人文科学研究科Graduate School of Humanities
PSY600B6(心理学 / Psychology 600)心理学研究法演習ⅡSeminar in Psychological Research Methods II
島宗 理
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0509 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 1 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 心理学専攻(修士課程)-必修科目 |
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Outline (in English)
The purpose of this course is to learn and master research methods in behavior analysis, including evaluation of single-case design data with visual inspection, and interpretation of functional relationship between dependent and independent variables. Student will also aim to master how to write a research paper, by learning about paragraph writing, Japanese Psychological Association's publication manual, and other miscellaneous rules in academic writing.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
社会的・個人的に重要な行動問題の解決策を科学的に発見、開発する方法論として、行動分析学の研究法を学びます。この授業では、M1次生は予備実験の報告書と修士論文の実験計画書、M2次生は修士論文を書き上げ、発表するまでを支援しますが、その過程で、論理的な文章作成や根拠に基づいた提案、プレゼン、討論の練習をしていきます。
到達目標Goal
この授業で主に目指すのは以下の知識や技術の習得です:自分の実験を社会的、学術的な文脈に位置づけること、実験から得られたデータを分析し、わかったこと、わからなかったことを整理し、わからなかったことはどうすればわかるようになるかを提案すること。わかったことを数量化し、図表にまとめ、読み手や聞き手にわかりやすいように発表すること、論理的に一貫した、読みやすい文章を書くこと。詳細な規定にきめ細かく対応した校正を行うこと。締切から逆算して計画をたて、遂行すること。自分では解決できない問題について仲間や指導教員から助言をもらうこと、助言すること。
これらはすべて研究にとって必要な技能や知識ですが、修了後に就職してからも皆さんの職場で必ず役に立つものです。修論のためだけの研究法ではなく、この機会に、一生使える心理学の専門性を習得してください。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
毎週、課題を出します。授業はゼミ形式で、課題の発表と討論を中心に進めます。M1次には心理学研究法演習Iで行った予備実験と次年度に行う修論実験を題材に課題に取り組みます。M2次には各自の修論研究を題材に課題を進めます。ゼミの時間の大半を発表や討論の練習に使いますので積極的に参加して下さい。課題へのフィードバックは授業および掲示板で行います。
【重要】新型コロナ感染拡大防止のために,この授業は感染状況に応じてオンラインと対面を適宜組み合わせて行います。学習支援システムのこの授業科目のトップページで,対応状況やそれに伴うシラバスからの変更点について案内しますのでご確認ください。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
全員:
授業内容と方法、約束事を説明します。
M1次生は予備実験、M2次生は修論実験の内容を1分間でプレゼンする練習をします。
第2回:論文を書く:
アウトラインを書く
全員:
アウトラインを書いてから本文を書く方法を解説します。「方法」の章を使って練習をします。日本心理学会「執筆・投稿の手引き」の参照方法も解説します。
M1次生は予備実験のレポートを執筆します。M2次生は修論実験を論文にしていきます。
第3回:論文を書く:
データの視覚的な提示
全員:
実験の中心的なデータを選び、それを視覚的に伝える図を描きます。独立変数と従属変数の関係性がわかりやすく提示できているかどうか、「手引き」やゼミの「チェックリスト」にそっているかどうかを確認します。
第4回:論文を書く:
推敲する(1)
全員:
方法の章の完成版を提出し、チェックリストに基づいて推敲します。方法の章で最も重要なのは読み手がその実験を追試できるように書かれているかどうかです。読み手の立場から自分の論文を読み直して推敲する練習をします。
第5回:論文を書く:
事実を書く
全員:
アウトラインから書く方法を結果の章を使って練習します。読み手に自分の研究のセールスポイントをわかりやすく伝えるために、順序や論理展開を工夫する練習です。
第6回:論文を書く:
先行研究をまとめる
全員:
先行研究をまとめて表にし、「手引き」に即した作表方法を学びます。先行研究を紹介する段落を書き、文献引用の作法を練習します。
第7回:論文を書く:
研究を位置づけるアウトラインを書く
全員:
第6回でまとめた先行研究の展望を活かし、また前期に作成したストーリーを振り返り、序論のアウトラインを作成します。パラグラフ・ライティング法(段落をトピック文とサポート文で構成する手法)を解説し、練習します。
第8回:論文を書く:
推敲する(2)
全員:
第5回で作成したアウトラインに肉付けをして結果の章をまとめます。データの分析や統計が適切に、かつ充分に行われているかどうかを確認します。
第9回:論文を書く:
推敲する(3)
全員:
パラグラフ・ライティング法を使って序論を完成させます。日本語の作文技術について確認し、推敲の練習をします。さらに、チェックリストを使って、「執筆・投稿の手引き」にそうように推敲します。
第10回:論文を書く:
執筆ルールに基づいて校正する
全員:
引用文献一覧を作成します。「執筆・投稿の手引き」にそうように推敲します。また、本文と見合わせて、引用の方法が適切かどうかを確認します。
第11回:論文を書く:
推敲する(4)
全員:
小実験レポート、修論のゼミ内提出の前の最終確認とチェックリストを使った推敲の練習をします。また、自分で書いた文章を自分で推敲するのは困難であることを自覚するために、他の受講生の修論を校正する練習もします。校正に使う一般的な記号を習得しましょう。
第12回:研究計画(1)
M1次生:
次年度に行う修論の実験計画を発表し、討論します。
M2次生:
修論を推敲し、提出します。
第13回:研究計画(2)
M1次生:
次年度に行う修論の実験計画を発表し、討論します。
M2次生:
修論の要旨を作成して提出します。要旨は修論のストーリーをわかりやすく伝える文章です。セールスポイントの抽出と伝達、文字数が限られている場合の推敲方法について解説し、練習します。
第14回:まとめと研究計画(3)
全員:
授業全体を振り返り、討論します。
M1次生:
次年度に行う修論の実験計画を発表し、討論します。
M2次生:
修論発表会に備え、修論研究の発表練習をします。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎週、課題をだしますので、各自取り組み、提出して下さい。以下、いくつかの課題を例示します。
○春学期に実施した実験の発表資料を作成し、練習をする。
○自分の研究の社会的意義を示す資料を収集し、発表資料としてまとめる。
○日本心理学会の「執筆・投稿の手びき」およびゼミの論文推敲チェックリストを用いて、「結果」の章を推敲し、提出する。
○本授業の準備・復習時間は、それぞれ平均4時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストはありませんが、研究テーマや課題に応じて、適宜、資料を配付し、参考文献などを紹介します。
参考書References
倉島保美(2012)論理が伝わる世界標準の「書く技術」 講談社
成績評価の方法と基準Grading criteria
○授業への参加(40%)、課題遂行(40%)、レポート提出(20%)から成績を評価します。
○欠席が5回以上になると自動的にE評価になります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
(2020年度は未開講でした)
その他の重要事項Others
この科目はM1次生とM2次生の合同授業となります。重複履修を原則としていますので、M1次とM2次には同じ教員の授業を受講してください。
オフィスアワーは春学期は金曜日の4限、秋学期は火曜日の2限、場所は研究室(富士見坂校舎6F9号室)です。
担当教員の専門分野等
<専門領域> 行動分析学
<研究テーマ>
組織行動マネジメント、広告・消費者行動、教材開発
<主要研究業績>
① 島宗 理 (2019). ワードマップ 応用行動分析学
新曜社
② 島宗 理 (2015). リーダーのための行動分析学入門 日本実業出版社
③ 島宗 理・若松克則 (2016). 会計事務所で働くパート従業員を対象とした参加型マネジメント 行動分析学研究, 31, 2-14.