人文科学研究科Graduate School of Humanities
PHL500B1(哲学 / Philosophy 500)日本思想史特殊講義1Lecture on History of Japanese Thought 1
西塚 俊太
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0079 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 哲学専攻(博士後期課程) |
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Outline (in English)
The aim of this course is to acquire an understanding on Japanese folklore through reading thoroughly the writings by Kunio Yanagida. By the end of this course, students should be able to fully grasp the background of Japanese thought and faith.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
柳田国男の諸著作を読み進めることを通じて、日本近代における民俗学のあり方を把握していく。特に、日本の民間信仰の特性とは一体いかなるものであったのか、などの点に関する理解を目指していく。
到達目標Goal
【修士課程】
・柳田国男の諸著作を中心に、日本思想史のテキストを読み解くことが出来る。
・哲学的思索や考察内容を自身の言葉として語ることが出来る。
・議論を通じて、自身の思考内容を深めることが出来る。
【博士後期課程】
・柳田国男の諸著作を中心に、日本思想史のテキストを読み解くことが出来る。
・哲学的思索や考察内容を自身の言葉として語ることが出来る。
・議論を通じて、自身の思考内容を深めることが出来る。
・論文形式で文章を作成することが出来る。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
(1)受講者全員に柳田国男の諸著作の担当箇所を割り当てる。
(2)担当者は該当箇所に関するレジュメを作成し、講義で発表をする。
(3)その発表に基づいて、テキスト解釈について参加者全員で議論する。
(4)演習の始めに、前回の演習で議論された内容を整理しフィードバックする。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:柳田国男に関する概説と演習の進行についての説明
柳田国男の民俗学に関する概要の説明と、演習内容や進め方および評価方法の説明。
第2回:「海上」信仰に関する考察
「海神宮考」(一:35-72 )(以下全て柳田国男全集の巻数とページ数表記による)
第3回:異界との交流に関する考察
「みろくの船」(一:73-84)・
「根の国の話」(一:
85-109)
第4回:『遠野物語』の探究
『遠野物語』(四:5-54)における異界の考察
第5回:『山の人生』①
里と山の相違から
『山の人生』(四:57-126)における「山」と「里」の相違からの考察
第6回:『山の人生』②
異界としての「山」
『山の人生』(四:126-186)における「山」の異界性の考察
第7回:「史料」の扱い①
「史料」を学問として扱う手法
「史料としての伝説」(四:189-239)による、史料の扱いの習得
第8回:「史料」の扱い②
「伝説」を学問として扱うこと
「史料としての伝説」(四:240-284)による、「伝説」を学問として扱うことの意義
第9回:「伝説」の扱い①
「伝説」の採録
「伝説」(五:3-59)による、「伝説」の採録についての考察
第10回:「伝説」の扱い②
「伝説」の学問化
「伝説」(五:59-110)による、「伝説」を学問として扱うことの実際の方法の確認
第11回:「口承文芸」の扱い
「口承文芸史考」(六:3-78)による、「口承文芸」の扱い方についての考察
第12回:「口承文芸」の学問化
「口承文芸史考」(六:78-150)による、「口承文芸」を学問として扱うことについての検討
第13回:「物語論」
「物語と語り物」(七:3-65)による、物語論の検討
第14回:「物」とは何か、「物」を「語る」とはいかなることか
「物語と語り物」(七:66-123)による、「物」とは何か、「物」を「語る」とはいかなる営みかについての考察
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の該当箇所を熟読した上で講義に参加することが必須である。
特に、発表担当者は担当箇所を幾度も綿密に読み込んだ上でレジュメを作成することが強く求められる。
本授業の準備・復習時間は、計5時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
『柳田国男全集』を用いる。受講者自身が入手することが望ましいが、入手難易度を考慮して演習担当者が資料を準備する予定である。
参考書References
まずは参考書などを参照せず先入観を排して柳田国男の原典そのものにあたって入念に読み込むことが先決である。そこで理解しきれなかった点を、講義内の議論を通じて深めていくことになる。
参考文献は講義内で適宜指示していくことになる。
成績評価の方法と基準Grading criteria
【修士課程】発表担当時の発表内容(レジュメの水準を含む)(60%)と、演習内での発言や議論への参加姿勢(40%)によって評価する。
【博士後期課程】発表担当時の発表内容(レジュメの水準を含む)(70%)と、演習内での発言や議論への参加姿勢(30%)によって評価する。
修士課程・博士後期課程ともに、講義においては毎回の発言・質問を「必須」として求め、発言・質問しなかった場合は出席したものとは見なさないので、事前学習として事前に該当箇所を読み込んだ上で講義に出席することが必要である。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
演習の展開や学生からの要望次第によっては、より多くの文献を扱っていきたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
発表担当の際には必ずレジュメを作成し配布すること。
紙媒体のレジュメが望ましいが、パワーポイントを使用する場合においても、議論を展開しやすいように重要箇所はなるべく文章形式を採用すること。
パワーポイントの使用を希望する際には、前の週までに講義担当教員にその旨を連絡すること。
担当教員の専門分野等
<専門領域>日本近代哲学・日本思想史
<研究テーマ>京都学派を中心とした日本近代哲学の研究、ならびに日本思想史(神・儒・仏・物語・武士道など)の研究
<主要研究業績>
①「「ひと」であること、「私」であること―三木清の「哲学的人間学」をめぐって―」(『日本倫理思想論究 第2号』、2014)
②『科学技術の倫理学Ⅱ』(勢力尚雅 編共著、2015)
③「『三河物語』における譜代意識の根底―「慈悲」と「情」と「武辺」との関係から―」(『倫理学紀要第24輯』、2017)
より詳細な情報は「法政大学学術研究データベース」の西塚俊太のページ http://kenkyu-web.i.hosei.ac.jp/Profiles/107/0010646/profile.html を参照