法学部Faculty of Law
LAW200AB(法学 / law 200)法律学特講(憲法哲学)法律学特講(憲法哲学)
金井 光生Kosei KANAI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0553 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
We read the constitutional narratives as major literary works etc., because a Constitution is also a constitutional narrative. We think thoughtfully The Constitution (of Japan) who is supported by peoples' narratives representing constitutional faiths.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「文化・社会と法コース」と密接な関連を有する科目です。
本講義では、諸々の市民の法的な物語群(narratives)に支えられた共同の文化作品として「憲法」を捉えて、人間の存在のconstitutionに照応した国家のconstitutionとして、憲法をナラティヴ論の観点から哲学的解釈学的に解明し、立憲主義の普遍的な精神的基礎を哲学的人間学的に探究します。
その際は、憲法物語として、多彩なテキスト(文芸作品、宗教聖典、戦争文学、東日本大震災と福島原発事故の記録etc.)を読解しながら、「法の支配」・「立憲主義」の思想を読み取り、多様な人間の平和的共生ための「希望」のよすがとして、公布・施行70年を経過した1946年日本国憲法の記憶をthoughtfulに思索していきます。
単なる実定法解釈学以上の憲法の魂に触れたい人、せっかく大学に入ったのだから本格的な学芸としての法の醍醐味を味わいたい人、または、大学に来てしまった者の責任として「学芸としての法」をじっくり思索したい人の受講を求めます。
到達目標Goal
(1)基本的な論点を理解できる。
(2)テキストの基本的な読解ができる。
(3)立憲主義をめぐる主要な思想を「自分の言葉で」物語ることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」、「DP2」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的に講義形態です。教科書に加えてレジュメ等を配布します。
本講義は実験的なものです。毎年度、授業の後半に取り上げるテキストは異なります。今年度は、『聖書(Holy bible)』を中心に取り上げ、憲法ナラティヴズの観点から読解していく予定です(次年度以降は、『クルアーン』、『仏典』等を順次取り上げる予定)。
ただし、下記【授業計画】はあくまで予定であり、コロナ禍との関係上、また、受講者との対話的応答の中で、内容は変更する場合があります。大学の授業は学生のみなさんとともに思索しながら、その都度の対話的探究の中で共同制作していくものですから。
そのためにも、適時にリアクションペーパーやレポートを課すことで理解度を測り、その後の授業で、リアクションペーパーについては応答し、レポートについては講評することで、フィードバックします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ガイダンス:「憲法哲学」ということ
憲法物語群(ナラティヴズ)と立憲的信
第2回[対面/face to face]:法とナラティヴズ①
法と文学
第3回[対面/face to face]:法とナラティヴズ②
法と物語の哲学
第4回[対面/face to face]:法とナラティヴズ③
法と哲学的解釈学
第5回[対面/face to face]:小括
言霊と神話と法
第6回[対面/face to face]:憲法物語①
ユダヤ教聖書(ヘブライ語聖書)概説
第7回[対面/face to face]:憲法物語②
創世記ほか
第8回[対面/face to face]:憲法物語③
大預言書ほか
第9回[対面/face to face]:憲法物語④
ヨブ記ほか
第10回[対面/face to face]:憲法物語⑤
キリスト教聖書(ギリシア語聖書)概説
第11回[対面/face to face]:憲法物語⑥
4福音書
第12回[対面/face to face]:憲法物語⑦
使徒言行録・初期キリスト教文献など
第13回[対面/face to face]:憲法物語⑧
記紀神話・神道神典
第14回[対面/face to face]:まとめ:全世界の国民の平和的生存権
「ナラティヴ」としての1946年日本国憲法と、カフカ「法の前で」
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
(1)該当箇所の予習・復習をする
(2)図書館を徹底的に活用する(参考書など)
(3)本講義や関連科目の学びを自分の生き方や将来の職業にいかす
*本授業の準備・復習時間は「各2時間」を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
島薗進『宗教を物語でほどく――アンデルセンから遠藤周作へ』(NHK出版新書、2016年)
参考書References
聖書協会共同訳『聖書』(日本聖書協会、2018年)*手元にあると有益
H.アーレント(大久保和郎訳)『エルサレムのアイヒマン(新版)』(みすず書房、2017年)
大野達司ほか『近代法思想史入門』(法律文化社、2016年)
大和田雅人『憲法とみやぎ人』(河北新報社、2018年)
奥平康弘『「憲法物語」を紡ぎ続けて』(かもがわ出版、2015年)
H.-G.ガダマー(轡田収ほか訳)『真理と方法(全3巻)』(法政大学出版局、1986-2012年)
金井光生『フクシマで日本国憲法〈前文〉を読む』(公人の友社、2014年)
来栖三郎『法とフィクション』(東京大学出版会、1999年)
小森陽一『ことばの力 平和のちから』(かもがわ出版、2006年)
柴田哲雄『フクシマ・抵抗者たちの近現代史』(彩流社、2018年)
R.ドゥオーキン(小林公訳)『法の帝国』(未來社、1995年)
夏目漱石『私の個人主義』(講談社学術文庫、1978年)
野家啓一『物語の哲学』(岩波現代文庫、2005年)
林田清明『《法と文学》の法理論』(北海道大学出版会、2012年)
渡邊二郎『構造と解釈』(ちくま学芸文庫、1994年)
東京電力福島原子力発電所事故調査委員会『国会事故調報告書』(徳間書店、2012年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
「到達目標」の達成の度合いに応じて評価します。
平常点・リアクションペーパー(20%)+期末試験またはレポート課題(80%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
「この授業の学習内容が他の法律学や日々の生活にリンクすることも多く、今後の就職や人生にも有益で、難解だが面白かった」等のアンケートを踏まえて、一層レジュメや資料等を改良した。