人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B2（言語学 / Linguistics 500）日本言語学演習ⅠＡSeminar in Japanese Linguistics Ⅰ A
尾谷 昌則
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | X0122 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 日本文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
To understand the basic concepts of cognitive linguistics, we read the textbook for cognitive linguistics(semantics) and academic papers on (cognitive) semantics. Students are supposed to submit a summary of the chapter(or a paper) that we are to read on the day.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
この授業では、前半は認知言語学（認知意味論）の基本的な考え方を学ぶためにテキストを皆で読み進める。受講生は、要約レポートを毎週作成し、授業開始時に提出する。その後、基本概念についての質疑応答、疑問点についての討論を行う。後半は、テキストで学んだことが実際の言語研究でどのように利用されているのかを学ぶために、意味について分析している学術論文を読む。受講生は、論文の要約レポートを毎週作成し、授業開始時に提出する。授業内容は、前半と同じように進める。
到達目標Goal
テキストに出てくる認知言語学および言語学一般の基礎概念・用語を理解するとともに、具体例を挙げながら他者にそれらの概念を説明できるようになる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
▼前半の数回はテキストを皆で読み進める。まず授業開始時に要約レポートを提出し、その後、その章の内容に関する確認の質疑応答を行い、最後に疑問点や問題点についてディスカッションを行う。後半の数回は、前半で学習した事項が分析に利用されている学術論文を毎週１本読むが、授業の進め方は前半と同じである。
▼必要に応じて、ZOOMを用いたオンライン授業を行う。その場合は、学習支援システムの「お知らせ」でURLや事前課題などを連絡する。チャット機能を利用した双方向授業になるため、通信環境を整えておくこと。
▼課題やリアクションペーパー等における良いコメント・質問は授業内で紹介・フィードバックして、さらなる議論に活かす。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：学習の仕方、要約の書き方、各種参考資料について
要約レポートの書き方などをレクチャーする
第2回：第1章「はじめに」と第2章「認知言語学」
受講生による発表・討論
第3回：第3章「認知メタファー理論」
受講生による発表・討論
第4回：第4章「新体制メタファー論」
受講生による発表・討論
第5回：第5章「イメージメタファー」と第6章「水のメタファー」
受講生による発表・討論
第6回：第7章「擬人のメタファー」と第8章「線と移動のメタファー」
受講生による発表・討論
第7回：第9章「因果のメタファー」と第10章「現実のメタファー」
受講生による発表・討論
第8回：第１１章「可能性のメタファー」と第１２章「希望のメタファー」
受講生による発表・討論
第9回：第１３章「問題のメタファ−」と第１４章「善悪のメタファー」
受講生による発表・討論
第10回：論文リポート１（空間のメタファーに関するもの）
受講生による発表・討論
第11回：論文レポート２（時間のメタファーに関するもの）
受講生による発表・討論
第12回：論文レポート３（因果のメタファーに関するもの）
受講生による発表・討論
第13回：論文レポート４（水のメタファーに関するもの）
受講生による発表・討論
第14回：まとめ
本授業の総括をするとともに、期末レポートの所注意を行う。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【宿題】
(1) テキストの該当箇所もしくは課題論文の要約レポート（A4 用紙一枚）。毎週、授業開始時に提出する。（１時間程度）
(2) 課題論文に出てきた分からない概念・専門用語について、授業で質問されても答えられるように、調べておく。（２時間程度）
(3) 当日の授業で質問できるように、課題論文への反論・疑義・その他不備と思われる点をまとめておく。（１時間程度）
テキスト（教科書）Textbooks
『日本語のメタファー』（鍋島弘治朗著、くろしお出版、3300円＋消費税）
参考書References
『認知言語学大事典』★★★（朝倉書店）
『意味論キーターム事典』★★（開拓社）
『新編 認知言語学キーワード事典』★（研究社）
『ことばの認知科学事典』★（大修館書店）
『日本語学キーワード事典』（朝倉書店）
『言語学大辞典』（三省堂）
『日本語文法大辞典』（明治書院）
『日本語学研究事典』（明治書院）
『語用論キーターム事典』 （開拓者）
『日本語研究のための認知言語学』（籾山洋介著、研究社）
『認知意味論: 言語から見た人間の心』（ジョージレイコフ著、紀伊国屋書店）
『認知意味論のしくみ』（籾山洋介著、研究社）
『認知意味論の新展開―メタファーとメトニミー』（谷口一美著、研究社）
『概念化と意味の世界 認知意味論のアプローチ』（深田智・仲本康一郎著、研究社）
『認知言語学 基礎から最前線へ』（森雄一・高橋英光編著、くろしお出版）
成績評価の方法と基準Grading criteria
宿題(1)「要約レポート」（40 ％）
宿題(2)(3) 質疑応答・ディスカッションへの参加態度（40 ％）
学期末レポート（20 ％）
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
論文を書くための基礎になる知識を中心に教えて欲しいとの要望があったので、知識と論文レビューの両方を行うこととした。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞
現代日本語における意味論、文法論、語用論、認知言語学
＜研究テーマ＞
認知言語学からみた意味拡張、文法化、構文ネットワーク
＜主要研究業績＞
「アマルガム構文としての『「全然」＋肯定』に関する語用論的分析」（『言葉と認知のメカニズム』pp.103-115. ひつじ書房、2008年）
「構文文法の歴史的背景と今後の展望」（『人間情報学研究』第11巻、pp.25-43. 2006年）
「接続詞ケドの手続き的意味」（『語用論研究』第7号, pp.17-30. 2005年）
『構文ネットワークと文法 ―認知文法論のアプローチ』（共著、研究社、2011年）