デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design
CST500N3(土木工学 / Civil engineering 500)社会基盤施設の資産管理Asset Management of Infrastructure
丸山 明Akira MARUYAMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | デザイン工学研究科Graduate School of Engineering and Design |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | U2109 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
選択・必修Optional/Compulsory | 選択 |
入学年度Admission year | |
カテゴリーCategory |
修士課程 都市環境デザイン工学専攻 専門科目 |
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Outline (in English)
The aim of this course is to learn about infrastructures in civil engineering and skills for their strategic assessment. Practical knowledge and skills obtained from this course can be applied to actual projects. By acknowledging infrastructures in civil engineering by group analysis, and by simulating how an infrastructure can exist over a medium-to-long term considering its invested maintenance and operation cost, one can study strategies required for the current state.
At the same time, topics such as typical degradation and damage of infrastructure, inspection methods and diagnostics, performance prediction, reinforcing and retrofitting, planning of management and their PDCA cycle will be discussed in class. By understanding both medium-to-long term and short period plans, one will be able to acquire the overall picture of infrastructure management, the elemental technology of each process, and the importance of a PDCA cycle.
By taking this course, students will become highly-qualified engineers, being able to perform operation and management of infrastructures in civil engineering efficiently, and give guidance as a specialist.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
このコースでは、社会基盤施設の特徴を知り、社会基盤施設の戦略的な資産管理に必要な技術を修得し、修得した能力を実務で発揮できようになる。まず社会基盤施設を群としてとらえ、施設が中長期間にどのような健全度で存在するかを維持管理費用の投資額によってシミュレーションし、その結果から現状求められる維持管理戦略を学ぶ。一方、個別構造物に発生する変状の種類と特徴、変状の発見と診断、変状の進展予測、変状の最適修繕時期、修繕方法等の短期計画の策定の流れを理解する。中長期計画と短期計画、両者の理解により、インフラマネジメントの全体像、各プロセスの要素技術、PDCAサイクルの重要性を習得し、その結果、学生は、社会基盤施設の運営・管理を効率的に行い、その後、業務を指導できる専門技術者となる。
到達目標Goal
到達目標は、①社会基盤施設の現状と抱えている課題を正しく理解する。②施設の状態を確認する点検・診断技術を修得する。③既設構造物にどのような変状(損傷と劣化)が発生するか、またその原因は何かを理解する。④劣化の種類と原因を把握し、劣化進行速度を工学的あるいは統計学的に導く方法を理解する。⑤社会基盤設備の中長期維持管理計画、短期修繕計画策定について、その要諦を理解する。⑥社会基盤施設の建設から維持管理、補修・補強、更新までをマネジメントする技術を理解する。最終目標は、①~⑥までを理解し、自分のスキルとすることで、実務に活かし、職務遂行能力に優れ、説明責任を適切に果たす能力と倫理観のある優れた技術者となることである。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
デザイン工学部都市環境デザイン工学科ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義は、建設コンサルタントとして実践経験や学会等で修得した広範囲な知見と技術力によって、社会基盤施設の戦略的管理を実施、指導できる実務型技術者育成を目指す。このような観点から、講義用に作成したパワーポイント及び板書によって各ステップの必要項目を解説し、理解度を高める講義方式を採用する。学生の質問、要望については、臨機応変に対応し、相互理解のもと進める。なお、講義に使用するパワーポイントは、事前に公開し、予習、復習に役立てる。また、社会に出て、即戦力として機能するように、プレゼンテーション能力を高める実務型スタイルも取り入れる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:インフラ施設とその現状
インフラにはどのような施設があり、どのような役割があるかを説明し、インフラが現在どのような状況になるかを解説する。
第2回[未定/undecided]:落橋による影響
橋梁の落橋の歴史とその影響、近年相次ぐ落橋事故の原因のほか、地震が橋梁に及ぼす影響について解説する。
第3回[未定/undecided]:構造物の劣化損傷と補修補強
鋼構造物、コンクリート構造物に発生する劣化損傷の説明と、その補修・補強工法等について解説する。
第4回[未定/undecided]:アセットマネジメントとその変遷
なぜアセットマネジメントが必要なのか。そもそもアセットマネジメントとは何かを説明し、インフラ維持管理の方針を変える出来事とその時代のアセトマネジメントを解説する。
第5回[未定/undecided]:長寿命化修繕計画(1)
長寿命化修繕計画の詳細と課題を解説する。
第6回[未定/undecided]:長寿命化修繕計画(2)
実践的な長寿命化修繕計画(=中長期投資計画)を、事例を用いて解説する。
第7回[未定/undecided]:資産管理演習(1)
社会基盤施設の資産管理演習課題を設定し、これまで得たスキルを基に資産管理計画案を策定し、PPTや関連資料を使ったプレゼンテーションの準備をする。
第8回[未定/undecided]:新技術と新発注方式
最新のICT技術等を用いた維持管理や、新たな発注方式の採用などを解説する。
第9回[未定/undecided]:PPP/PFI
PPP/PFI手法を用いた施設維持管理について解説する。
第10回[未定/undecided]:住民の維持管理参加
行政ではなく住民自らのインフラ施設維持管理への参加を、事例を用いて解説する。
第11回[未定/undecided]:資産管理演習(2)
資産管理演習(1)の演習結果をプレゼンテーションする。
資産管理演習(2)として、想定した仮想地方公共団体において、与えられた施設状況から行政職員の立場で施設の維持管理方針を定め、その実現までのプロセスについてまとめ、PPTや関連資料を使ったプレゼンテーションの準備をする。
第12回[未定/undecided]:会計・マネジメントの知識
会計の基本を理解し、公会計を資産管理の視点から事例を用いて解説する。また戦略的資産管理に必要なマネジメント技術、例えば、ポートフォリオ、リスクマネジメント、トレードオフや、投資判断の手法について解説する。
第13回[未定/undecided]:建設コンサルタントの役割と業務領域
社会基盤施設に関する建設コンサルタントの役割と業務領域について説明する。
資産管理演習(2)の演習結果をプレゼンテーション(前半)する。
第14回[未定/undecided]:社会基盤施設の資産管理とりまとめ
資産管理演習(2)の演習結果をプレゼンテーション(後半)する。
社会基盤施設の戦略的資産管理について講師とのミーティングを通じ、更なるスキルアップを目指して実戦力となるよう導く。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
国内外の社会基盤施設の現状と課題、資産管理手法(インフラマネジメント)に関する事前学習が望ましい。
講義前に公開する講義用資料によって予習し、講義時に疑問点を質問し、理解度を高めるのが好ましい。講義が進む過程で2回程度の課題を講師が設定、レポート提出をする。本授業1回あたりの準備学習・復習時間は、各1時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
講義用資料:各講義開始前日までにネットで公開する。
参考書References
1.アセットマネジメント導入への挑戦:土木学会
2.これならわかる「道路橋の点検」:建設図書
成績評価の方法と基準Grading criteria
1.演習成果発表の評価:40%
2.課題レポート(2回):30%
3.講義支援体制評価:30%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
今年度も机上理論だけではなく、インフラ資産維持管理の現場での課題や実装に至る障害等について、リアリティを持って講義する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
パーソナルコンピューター(ワード、エクセル、パワーポイントソフト含む)
その他の重要事項Others
・新潟市等の地方公共団体に、戦略的維持管理の実装に関して建設コンサルタントの立場で支援してきた教員が、自らの知見とスキルによって戦略的資産管理手法について指導する。
・即戦力として機能する人材育成が目標であることから、講義中、講義後に分からないこと、知りたいことを積極的にヒヤリングすることが望ましい。