概説的なものとして、以下二点だけ挙げておきます。
松浪信三郎『実存主義』(岩波新書、1962年)
茅野良男『実存主義入門』(講談社現代新書、1968年)
その他、各論については多岐に渡るので、授業内で配布資料に掲載して紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席状況およびコメントカードでの理解度や意見・質問の積極性、受講態度などの平常点(50%)と、学期末の課題レポート(50%)で、上記「到達目標」三点の達成度を総合的に評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
各人の経験に引きつけて思考できるよう、常に具体的な実例を織り交ぜた説明を心がけています。また、背景となる哲学史的な知識や、様々な術語の原語に含まれるニュアンスなど、詳しく話しています。配布資料では哲学者のテクストを多く引用し、原典の言葉から問題を理解できるような手法をとります。