人文科学研究科Graduate School of Humanities
OTR600B7(その他 / Others 600)国際日本学演習ⅡSeminar: International Japan StudiesⅡ
水野 和夫
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X1186 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-必修科目 |
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Outline (in English)
This course introduces a cause of zero interest rate, economic effect of globalization and US-China New Cold War and relation between capital and interest rate to students taking this course.
Students can understand that exceptions prove anything.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
国際日本学演習Ⅱでは①ゼロ金利が日本、ドイツ、フランスで生じた背景、②グローバリゼーションが経済に与えた影響や米中新冷戦の背景、③資本と利子について学ぶ。
ゼロ金利は「例外」状況ではあるが、例外が物事の本質を表すということを学ぶ。
到達目標Goal
ゼロ金利は近代社会が想定していない「例外」状況であり、利子率と利潤率の関係を理解することができる。グローバリゼーションは帝国システムのイデオロギーでもある。したがって利子率低下のもとで利潤率を引き上げるためのグローバリゼーションが国民国家の時代から帝国の時代へと向かわせる可能性が高く、21世紀はいかなる時代となるのかを学ぶことができる。
日本の例を参考にグローバリゼーションの行き着く先を考え、それにどう対処するかを学ぶ。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は複数の課題図書の中から、各自が最も関心のあるテーマに近い図書を選び、毎回、受講生が発表し、参加者で討議を行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
この講義の全体的な流れを説明
第2回:経済学とは
経済学で大事な概念であるSaveは「救済」の意味をもつ
第3回:「蒐集」(コレクション)と資本の関係について
「蒐集」は社会秩序維持の目的で行われる
第4回:「蒐集」と資本について
近代社会における社会秩序は資本の「蒐集」によって生活水準の向上をはかる
第5回:資本の過剰性と利子率ゼロについて
人類の課題は「過剰貯蓄」にある(ケインズ)
第6回:グローバリゼーションの「暴力性」について
グローバリゼーションと格差拡大(エレファント・カーブ、OXFAMレポートなど)
第7回:グローバリゼーションと帝国の関係について
グローバリゼーションの起源は、キリスト教帝国の時代である13世紀から始まる
第8回:公式の帝国と非公式の帝国について
「陸と海のたたかい」(シュミット)について
第9回:20世紀の帝国の条件とは(米中新冷戦の背景)
支配と被支配の関係は債権国と債務国の関係(シュミット)、国際収支発展段階説、所得収支の重要性
第10回:利子と利潤の関係について
源泉は同じであり、違いは利子は恒常性、利潤は偶発性(シュンペーター)
第11回:消費と投資について
今を楽しむか、将来に備えるか
第12回:日本企業の内部留保金について
利子率の時差理論(バヴェルク)と搾取説(マルクス)
第13回:「石」となった個人金融資産
「財産を失った守銭奴」(ラ・フォンテーヌ)
第14回:まとめ
21世紀はいかなる時代なのか
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
自らの研究課題に対しての準備をしっかり行うこと。
テキスト(教科書)Textbooks
オリエンテーション時に指示(現在、執筆中の本を使用する予定)
参考書References
『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫、2014年、集英社新書)
『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(水野和夫、2017年、集英社新書)
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表:50%、受講態度:50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
十分な議論の時間の確保に努める。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
特になし
担当教員の専門分野等
<専門領域> 現代日本経済論、グローバル経済論
<研究テーマ> グローバル化が経済に及ぼす影響、資本主義の課題
<主要研究業績>
1.『100年デフレ~21世紀は物価下落型のバブル多発時代~』日本経済出版社、2003年
2.『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』日本経済新聞出版社、2003年
3.『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』日本経済新聞出版社、2011年
4.『資本主義の終焉と歴史の危機』集英社新書、2014年
5.『資本主義の終焉、その先の世界』詩想社新書、榊原栄資共著、2015年
6.『株式会社の終焉』ディスカバー21、2016年
7.『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』集英社新書、2017年