人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B2(文学 / Literature 500)能楽資料研究AResearch on Documentary Materials of Noh Drama A
宮本 圭造
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0148 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 日本文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
Okina is a piece which has been treated with utmost importance and respect within nohgaku. The character of the old man Okina appears and prays for peace throughout the world with the chant "tengataihei kokudoannon".This course deals with how does Okina have a special significance as a part of Japanese culture and history.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「翁」は平安末~鎌倉期には成立していたと見られる古い猿楽の芸能で、現代においても能楽の根幹に位置する芸能として大切に扱われている。この授業では、その「翁」がいかにして成立し、どのように現代にまで受け継がれてきたかを、能楽に関する様々な文献、祭礼芸能、民俗芸能など、多様な資料を用いて読み解いていく。「翁」がこのように長年にわたって演じ継がれてきた最大の理由はどこにあるのか。それは、「翁」が「天下泰平国土安穏」や「家内安全」「寿命長遠」といった人々の祈願とともに演じられてきたという点にある。その「翁」のテクストをどのように読み解くことが出来るのか、武家社会や村落社会においてどのように「翁」が演じられてきたのか、これらの問題を担当教員の講義と受講生の発表を通じ、考察する。
到達目標Goal
この授業は能楽をの「翁」をテーマに、能と社会との関わりについての総合的な考察を目的とする。そのため、能楽資料のほか、祭礼芸能、民俗芸能など、様々な資料を用い、それらを相互に吟味し、「翁」という芸能の本質を明らかにすることを目指す。そうした作業を通じ、古文書の読解能力、資料批判の能力を獲得できるようにするとともに、その上で受講者各自が能楽に対する歴史的な視点を確立することを最終的な到達目標とする。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は講義と受講生の発表とによって進められる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:「翁」の現在
「翁」が現代の能楽においてどのように伝承されているかを学ぶ。
第2回:中世芸能の成立
「翁」の成立を促した中世芸能の成立過程を学ぶ。
第3回:「翁」の成立圏
「翁」がどのような環境において成立したかを考察する。
第4回:翁面の種々相
「翁」において用いられる翁面の特徴を明らかにする。
第5回:「翁」のテクスト
「翁」の古いテクストにはどのようなものがあるかを概観する。
第6回:鎌倉時代の「翁」
鎌倉時代の「翁」の実態を民俗芸能などの事例から読み解く。
第7回:室町時代の「翁」
能楽成立以後の「翁」のあり方について考察する。
第8回:「翁」の異式演出
「翁」の多様な上演形態について概観する。
第9回:「翁」と猿楽座
「翁」の上演組織の実態について明らかにする。
第10回:「翁」と神事能
「翁」と神事能との関わりについて考察する。
第11回:「翁」と武家儀礼
武家儀礼の中で演じられた「翁」について考察する。
第12回:「翁」をめぐる信仰
「翁」をめぐる雨乞い、厄払いなどの信仰のあり方について考察する。
第13回:「翁」の秘伝
「翁」をめぐる秘伝書の伝授のあり方について考察する。
第14回:まとめ―「翁」とは何か―
以上を踏まえて、「翁」とはいかなる芸能であるか、を総括する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
文献を事前に読み、授業・発表に備える。本授業の準備学習・復習時間は、各2 時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。担当教員・発表者が作成した資料を授業にて配布。
参考書References
授業の中で随時紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への積極的な貢献度(出席等)30%、発表70%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生の積極的な参加が可能となるよう、討議の時間を十分に設ける。
担当教員の専門分野等
<専門領域>能楽研究
<研究テーマ>能楽史
<主要研究業績>『上方能楽史の研究』『近世諸藩能役者由緒書集成』