法学部Faculty of Law
POL300AC(政治学 / Politics 300)演習演習
水野 和夫Kazuo MIZUNO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0491 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4,火5/Tue.5 |
科目種別Class Type | 演習 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
This course introduces the cause of zero inflation 、 zero interest rate、Secular Stagnation and effect of globalization, and the problem of poverty to students taking this course.
Student can consider the pluses and minuses of Capitalism in the 21st century and a subject modern society.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
21世紀の現在、世界で起きていること、たとえば、ゼロインフレ・ゼロ金利、長期停滞、そしてエイズ、SARS、MARS、新型インフルなどの「新種の感染症新時代」などどれも、近代にとってみれば「例外」的現象が顕在化しているで。例外状況においてこそ物事(ここでは資本主義)の本質が現れるのだから、21世紀の現在はまさに研究テーマとしてふさわしいといえよう。同時に、近代の本質をとらえるには政治と経済を一体化して考察が必要となる。
資本主義とグローバリゼーションや民主主義の関係を考え、資本主義が高度に発達した21世紀におきてなぜ貧困や不平等問題が生じるかなどについて研究し、現実の世界で見える現象の水面下でどういった構造変化が起きているかと学ぶことができる。
演習の目的は春学期、秋学期とも同じ。
到達目標Goal
ゼミの2年間での到達目標は、「近代とはいかなる時代か?」を理解することによって、近代の次に来るであろう21世紀のシステムはどの方向に向かうかをある程度予想することが可能となる。
目に見える現象の水面下でどういった構造変化が起きているかに関して、説明できる唯一の理論は存在しないものの、筋道をたたて考察することによって、その構造変化を引き起こしている原動力は何かを見つけることができる。そうすることで、新しい時代にどう対処すればいいのか判断能力を養うことができる。
到達目標は春学期・秋学期を通じて同じ。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」、「DP2」、「DP3」、「DP4」に強く関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業の初めに,前回の授業で提出されたリアクションペーパーからいくつか取り上げ,全体に 対してフィードバックを行う。講義とグループごとの発表、そして活発な質疑応答。
まず、『次なる100年 歴史の危機から学ぶこと』(東洋経済新報社)を読んで、21世紀の経済現象をとらえるための基本的な枠踏みを把握する。その後、利子および資本の本質を考え、現在のゼロ金利は何を意味しているのかを考察する。
春学期は、『次なる100年』の「はじめに」、「序章」(長い16世紀と長い21世紀)、「第3章」(資本と利子)の第2節までを教材に、20世紀末から現在にかけて起きている様々な現象が近代が想定していなかったこと(例外状況)が起きていることを学び、それが何を意味しているかを考える。
授業の初めに,前回の授業で提出されたリアクションペーパーからいくつか取り上げ,全体に 対してフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ゼミの進め方を説明
『次なる100年』の「はじめに」についてグループに分かれて議論し、発表する。
第2回[対面/face to face]:『次なる100年』の「はじめに」のなかで、述べている「蒐集」(コレクション)の概念について
蒐集の目的はなにか―秩序の安定、世界史は「蒐集」の歴史である(「収拾つかぬ方へ(序論)」、『蒐集』ジョン・エルスナー/ロジャー・カーディナル編)
第3回[対面/face to face]:利子率とはなにか、利子と利潤の違いについて
利子に関する学説ー時差説、搾取説、流動性選好説など
第4回[対面/face to face]:「序章」①-「長い16世紀」と現在の比較
21世紀と、過去3回の「歴史の危機」との比較、「長い16世紀」は二度目の「歴史の危機」(「歴史における危機(第4章)」、『世界史的考察』ヤーコプ・ブルクハルト)
第5回[対面/face to face]:「序章」②-「常態」と「例外」の転倒
シュミットの『政治神学』から例外と常態について学ぶー例外状況と「ショック・ドクトリン」
第6回[対面/face to face]:「序章」③-資本主義の起源
13世紀説、15-16世紀説、18-19世紀説の根拠
第7回[対面/face to face]:第3章「利子と資本」①第1節-利潤をいかにして「中心」に集めてきたか
「私的な利益こそ、すべての人間を導く主である」グィッチャルディーニ(1483-1540)の意味することについてー私的利益の追求が善となった近代社会
第8回[対面/face to face]:第3章「利子と資本」②第1節-利潤をいかにして「中心」に集めてきたか
進歩とはなにか-近代になって進歩の意味が変化
第9回[対面/face to face]:第3章「利子と資本」③第2節-「不正なものは公平である」
ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」で2030年についてケインズが指摘したこと
第10回[対面/face to face]:第3章「利子と資本」④第2節②-「不正なものは公平である」
都市文明の頂点にたつメガロポリス文明-資本は文明の別名にすぎない」(マルクス)
第11回[対面/face to face]:資本とはなにか-シェイクスピアの『ベニスの商人』から学ぶ
『ベニスの商人』と『世界の果てからこんにちは」(DVD鑑賞)
第12回[対面/face to face]:イーグルトン「ヴェニスの商人」『シェイクスピア 言語・欲望・貨幣』
本橋哲也「シャイロックの財産はどこへ」(第2章)『本当はこわいシェィクスピア 〈性〉と〈植民地〉の渦中へ』
第13回[対面/face to face]:岩崎宗治「〈運命の女神〉と資本主義の結婚」(第3章)『シェイクスピアの文化史 社会・演劇・イコノロジー』名古屋大学出版会、2002年
シャイロックとポーシャ・アントニオーニについて議論―契約重視(市場一本鎗)か慈悲か
第14回[対面/face to face]:春学期のまとめ
夏合宿の準備、計画と合宿での課題を確認
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間が理想であるが、とくにプレゼンの準備をしっかりすること。
テキスト(教科書)Textbooks
『次なる100年 歴史の危機から学ぶこと』水野和夫、東洋経済新報社、2022年
https://str.toyokeizai.net/books/9784492444658/
参考書References
『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫、集英社新書)
『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(水野和夫、集英社新書)
「収拾つかぬ方へ(序論)」、『蒐集』ジョン・エルスナー/ロジャー・カーディナル編、原書1994、高山宏/富島美子/浜口稔訳、1998、研究社)
「現代帝国主義の国際法的法的諸形態(1932)」、『カール・シュミット著作集 Ⅰ』(2007)長尾龍一訳、慈学社出版
『政治神学』(1922)、『カール・シュミット著作集 Ⅰ』(2007)長尾龍一訳、慈学社出版
「歴史における危機(第4章)」、『世界史的考察』(ヤーコプ・ブルクハルト、1868年、ちくま学芸文庫、新井靖一訳、2009)
「わが孫たちの経済的可能性」(1930年)『ケインズ全集 9 説得論集』宮崎義一訳、東洋経済新報社、1981)
『21世紀の資本』(ピケティ、みすず書房)
イーグルトン「ヴェニスの商人」(第3章)『シェィクスピア 言語・欲望・貨幣』大橋洋一訳、平凡社、2013年
本橋哲也「シャイロックの財産はどこへ」(第2章)『本当はこわいシェィクスピア 〈性〉と〈植民地〉の渦中へ』 講談社選書メチエ、2004年
岩崎宗治「〈運命の女神〉と資本主義の結婚」(第3章)『シェイクスピアの文化史 社会・演劇・イコノロジー』名古屋大学出版会、2002年
成績評価の方法と基準Grading criteria
プレゼンの発表内容(50%)と、質問の頻度(50%)で評価
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
毎時間、最後の15分間程度使って、ゼミの望ましいあり方を議論し、改善していく。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業支援システムを通じて、レジメをダウンロードできる機器を準備。
その他の重要事項Others
内閣府(内閣府大臣官房審議官)および内閣官房(内閣審議官)での実務経験がある教員が、政府月例経済報告、経済財政白書などで養った経済分析、および政策立案のプロセスなどを授業で解説する