法学部Faculty of Law
POL100AD(政治学 / Politics 100)国際協力論Ⅰ国際協力論Ⅰ
志賀 裕朗Hiroaki SHIGA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0717 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金5/Fri.5 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
How should we eradicate poverty and inequality? How should we achieve peace and justice? How should we guarantee prosperity, health, education, and decent work for all? Japan has been tackling these challenges for over sixty years, by providing aid (Official Development Assistance: ODA) to developing countries with distinctive aid philosophy and unique instruments.
This course firstly introduces a basic knowledge about development issues and Japan’s ODA policy. Then students are encouraged to think critically about the conventional wisdom on global agendas. The course will be interactive, with the combination of lecture, group discussion, and role-playing game. No prior knowledge is required.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
新型コロナウィルス感染の世界的拡大は、世界のあり方を大きく変えつつある。国際社会が一致団結して感染拡大防止に取り組むことの重要性は明白だが、米中の対立や先進諸国の思惑の違いなどで、国際社会は一致団結できておらず、世界の将来はますます不確実となっている。
こうした不安定な世情のなか、「問題の本質がどこにあるのか」を的確に見定めたうえで、健全な猜疑心をもって「定説」を疑い、自らの頭で考え、他人を説得できる自分なりの見解を持つことが、現代社会を生きる上で不可欠のリテラシー(基礎的素養)となっている。
本講義ではまず、途上国問題や開発援助のあり方について建設的な議論と創造的な発想をするうえで不可欠の前提となる基礎知識を習得することを目指す。次いで、「自分なりの考え」を持ち、それを友人や講師と議論することの重要性、難しさと楽しさを体感することを目指す。講師は、政府開発援助(ODA)の実務家であり研究者でもあるので、援助の現場における生の経験と、研究分野における最新の議論とのバランスのとれた講義を行いたい。
到達目標Goal
まず、途上国問題および開発援助についての基礎知識を習得することを目指す。途上国問題を理解するとは、開発途上国において、何が、なぜ問題になっているのか、その原因は何か(何と考えられているか)を理解することである。また開発援助を理解するとは、途上国問題に対してどのようなアクターが、どのような問題意識と動機にもとづいて、どのような方法で対処しようとしているか、その試みは上手くいっているのか、成功していないとすればそれは何故かを理解することである。本講義では、こうした論点を、大きな国際政治経済史の流れの中に位置づけて理解することを目指す。
次いで、こうした知識を活用しつつ、様々な論点に関する多様な意見のなかから、自分なりの意見を形成して説得的に提示できるようになることを目指す。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に強く関連。「DP1」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
インターアクティブな授業とする。講師はしつこく「なぜ?」という問いを投げかけ、議論を奨励するので、受講生は積極的に議論に参加してほしい。自分らしい“Something New”を創造して世界に訴えたい、主体性と自律性をもって自分の夢を追いかけたい!と願う学生の積極的受講を期待している。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:オリエンテーション
講義の目的と概要、成績評価方法、学生の心構え等の説明を行う。
2[対面/face to face]:コロナ危機と途上国
新型コロナウィルスのパンデミックは途上国に急速に広がりつつある。国民の命と生活を守るうえで、途上国政府はどんな課題やジレンマに直面しているかを検討する。
3[対面/face to face]:コロナ危機と開発援助
国際社会は、パンデミックと戦う途上国を、どのように支援できるだろうか。先進国経済も悪化し、米中の対立が激化するなか、「ポストコロナの世界」における開発援助の将来を考える。
4[対面/face to face]:途上国が(コロナ危機以前から)直面する課題
途上国が(コロナ危機前から)直面してきた様々な課題を、SDGS(持続可能な開発目標)を参考にしながら広く検討する。
5[対面/face to face]:開発援助の仕組み
開発援助にはどのようなアクター(援助機関、途上国政府、企業、NGO等)が携わっているのか、援助政策はどのようにして決定されているのか、等を検討する。
6[対面/face to face]:開発思想の歴史①
貧しい国はなぜ貧しく、豊かな国はなぜ豊かなのか、貧しい国を豊かにするには何が必要なのか。こうした問いにどう答えるかは、途上国の開発戦略・援助機関の援助戦略を立案する上で重要である。こうした開発思想の歴史的展開を振り返る。
7[対面/face to face]:開発思想の歴史②
開発思想については、アメリカや欧州諸国と日本のあいだで大きな相違がある。それは如何なるものか、そうした
違いがなぜ存在するのかを考える。
8[対面/face to face]:中間振り返り
これまで学習・議論したことを振り返り、ディスカッションを行う。
9[対面/face to face]:日本の政府開発援助
(ODA)①
欧米諸国、世界銀行のような国際機関、または中国の援助と比較して、日本のODA にはどのような特徴があるのか、その長所と欠点を検討する。
10[対面/face to face]:日本の政府開発援助
(ODA)②
日本のODA の代表的な事例(借款によるインフラ整備支援や、法整備を目指した技術援助)を取り上げ、その特徴を、他国による援助と比較しながら検討する。
11[対面/face to face]:途上国問題と開発援助の
新潮流①
近年の国際政治経済情勢の変動のなかで、途上国問題や開発援助のあり方がどのように変化しつつあるかを検討する。
12[対面/face to face]:途上国問題と開発援助の
新潮流②
近年の日本を取り巻く国際政治経済情勢の変化や途上国問題の変動を受けて、日本はどのような援助政策を打ち出そうとしているのかを検討する。
13[対面/face to face]:ロールプレイング・ゲーム
途上国問題あるいは開発援助に関する具体的なテーマを取り上げ、それに関連するア
クター(二国間援助機関、国際機関、途上国政府、NGO等)の役割を各自で分担して実際に戦略立案や交渉を体験するゲームを行う。
14[対面/face to face]:振り返りと総括
改めて、コロナ危機が我々に突き付けたものを振り返る。それは、途上国だけの問題だろうか?日本を含む先進国にもその問題は存在しないだろうか?
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
受講生は、講師からの指示に基づき、参考文献等を使用しながら特定のテーマについてのレポートを作成・提出するほか、グループディスカッションの準備等を行う。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に使用しない。
参考書References
西垣昭、下村恭民、辻一人、2009年、『開発援助の経済学:「共生の世界」と日本のODA』、 有斐閣。
木村宏恒、近藤久洋、金丸裕志編、2013年、『開発政治学の展開: 途上国開発戦略におけるガバナンス』、勁草書房。
木村宏恒編、2018年、『開発政治学を学ぶための61冊:開発途上国のガバナンス理解のために』、明石書店。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業中に提出を求める課題(40 %)と最終試験(60%)で成績を評定する予定であるが、履修学生数によって変更がありうる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業時間の延長が無いように心がける。また、前回よりも講義(講師からの説明)の比重を減らし、学生自身が参加し議論する時間の割合を高めるつもりである。なお、授業の内容・方法等に関する要望・提案・批判は大歓迎であるので、随時受け付けます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
各自PC持参が望ましい。
その他の重要事項Others
■本講義は、国際協力機構、国際協力銀行、財務省等で開発援助の実務に携わってきた講師が、援助の実務と理論の双方を踏まえた講義を行う。
■本講義の履修に先立って履修しておくべき科目は無い。途上国問題、開発援助、国際政治経済に関する前提知識も一切必要としない。
■「国際開発論Ⅱ」を併せて受講することを推奨する。
■本講義は決して「ラクタン」(楽に単位が取れる科目)では無いので、その点を十分に理解して臨むよう希望する。
■提出物において剽窃が認められた場合には、理由の如何を問わずに不合格判定とするので十分に注意すること。受講生は「剽窃」の意味を事前に確認しておくこと。