文学部Faculty of Letters
PHL300BB(哲学 / Philosophy 300)哲学特講(1)-1Special Lecture on Philosophy (1)-1
奥田 和夫Kazuo OKUDA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2212 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 哲学科 |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
(Course outline) Last year we read Aristophanes, Xenophon, Plato and Aristotle, and challenged the Socratic Problem anew. This year we renew the subject and read mainly the texts of Xenophon and Plato to grasp Socrates' personality and thoughts.
(Learning Objectives) The goals of this course are careful reading of texts, and understanding of the way Socrates thinks and estimation of his personality and thoughts.
(Learning activities outside of classroom) Before/after each
class meeting, students will be expected to spend two hours
to understand the course content.
(Grading Criteria /Policy) Final grade will be calculated
according to the following process, term-end examination
(50%), and in-class contribution(50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
ソクラテスについて Ⅱ
昨年度、この特殊講義では「ソクラテスについて」と題する講義をした。以下は、昨年度の講義概要と目的である。(わずかに語句を修正してある。)
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「西洋哲学史Ⅰ」にて解説したように、ソクラテスは著作を残さなかった。そのため、歴史上のソクラテスの哲学を直接に知ることはできない。ただ、ソクラテスの近くにいた人たちがソクラテスについて残した著作を手掛かりにソクラテスの哲学を推測することができるだけである。
ソクラテスの哲学を考える際に、プラトンの著作が重要視されるのは当然である。しかし、その他の人々の著作はどれだけ信用することができ活用できるのか。この問題については19世紀から20世紀にかけて学者たちの論争もあったが、今日でも意見がまとまっているわけではない。
この授業では、プラトンをはじめとしてプラトン以外の著作家たちの作品もあらためて読み直し、ソクラテス解釈上、許される論点をさぐり、ソクラテス解釈・理解を前進させることを目的とする。
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今年度のこの授業は昨年度の続篇である。講義概要と目的も変わらない。
昨年度は調査すべき資料の量に対して時間に余裕がなかったが、限られた範囲で次のことが収穫であった。
1.ソクラテスを若者に接する人物としてみた場合、クセノポンのソクラテスはプラトンのソクラテスと大きく相違するとは考えられないこと(この点は欧米の多くの研究者たちの主張とは印象が異なる)、つまり、教育者としてのソクラテスは当時の人々の中にあって、ある特徴的な型を有する個性的な人物であると想像できる。
2.その「ある型」としてクセノポンのソクラテスから気づかされることは、ソクラテスはまず克己節制の人でありその重要性を強く自覚していたことである。この特徴は、プラトンのソクラテスにおいても『パイドン』(快苦の考察を長く行なってきたことを示唆する登場人物ソクラテス)、『国家』(魂の機能の三区分説における節制の特別な役割を語る登場人物ソクラテス)などに反映されているのではないかとさえ思われる。
今年度は、昨年度に調査できなかったテクスト(主としてクセノポンとプラトンのテクスト)をとり上げ、ソクラテスの実像にすこしでも近づきたい。
到達目標Goal
関連テクストの慎重な読解と分析にもとづき、新たに、ソクラテスの人物と哲学に関する解釈上の正当な論点をさぐること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎回、その授業の概要と資料を提示し、講義形式ですすめる。質問は口頭でもリアクションペーパーでも受けつける。後者の場合、回答は次回の授業の冒頭にて前回の授業の復習を行なう際にのべる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
昨年度のまとめ
ソクラテスを考えるときの資料とその性格
第2回[対面/face to face]:クセノポンとソクラテス
クセノポンの人物とソクラテスを知る条件と制限
第3回[対面/face to face]:クセノポンのソクラテス 1
『ソクラテスの思い出』から 1
第4回[対面/face to face]:クセノポンのソクラテス 2
『ソクラテスの思い出』から 2
第5回[対面/face to face]:クセノポンのソクラテス 3
『ソクラテスの思い出』から 3
第6回[対面/face to face]:クセノポンのソクラテス 4
クセノポン『ソクラテスの弁明』から
第7回[対面/face to face]:クセノポンのソクラテス 5
クセノポン『饗宴』から
第8回[対面/face to face]:プラトンのソクラテス1
初期作品から 1
第9回[対面/face to face]:プラトンのソクラテス2
初期作品から 2
第10回[対面/face to face]:プラトンのソクラテス3
中期作品から
第11回[対面/face to face]:プラトンのソクラテス4
プラトン作品に登場するソクラテス像(変化と全体像)
第12回[対面/face to face]:プラトンのソクラテスとクセノポンのソクラテス 1
両者の相違点と近似点
第13回[対面/face to face]:プラトンのソクラテスとクセノポンのソクラテス 2
彼らはソクラテスに何を見ていたのか
第14回[対面/face to face]:ソクラテスの人物と哲学
まとめ
ソクラテスは何者であったと考えられるのか
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
講義で紹介する著作、関連する著作を読む。本授業の準備・復習時間は、3時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書はない。講義内容と講義で使用する資料からともに考えてもらう。
参考書References
田中美知太郎『ソクラテス』(岩波新書)その他は講義で紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
「到達目標」に記した内容の到達度に照らして、① 数回の小レポート (40%) ② 期末レポートの内容(60%) により評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
な し。
その他の重要事項Others
なし。