法学部Faculty of Law
LAW200AB(法学 / law 200)日本法制史Ⅱ日本法制史Ⅱ
川口 由彦Yoshihiko KAWAGUCHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0117 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
It is necessary to recognize difference in legal fields - public law/ private law, criminal law/civil law- to understand law. Also it is necessary to understand legal history besides law interpretation. It is legal history to provide the opportunity to learn jurisprudence not superficially but three-dimensionally.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この科目は、法律学科の「文化・社会と法」コースにおかれている。また、「裁判と法」「行政と公共政策と法」「企業・経営と法(商法中心)/(労働法中心)」の各コースでも履修が推奨されている。法を理解するためには、公法・私法、刑事法・民事法など諸分野の法の相違を認識することが必要である。この認識には、解釈論的理解と並んで法制史的理解も必要となる。平面的ではなく、立体的に法を学ぶ機会を提供するのが、法制史である。
到達目標Goal
制定法主義を最も特徴的に表現する六法が成立する頃、日本社会は急速に変化の様相を呈していく。この時期は、行政・軍事官僚システムや司法官僚システムが自律性を高めていく時期で、明治末から大正にかけて重大な法的変化が生じるようになる。
司法・行政・立法の連携構造や公法・私法関係の変容を理解し、法を立体的にとらえられるようにすることが授業の目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP3」に強く関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
日本法制史Ⅰでは、明治期に六法典を中心とする日本近代法が成立する過程を述べた。
これらの法の作成に際して参照された外国法は、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、オランダ、ベルギー等多岐にわたるが、これらの様々な外国法は、日本人法律家の手によって吟味され、選択的に輸入されたものであった。
この選択のあり方を規定したのが、当時の日本がおかれた国際的位置(不平等条約改正のための西欧型法典の速やかな作成)と、国内の規範状況であった。国内の規範状況とは、江戸時代に形成された国家と社会の関係、及び広範に日本社会を覆った慣習規範と西欧的規範の接合・すりあわせのあり方に他ならない。
このように形成された規範構造は、明治末から早くも再編成され、大正・昭和期に大きな変更を加えられることとなる。
日露戦争を契機に、都市商工業に冨を吸いあげられた農村の疲弊が顕著となり、その救済が特別法により行われるようになっていく。また、ネイションステイツ化が強調され、これに応じて、教育・社会事業等の分野に新たな立法が展開されることとなるのである。現代法の中で肥大化してあらわれる福祉法制や教育法制の原像がここに垣間見られる。
政治的にも、明治天皇の死によって憲法システムは動揺をきたし、新たな国家機構の構築が模索されていった。
明治憲法体制は、本来、法的装置と法外的装置の組み合わせによって機能するようになっていたが、「天皇の意思」がシステム上大きな後退をみるとともに、特別法による憲法機構の再構築という新たな展開がみられるようになるのである。
また、社会的矛盾が拡大し、都市市民運動、労働運動、借地借家運動、小作運動などが広く見られるようになり、これに応じて言論規制は後退する。これら社会運動の展開に対応するため、調停法の制定や選挙法の改正、治安政策の再編成が行われ、社会的主張が大幅に国家法の世界に流れ込むこととなった。もっとも、これは、同時に国家的統合の触手がより深く社会の底部に及ぶことを意味していた。
この時期には、給与生活者世帯や単身者世帯が増加し、「他人」同士の社会的接触の程度が高まって、「家族」をめぐる法は大きな変動の中におかれる。民法制定当初から不安定だった「家」秩序は、決定的な解体過程に入り、民法・家族法の改正論が展開することとなり、これが、第二次大戦後の「家」制度解体につながるのである。
このような変化の様相を考察し、今日の法構造に直接連接する史的文脈を描出する。
講義では、単元が終わる都度、質問を募り、それに回答する。また、授業支援システム上でも質問を募り、講義時間内に回答する。また、最終授業で、質問内容を含めた履修者の授業理解について講評を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:オリエンテーション
講義の進め方、試験等についての説明
第2回[オンライン/online]:明治期近代法史概観
法典体制の成立
第3回[オンライン/online]:明治天皇と法1
和協の詔勅と大臣罷免
第4回[オンライン/online]:明治天皇と法2
対外戦争と大元帥
第5回[オンライン/online]:明治天皇と法3
軍令の成立
第6回[オンライン/online]:明治天皇と法4
伊藤博文・梅謙次郎と植民地法制
第7回[オンライン/online]:刑法大改正
明治40年刑法の成立
第8回[オンライン/online]:大正天皇と法1
天皇機関説の行方
第9回[オンライン/online]:大正天皇と法2
国家・天皇・政党
第10回[オンライン/online]:大正天皇と法3
宮中某重大事件
第11回[オンライン/online]:選挙法と治安対策
「普通選挙」と治安維持法による国家・社会システムの再編
第12回[オンライン/online]:法の「民衆化」
各種調停法と陪審法の制定
第13回[オンライン/online]:昭和天皇と法1
内閣瓦解
第14回[対面/face to face]:昭和天皇と法2
軍縮と軍部
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
教科書、参考書を読んでくること。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
川口由彦『日本近代法制史 第2版』(新世社)
参考書References
高谷知佳・小石川裕介編著『日本法史から何がみえるか』(有斐閣)
成績評価の方法と基準Grading criteria
論述式筆記試験100%(テキスト・講義内容から出題。持ち込み不可。)
教室で試験が出来ない場合は、期末レポートにより評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生によって歴史知識の有無がかなり異なることがわかってきたので、この点に留意したい。