文学部Faculty of Letters
PSY200BG(心理学 / Psychology 200)認知科学特講認知科学特講
田嶋 圭一Keiichi TAJIMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A3662 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火2/Tue.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
People can learn to talk by the time they are 3-4 years old, but learning to read and write takes more time and effort. Meanwhile, building computers that can talk as fluently as people has been and continues to be a challenge. Why is this? This course addresses these questions by introducing students to the cognitive processes underlying the use of spoken language. Students will learn about how spoken language is produced and perceived, what physical characteristics spoken language have, and how it is processed by adults, children, and non-native speakers.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
人間は言語を「話す」または「聞く」能力を3-4歳までにある程度習得しますが,「読む」または「書く」能力はより時間と労力を要します。また,人間同様に流暢に会話ができるコンピュータは未だ完成していません。これはなぜでしょう? 本授業ではこのような疑問を出発点に,話し言葉の認知処理過程について学びます。具体的には,音声言語の発話と知覚の仕組み,音声の物理的な特徴,乳幼児による母国語の知覚能力の発達,成人による外国語音声の学習などについて,音声科学,音響学,心理学といった分野の知見を学びます。
到達目標Goal
話し言葉が話し手にどのように産出され,音としてどのような特徴を持ち,聞き手にどのように知覚されるのかについて,説明できるようになることが目標です。音声分析ソフトを使って話し言葉の特徴を分析できるようになることも目標です。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は基本的に講義形式で行いますが,適宜視聴覚教材・ミニ実験・動画などを盛り込む予定です。また,授業中に個別あるいはグループで課題に取り組んだり,コメントシートを作成したりする時間も取り入れる予定です。さらに,音声分析ソフトPraatを使った演習も実施する予定です。課題に関するフィードバックを授業中または学習支援システムを利用して返します。また,学生からの質問やコメントのいくつかを,次回の授業スライドの末尾に回答と共に掲載します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:導入
シラバスの説明,コミュニケーションの手段,音声言語と文字言語,「言葉の鎖」
第2回:音声とは
音声の確実性と速さ,音声産出のメカニズム,母音と子音
第3回:音響音声学の基礎(1)
音の正体,音の種類,音を可視化する方法,音声のデジタル化
第4回:音声の音響分析
Praatを使った音声の録音・可視化・編集・分析
第5回:音響音声学の基礎(2)
フィルタ,音声産出の音源フィルタ理論,基本周波数,フォルマント周波数
第6回:母音の知覚
分節音とプロソディ―,聴覚器官,母音の特徴と知覚,母音の正規化
第7回:子音の知覚(1)
音響的不変性の欠如,ローカス理論,音声の符号化
第8回:音声の再合成
Praatを使った音声の録音・分析・再合成
第9回:子音の知覚(2),カテゴリー知覚
調音点の知覚,声の有無の知覚,カテゴリー知覚とは,同定と弁別
第10回:音声知覚の実験
Praatを使った同定課題と弁別課題の演習
第11回:音声知覚の発達
生得と学習,乳児の音声知覚,満1歳までに起こる変化
第12回:外国語の音声知覚
成人でも外国語が聞き取れるようになるか,知覚と産出との関係,外国語音の知覚的同化
第13回:文脈の影響
トップダウン処理とボトムアップ処理,音声知覚と単語認知のモデル
第14回:音声と社会的認知,総括
話し方と対人認知の関係,授業のまとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業にて指示されたテキストの範囲を読み,課題に取り組み,次の授業までに学習支援システムで回答を提出すること。また,音声分析用フリーソフトPraatを使った課題を学期中に数回課すので,課題を行い成果を提出すること。
テキスト(教科書)Textbooks
以下の本を授業で参照したり,関係する章を宿題として読んでもらったります。該当部分を学習支援システムにアップしますので,各自保存・印刷してください。
ジャック・ライアルズ(著),今富摂子他(訳)(2003).音声知覚の基礎 海文堂.
参考書References
音声科学,言語心理学などの入門書として,以下を挙げておきます。
北原真冬・田嶋圭一・田中邦佳(2017).音声学を学ぶ人のためのPraat入門 ひつじ書房.
石川圭一(2005).ことばと心理 くろしお出版.
針生悦子(編)(2005).朝倉心理学講座5 言語心理学 朝倉書房.
廣谷定男(編著)(2017).聞くと話すの脳科学 コロナ社.
川崎恵里子(編著)(2005).ことばの実験室 ブレーン出版.
森 敏昭(編著)(2001).おもしろ言語のラボラトリー 北大路書房.
重野 純(2003)「音の世界の心理学」ナカニシヤ出版.
ダニー・スタインバーグ(著),竹中龍範,山田純(訳)(1995)「心理言語学への招待」大修館書店.
Denes, P. & Pinson, E. (1993). The Speech Chain: The Physics and Biology of Spoken Language, W H Freeman & Co.
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点・一般課題30%,Praat課題30%,期末レポート40%の割合で評価する予定です。原則として,授業を4回を超えて欠席した場合,期末レポートの提出がなかった場合,あるいはPraat課題の提出がなかった場合は,単位が授与されないものとします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
2020年度は授業改善アンケートが実施されませんでしたので,2019年度のアンケート結果に基づいた気づきを以下に記します。
受講者が例年より少なかったですが,そのぶん受講者の理解度に合わせて授業を進められたように思います。「積極的な工夫がされていた」「受講してよかった」については100%の人が,「理解できた」については75%の人が「5」または「4」と回答してくれました。授業内容が難しかったため,理解度が不十分と感じた人がいたのかも知れません。授業外学習については,「週30分—1時間」が1名,「週1-2時間」が1名,「週2-3時間」が2名いました。「授業中のグループワークや課題が理解度のチェックになった」「学べたことが多い良い授業でした」といった肯定的なコメントもありましたが,「エチュードの課題提出ページがギリギリまで上がっていないことがあった」といった改善点の指摘もいただきました。以後気を付けたいと思います。
その他の重要事項Others
授業の内容や運営方法の詳細について説明しますので,受講希望者は初回の授業に必ず出席してください。