人文科学研究科Graduate School of Humanities
ART500B7（芸術学 / Art studies 500）仏教思想と仏教美術ⅡBuddhist Thought and Art II
高橋 悠介
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X1071 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-基幹科目 |
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Outline (in English)
A Study of the "Kasuga Gongen Genkie" (miraculous stories of Kasuga deity picture scroll).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
鎌倉時代を代表する絵巻の傑作『春日権現験記絵』の記事と絵を検討する。この絵巻に収められた春日権現（春日大明神）の霊験譚には、貴顕や南都僧の春日信仰、鎌倉時代の南都の宗教環境、南都僧の教学や儀礼、神仏習合など様々な背景がうかがえる。これまでに、美術史・日本史・日本文学など諸方面で積み重ねられてきた研究史をふまえ、『春日権現験記絵』を講読する。
到達目標Goal
・寺社圏で成立し享受された文献の性格を学び、これを読解する技術を習得する。
・文献と図像資料を複合的に読解する技術を身につける。
・『春日権現験記絵』を通して、日本の神仏習合や仏教文化に関する理解を深める。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
最初は、『春日権現験記絵』と南都の寺社文化についての基本的な知識について、講義形式で授業を進める。続いて、担当を決め、受講者による報告と討議を行っていく。授業内で議論できなかったことも、リアクションペーパー等の方法により意見を集め、次回に取り上げる。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：ガイダンス
講義の概要・進め方について説明。
第2回：春日社と春日曼荼羅
『春日権現験記絵』を講読する上での基礎知識として、春日社の沿革と春日曼荼羅について講義。
第3回：『春日権現験記絵』と貞慶の唱導資料
『春日権現験記絵』の成立をめぐる研究史を整理し、特に貞慶とその周辺による春日権現をめぐる霊験の集録との関係について講義。
第4回：『春日権現験記絵』巻一（一）
巻一の序にあたる記事の講読と討議。
第5回：『春日権現験記絵』巻一（二）
巻一の承平託宣事・竹林殿事の記事と絵の検討と討議。
第6回：『春日権現験記絵』巻一（三）
巻一の金峯山御幸事の記事と絵の検討と討議。
第7回：『春日権現験記絵』巻二（一）
巻二の寛治御幸事・永久衆都闘乱事の記事と絵の検討と討議。
第8回：『春日権現験記絵』巻二（二）
巻二の二条関白事の記事と絵の検討と討議。
第9回：『春日権現験記絵』巻三（一）
巻三の堀川左府事・鹿嶋和歌事の記事と絵の検討と討議。
第10回：『春日権現験記絵』巻三（二）
巻三の信経事の記事と絵の検討と討議。
第11回：『春日権現験記絵』巻四（一）
巻四の天狗参入東三条事の記事と絵の検討と討議。
第12回：『春日権現験記絵』巻四（二）
巻四の忠実春日詣時神託事の記事と絵の検討と討議。
第13回：『春日権現験記絵』巻四（三）
巻四の普賢寺摂政事・三条内府事の記事と絵の検討と討議。
第14回：『春日権現験記絵』巻四（四）
巻四の後徳大寺左府事の記事と絵の検討と討議。及び最後のまとめ。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各２時間を標準とします。『春日権現験記絵』の当該記事をその場面の絵と共によく読み、関連説話を含めて利解すること。また、授業中に言及する参考書を読むこと。
テキスト（教科書）Textbooks
教科書は使用しない。
参考書References
藤田経世『校刊美術史料 寺院篇上』（中央公論美術出版、1972年）
『続日本の絵巻 春日権現験記絵』（中央公論社、1991年）
神戸説話研究会編『春日権現験記絵注解』（和泉書院、2005年）
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表５０％、平常点（出席状況等）５０％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
該当なし。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞日本中世文学・中世宗教思想史・書誌学
＜研究テーマ＞ 中世仏教文学・芸能・寺院資料論
＜主要研究業績＞
・「称名寺聖教中の春日関係資料と『春日権現験記絵』」 (『説話文学研究』46、2011年7月）
・「貞慶をめぐる説話と律院ー「異砂記」・狛行光春日霊験譚」（『説話文学研究』55、2020年9月）
・「正楽寺蔵・荒神曼荼羅について―蔵王権現と習合した忿怒相の荒神像と諸尊」（『寺院文献資料学の新展開 第五巻 中四国諸寺院Ⅰ』臨川書店、2020年3月）