法学部Faculty of Law
LAW300AB(法学 / law 300)法と遺伝学Ⅰ法と遺伝学Ⅰ
和田 幹彦Mikihiko WADA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0132 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
To learn the new issues of "Law and Genetics" which emerged in our domestic and international society of 21st Century.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
★この授業は、「他学部公開科目」でもあります!
●テーマ:21世紀の遺伝学・法・法学・政策
そこの人! ハイ、この頁に目をとめたあなたです。ちょっと考えてみて下さい。もし、遺伝子検査で主要な病気にかかりやすいかどうか、予測できるとしたら?【以下のような概要を、この授業では学びます。】
①恋人同士で遺伝子検査をして結果を教えますか?結果次第で結婚や子どもを断念する?
②健康な子が欲しければ、胎児の出生前診断をしますか? 結果次第で中絶しますか?
③国民皆兵ならぬ国民皆 遺伝子検査 に賛成しますか?(アイスランドは一度、導入しましたが、諸般の事情で、国家的な失敗に終わりました!)
この中の一つでも関心があれば、この授業に参加する意味があります。ただ、ちょい待ち… 答は一つではない。世界中で、だれもこの三つの問に絶対的な答を出した人はいないのです。答は一人一人が自分の頭で、自分のために、考えるのです。論理的に。そして法学的に。法学部でない履修者は、一市民として。
【以下がこの授業の目的(何を学ぶか)です。】
「自分の頭で考える:答は一つではない!」:日々の生活で実践できる、論理的・法学的思考を訓練します。<法と遺伝学>の問題には、いまだに世界中のどこにも「一つの正しい答」はありません。だから「誤った発言」はありえない。安心して自分の心の中で議論して下さい。その中で、法学的思考が少しずつ身に付くように、教師が工夫します。
発言が恥ずかしいという学生も、毎年、皆すぐ慣れて発言しています。それに「モノ言う能力」なしに21世紀を生きていけると思わないこと!これこそ国際市場と日本の社会で、今、求められている技能です。
同時に、<法と遺伝学>は、21世紀の人類社会の構図を決める問題です。ならば、遺伝学・医学・心理学・生物学・法学の専門家だけでなく、市民が自分の頭で考え、自ら決断すべきです。
21世紀の遺伝学・医学の発展を踏まえ、「法と遺伝学」の関係を、法学の専門家だけでなく、市民が自分の頭で考え、自ら決断すべきである、というのがこの授業の問いかけであり、目的であり、「何を学ぶか」です。
遺伝学を知らない人、他学部で法学に慣れていない人にも解りやすい授業を心がけますので、安心して履修して下さい。
この科目は「文化・社会と法コース」に属します。
到達目標Goal
学生は、21世紀の遺伝学・医学の発展の中で、新たな法的問題を発見し、その法的・政策学的な解決法を、「答えは一つではない」という大前提の下に、「自分の頭で考える」能力を身につけます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
●基本的に講義形式を取ります。しかし学生の自由な発言・質問を歓迎します。そのために教室の前後にマイクを置きます。
●また、「質問用紙」を教室の前後に常備し、学生はいつでも質問を書いて教員に提出できます。
●学生は、学期中に数回、「質問用紙」に授業の質問、感想、批判、自分の説などを書き、提出します。(匿名可能です。)次回の授業でこれを教員が発表し、質問には応え、その他にはコメントします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:教科書のプリント配布と「法と遺伝学」を学ぶに当たっての「遺伝学入門(1)」
テーマに基づく講義&質疑応答・ビデオ教材による遺伝学入門
第2回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの是非(1)
2001-02年の国際連合の「ヒトクローン禁止条約」の試みで、デザイナーチャイルド問題は、どのように取り上げられていたか?
第3回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの是非(2)
2003-05年の日本で、デザイナー・チャイルド問題はどのように取り上げられていたか?
第4回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの是非(3)
2015-17年の中国における研究で、デザイナー・チャイルド問題は、どのように取り上げられていたか?そして2018年、ついに中国でも規程違反とされたデザイナー・チャイルドの現実での誕生に世界はどう応じたか?
第5回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの是非(4):総括
テーマに基づく講義とクラス全体でのディスカッション
第6回[対面/face to face]:「法と遺伝学」を学ぶに当たっての「遺伝学入門(2)」
最新遺伝学に基づく、過去の遺伝学の誤解と現在の理解の解説とディスカッション
第7回[対面/face to face]:「法と遺伝学」を学ぶに当たっての「遺伝学入門(3)」
21世紀社会を生き抜く我々にとって、特に法学を学ぶ学生にとって、なぜ「遺伝学の基礎的知識」が必須か、そして「法と遺伝学」の学びが必要か、の解説とディスカッション
第8回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの人権・法的権利(1)
この問題の前提となる2018年の中国において現実に誕生したデザイナー・チャイルド3人を事例に考え、ディスカッションを行う。
第9回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの人権・法的権利(2)
2018年の中国において現実に誕生したデザイナー・チャイルド3人が日本国籍を取得し、日本在住である事例を想定し、子の人権・法的権利を考え、ディスカッションを行う。
第10回[対面/face to face]:デザイナー・チャイルド:ヒトの受精卵の遺伝子操作によって生まれる「理想的な?」子どもの人権・法的権利(3)
デザイナー・チャイルド自身の「出自を知る権利」、その父・母の「出自を知らせる権利・義務」について考え、ディスカッションを行う。
第11回[対面/face to face]:3人のDNAを受け継ぐ子どもの正当性と法的・倫理的・社会的諸問題:イギリスの新「ヒト受精及び胚研究法」2015年改正とアメリカ・メキシコでの初出産例(1)
2015年2月、イギリスで改正されたこの法律が及ぼした波紋の解説と、ディスカッション;アメリカ・メキシコで、法改正に先行して「3人のDNAを受け継ぐ子ども」が出生した意味・意義・法的諸問題の解説と、ディスカッションを行う。日本政府の対応も検討する。
第12回[対面/face to face]:3人のDNAを受け継ぐ子どもの正当性と法的・倫理的・社会的諸問題:イギリスの新「ヒト受精及び胚研究法」2015年改正とアメリカ・メキシコでの初出産例(2)
2015年2月、イギリスで改正されたこの法律の模範生の評価の解説と、ディスカッション;アメリカ・メキシコで、法改正に先行して「3人のDNAを受け継ぐ子ども」が出生した諸問題、および日本政府の対応の適否についてディスカッションを行う。
第13回[対面/face to face]:授業内試験【とその振り返り:次回】
本授業「法と遺伝学I」「到達目標」に達したかを、問題を通じて考え、論述する。
第14回[対面/face to face]:授業内試験の講評
本授業「法と遺伝学I」「到達目標」に達したかを、問題の模範解答の講評・採点基準を通じて考え、振り返る。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
●学生は、各回に必ず教科書の予習箇所を指定するので、各自自宅で予習をすること。
●学生は、授業で扱った教科書の箇所と授業内容を必ず復習すること。
●準備(予習)・復習時間は、1回の授業につき各々2時間(合計4時間)である。
テキスト(教科書)Textbooks
●教科書:すべてコピーを授業で配布する。
★和田幹彦著『法と遺伝学』2005年より、抜粋した教材。
★和田幹彦著「『デザイナー・ベビー』『同性間の実子』再訪:実現性高まる――『ゲノム編集』『男性iPS細胞からの卵子作製』の新技術と法規制・立法の要否:同性婚認容のアメリカ連邦最高裁判決」2015年
★和田幹彦著「3人のDNAを継ぐ子を認める法改正――英国の新『ヒト受精及び胚研究法』」2015年 ほか
●加えて:経塚淳子(監修)『遺伝のしくみ』新星出版社、2021年刊、1,400円+税
参考書References
必要に応じて指示する。【購入は必須では無い。】
成績評価の方法と基準Grading criteria
【予定】:●期末の「授業内試験」90点。●「授業内試験」の「講評」出席で平常点10点。
●期末の「授業内試験」では、到達目標である:≪21世紀の遺伝学・医学の発展の中で、新たな法的問題を発見し、その法的・政策学的な解決法を、「答えは一つではない」という大前提の下に、「自分の頭で考える」能力を身につけた≫かどうかを評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
●質問をしやすい環境をより良く整備します。
●授業のスピードを速くしすぎず、ゆったりしたテンポで、学生がフォローし、ついていきやすいように工夫します。
●ビデオ、DVD、ブルーレイ教材を多用する予定です。
●時々、教科書や参考書にもないが、法学・法そのものの理解、遺伝学・遺伝子操作・生命工学・最先端医学などの理解に役に立つ「手がかり」を挿入し、授業を聞きやすくします。
その他の重要事項Others
●「実務経験のある教員による授業」に該当します。日本・スイスにおける銀行業務で日本法・英米法・スイス法・ドイツ法に基づく法務を経験しており、それに関連して、各国の法・法律・法制度・政策・政治が本科目のテーマにどのように対応しているかを、実務の観点からもこの授業で取り上げます。
●法学部以外の学生は、誰でも履修ができます。この科目を履修以前の、他の法律科目の履修も必要ありません。
●法学部法律学科生は、通常の選択必修科目・選択科目を適正に履修していれば、準備は十分です。
●法学部政治学科・国際政治学科生は、他の法律科目履修の必要はありません。本授業で「政策と同時に、法学も学ぶ!」姿勢をしっかり持って下さい。
●全学部生に、同じく私による秋学期の「法と遺伝学II」との合わせての履修を強く勧めます。義務ではありません。