人文科学研究科Graduate School of Humanities
PHL500B1(哲学 / Philosophy 500)古代哲学史特殊講義1Lecture on History of Ancient Philosophy 1
奥田 和夫
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X0061 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 哲学専攻(博士後期課程) |
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Outline (in English)
In this class we read Aristotle’s "Metaphysics". In the term we will read from Book 11,ch.2,1060a27 to ch.9. The objects of the class are careful reading , underestanding of the way the auther thinks and estimation of his thoughts.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
アリストテレス『形而上学』を講読する。西洋哲学史上きわめて重要な著作であり、難解な著作である。注意深く精読をすすめ、アリストテレスの思考法、重要概念の内容を正確に理解することが目標である。さらに、この著作(論文集)が伝えるアリストテレスの思想を把握したうえで、可能であれば、その有効性にまで考察をおよぼすことが最終的な目的である。今年度春学期は第11巻第9章から第12巻第5章までを読解する。
到達目標Goal
上にのべたように、内容の正確な理解を得ることが目標である。アリストテレスには世界や事象を認識するにあたり彼独特の思考方がある。この思考法はさまざまなテーマについて多様な仕方で繰り返される。正確な理解を得るためには、その思考法のパターンとその基礎にある概念やその使用法を理解し習熟することが第一の目標となる。アリストテレスの『形而上学』は西洋哲学史上、広大な影響力を有しているだけに、本書について正確な理解を得ることは、後代の哲学の理解に際しても重要である。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
古典ギリシア語原典を訳読できる履修者が出席する場合、その者がまず原典を訳読し、次にそれ以外の履修者が英訳テクストを訳読する、という形式ですすめる。精読を旨とする。訳読の他に、授業では毎回、内容要約と内容の検討、討議をおこない理解を深める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:春学期イントロダクション
第11巻第9章の精読・検討・理解討・理解
アリストテレスの基本用語
『自然学』第3巻第1-3章からの抜粋
第2回:第11巻第9章の精読・検討・理解討・理解(続)
可能態、現実態、運動
第3回:第11巻第10章の精読・検討・理解
『自然学』第3巻第4,5,7章からの抜粋
第4回:第11巻第10章の精読・検討・理解(続)
無 限
第5回:第11巻第11章の精読・検討・理解
『自然学』第5巻第1章からの抜粋 変化と運動
第6回:第11巻第12章の精読・検討・理解
『自然学』第5巻第2章からの抜粋 運動
第7回:第12巻第1章の精読・検討・理解
ウーシアー
第8回:第12巻第1章の精読・検討・理解(続)
ウーシアー(続)
第9回:第12巻第2章の精読・検討・理解
変化の原理
第10回:第12巻第3章の精読・検討・理解
質料と形相
第11回:第12巻第4章の精読・検討・理解
反対性
第12回:第12巻第4章の精読・検討・理解(続)
反対性(続)
第13回:第12巻第5章の精読・検討・理解
可能態と現実態
第14回:第12巻第5章の精読・検討・理解(続)
まとめ
可能態と現実態(続)
当学期の学習内容の確認と整理
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2 時間を標準とします。
授業計画にもとづき、次回の授業が対象とする範囲を予習する(訳読を準備し、疑問点、課題点を明確にする)。『形而上学』全体の構成をつねに確認する。
テキスト(教科書)Textbooks
1. Aristotle’Metaphysics, A Revised Text with Introduction and Commentary by W.Ross,volume II, Oxford at the Clarendon Press,1924.(ギリシア語原典訳読用)
2. Aristoteis Metaphysica, Recognovit Breviqve Adnotatione Critica Instravxit
W.Jaeger,Oxford Classical Texts, 1957.(ギリシア語原典訳読用)
3. The Works of Aristotle translated into English under the Editorship of Sir David Ross, volume viii Metephysica, second Edition, Oxford at the Clarendon Press,1928.(英訳読用 出席者にはコピーを配布する。)
参考書References
出隆訳『形而上学』(岩波文庫上・下 第11 巻以下は下巻に収録)。その他は、適宜、紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
「到達目標」に記した内容理解度、毎回の英語訳の完成度、討論への貢献度、まとめのレポート内容、によって評価する(各25%ずつ)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
可能なかぎり最新研究の情報をも履修者と共有したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
な し
その他の重要事項Others
古代哲学史特殊講義2(秋学期)と併せて履修することが望ましい。
担当教員の専門分野等
<専門領域> ソクラテス、プラトンを中心とする古代ギリシア哲学
<研究テーマ> 現在の持続的テーマはプラトンの政治哲学である。
<主要研究業績>「正しい人の快楽―プラトン『国家』第九巻における快楽論の意味―」(『法政大学文学部紀要』第48 号 2003 年)
「プラトンの人間観―『国家』における国家と人間の類型論を中心に―」(『プラトニズムにおける人間観の変遷』平成14~17 年度科学研
究費補助金(基盤研究(B)(1))研究成果報告書 所収 2006 年)「自然と人間―プラトンの自然思想から」(共編著『自然と人間』梓出版社 2006 年 所収)「哲人王の行方」(日本西洋古典学会編『西洋古典学研究』第59 号 岩波書店 2011 年)「哲人王の行方」補説」(『西洋古典研究会論集』第21 号 2012 年)「最善の国家と次善の国家―プラトン『法律』708E-712B,739A-E,875-C-D ー」(『法政大学文学部紀要』第80 号2020 年)