法学部Faculty of Law
POL300AD(政治学 / Politics 300)オセアニアの政治と社会Ⅱオセアニアの政治と社会Ⅱ
今泉 裕美子Yumiko IMAIZUMI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0737 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
This course will introduce students a fundamental understanding of the politics and society of Oceania through a focus on the history of Pacific Islands.
The course then examines some important specific issues such as human migration; the processes of imperialism and colonialism; militarization as a neocolonialism; decolonization movement by indigenous peoples; navigation and livelihood in the Pacific Ocean. The focus is on Micronesia-Japan relations. It is strongly recommended that this course be taken after taking “Politics and Society of Oceania I.”
【Learning Objectives】
Students will be able to
1. Understand the Oceania focused on the historical relationship between Micronesia and Japan with reviewing international relations and Japanese modern and contemporary history.
2. Acquire the fundamental understanding of Micronesia-Japan relations especially about imperialism, colonialism, militarism and decolonization.
3. Develop a critical thinking about the role and responsibilities of Japan/ Japanese as a member of Pacific Islands/ Pacific Islanders.
【Learning activities outside of classroom】
The standard time required for preparatory study and review for this class are 2 hours each.
【Grading Criteria /Policy】
1. Reaction Papers, Quizzes and Small Assignments during the semester:50%
2.Final Report:50%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
オセアニアは、ミクロネシア、ポリネシア、メラネシアの三地域からなるが、この名称、区分はヨーロッパからの外来者によるものであり、いずれの島も欧米諸国や日本による植民地化や占領の経験を持つ。また、現在の国や非自治地域の単位から見渡すと、大半を占めるのは小さな島嶼である。しかも、これら島嶼は太平洋に生存を依存しており、海からの視点で島じまを捉える必要がある。
島尾敏雄は日本列島を「ヤポネシア」と表現したが、複数の島嶼から成り立つ日本列島も太平洋に依存し、オセアニアの島嶼と歴史的に深い関わりをもってきた。しかし日本からのオセアニアへの関心は小さく、あったとしても情報に偏りや不正確さが目立つ。ところが、オセアニアの島嶼には日本に注目し、日本と草の根の交流を行ってきた人びともいる。経済大国、技術大国として援助を求めるだけではない。なぜだろうか。
オセアニアの島嶼の現状をみると、現代世界が抱える諸問題が集約的かつ深刻に現れている。例えば、海面上昇や巨大台風による被害、核実験による放射能被害は、島の人々の離散、社会、文化の消滅の危機をもたらす。彼らは極小国家、非自治地域であるがゆえに、大国中心の「国際関係」や「平和」を問い直し、外来のものを受入れながら、祖先から引き継いだ知恵や共同体を鍛え、島を離れた同胞たちともつながりながら、問題に取り組んできた。
本授業では、上記のようなオセアニアの島嶼の実情や取り組みを、日本が最も深いかかわりを持つミクロネシアを中心に学ぶ。本年度の「オセアニアの政治と社会Ⅰ」を受講していることを強く推奨する。
到達目標Goal
①オセアニアをミクロネシアと日本との関わり合いを通じて学ぶ。
②ミクロネシアと日本との関係を、歴史から、そして歴史に学び、国際関係や日本の近現代史を捉え直す。
③ミクロネシアと日本の関係を踏まえ、太平洋島嶼の一員としての日本の立場性、役割について基礎的な知識を身につけ、自分の考えを述べられるようにする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に強く関連。「DP1」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
①授業はオンラインで行う(ただし【その他の注意事項】を確認すること)。レジュメや資料は、教員からの指示に応じて事前に、あるいは授業中にダウンロードして閲覧、視聴する。
②リアクションペーパーなど提出物で注目すべきコメントや質問があれば、授業内で紹介し、受講生のさらなる学びにつなげる。
③オセアニア情勢、学生の関心、理解度に応じて、授業計画を一部変更する場合がある。
④授業内でクイズやテスト、意見を聞く機会を設けることがある。
⑤授業の予習、復習のために課題を出すことがある。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:イントロダクション-三つのネシアとミクロネシア
授業の進め方、注意事項の説明。「オセアニアの政治と社会Ⅰ」との関連づけ。受講生の本授業テーマについてアンケートをとる。
第2回[オンライン/online]:ミクロネシアと日本との関係の現在
ミクロネシアと日本との現在の関係のトピックスを紹介し、第3回以後のテーマの意義を確認する。
第3回[オンライン/online]:法的な側面からみた南洋群島統治の特徴
日本の植民地法制度のなかで南洋群島統治の特徴を確認する。
第4回[オンライン/online]:「南洋群島」時代のミクロネシア①-委任統治制度
委任統治として行われた日本によるミクロネシア統治を、一次世界大戦後の世界の植民地支配体制の再編のなかで学ぶ。
第5回[オンライン/online]:「南洋群島」時代のミクロネシア②‐植民地社会の特徴
現地住民人口の2倍もの日本人が移民し、なかでも沖縄出身者が多かった植民地社会の特徴を学ぶ。
第6回[オンライン/online]:「南洋群島」時代のミクロネシア③-チャモロとカロリニアンの経験
チャモロとカロリニアンの植民地経験を、日本の教育政策を中心に学ぶ。
第7回[オンライン/online]:The Typhoon of War- ミクロネシアの第二次世界大戦経験①
沖縄戦に先駆けて地上戦が行われた南洋群島での戦争を、沖縄戦と比較し関係づけながら、オセアニアの島嶼にっての戦争経験を理解する。
第8回[オンライン/online]:The Typhoon of War- ミクロネシアの第二次世界大戦経験②
南洋群島での戦争を生き抜いてきた人々が戦争経験をどう伝えようとしているか、非体験者としてのその継承を考察する。
第9回[オンライン/online]:「核の海」ミクロネシア―核実験の開始と住民の犠牲
度重なる核実験を実施したアメリカ、アメリカの核の傘のもとにある日本、核による軍事植民地化を強いられたミクロネシア、について学ぶ。
第10回[オンライン/online]:「核の海」ミクロネシア-戦略的信託統治
「核の海」を生み出したアメリカによる戦略的信託統治と、ミクロネシアの人々の離散、脱植民地化への取り組みを学ぶ。
第11回[オンライン/online]:「核の海」ミクロネシア-「ビキニ事件」
冷戦体制下の日米関係、日本への原子力発電の導入、日本から世界に広がった反核運動を「ビキニ事件」から学ぶ。
第12回[オンライン/online]:ミクロネシアと日本の関係再開
「ミクロネシア協定」から始まる、戦後日本とミクロネシアとの関係を学ぶ。
第13回[オンライン/online]:ミクロネシアと日本‐受講生の関心に基づいて
受講生の関心を踏まえ決めたテーマについて学ぶ。
第14回[オンライン/online]:まとめ
授業を総括し、私たちとオセアニアの島嶼との関係を改めて考える。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
①シラバスやレジュメに提示した参考文献、特に授業中に指示した部分は必ず読む。
②オセアニア関連のHPなどを参照し、オセアニア情報に意識的に接する。
③予習、復習それぞれ2時間程度を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは用いない。
参考書References
山本真鳥編『オセアニア史』山川出版社、2000年。
印東道子編『ミクロネシアを知るための58章』明石書店、2005年。
吉岡政徳監修『オセアニア学』京都大学学術出版会、2009年。
石森大知ほか編『南太平洋(メラネシア・ポリネシア)を知るための58章』明石書店、2010年。
中山京子編『グアム・サイパン・マリアナ諸島を知るための54章』2012年。
今泉裕美子「太平洋の「地域」形成と日本-日本の南洋群島統治から考える」李成市他編『岩波講座日本歴史第20巻(地域論)』岩波書店、2014年。
その他必要に応じて、授業時に提示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
①リアクションペーパー、適宜実施するクイズ、テスト、課題への提出物を総合して(50%)。セメスター末のレポート(50%)。
②提出物について、指示した期限、提出先を守らない場合、やむを得ない事情(対象となる事情や証明資料の提出は定期試験のルールに則る)がない限り未提出として扱う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
昨年度は担当していないため記入する内容はない。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンライン授業では、パソコンかタブレットを準備することが望ましい。
その他の重要事項Others
・オンライン授業ではZoomを使う予定であり、提出物は学習支援システムを通じて提出してもらう。
・授業内容によっては動画や画像を配信したり、グループディスカッションを行うため、有線接続など安定的な接続環境で、通信容量に制限がない状態にしておくのが望ましい。
・沖縄県の県史、市史などの編さん、執筆に関わって来たため、地域住民の経験をどう記録し、歴史として次世代に継承するか、そのための聞き取りの方法、地域外の研究者として地域にいかに関わるのか、の経験に基づく「地域研究」の方法を紹介する。
・社会情勢の変化、これに伴う大学の方針によって授業形態が変化する場合は通知する。