文学部Faculty of Letters
PHL400BB(哲学 / Philosophy 400)哲学演習(7)哲学演習(7)
西塚 俊太Shunta NISHIZUKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2236 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The aim of this course is to acquire an understanding of Japanese philosophy through reading thoroughly "Kojiki" and "Ethics" by Watsuji Tetsuro . By the end of this course, students should be able to fully grasp the background of Japanese thought in modern times.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
『古事記』(春学期)と和辻哲郎『倫理学』(秋学期)を読み進めることを通じて、日本思想の一端を把握していく。特に、日本近代において一体何が問われていたのか、日本の近代性とは一体いかなるものであったのか、などの点に関する理解を目指していく。
到達目標Goal
・日本古典と日本近代哲学のテキストの双方を読み解くことが出来る。
・哲学的思索や考察内容を自身の言葉として語ることが出来る。
・議論を通じて、自身の思考内容を深めることが出来る。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
(1)受講者全員に『古事記』(春学期)と和辻哲郎『倫理学』(秋学期)の担当箇所を割り当てる。
(2)担当者は該当箇所に関するレジュメを作成し、講義で発表をする。
(3)その発表に基づいて、テキスト解釈について参加者全員で議論する。
(4)演習の開始時に、前回の討論の論点を講評することを通じてフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
通年
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:演習の実施方法
原典を読む技法の伝達
演習の実施方法についての説明
第2回:参考文献の検索方法
論文形式の文章の作成技法
哲学的な論文を作成する際の技法の伝達
第3回:『古事記』「上つ巻」の「神生み」まで
『古事記』(新潮日本古典集成)の「神生み」まで
pp.17-33(以下、ページ数は新潮日本古典集成版)
第4回:「上つ巻」火の神生みから三貴子の誕生まで
火の神の誕生から三貴子の誕生までの範囲
pp.34-44の一行目まで
第5回:須佐之男命について
須佐之男命について言及されている箇所の考察
pp.44-58の4行目まで
第6回:大国主神について
大国主神の事績についての検討
pp.58-77の5行目まで
第7回:中つ国へのことむけ
高天原から中つ国へのことむけの開始の出来事の確認
pp.77-88の5行目まで
第8回:「上つ巻」のまとめ
天孫降臨神話
「上つ巻」のまとめとしての天孫降臨神話の考察
pp.88-107
第9回:「中つ巻」の開始
東征の開始から崇神天皇まで
「中つ巻」の開始にまつわる戦の数々の検討
pp.108-140の後ろから2行目まで
第10回:垂仁天皇・景行天皇
天皇として「求められる」存在であること、
倭建命の死と「英雄」であること
pp.140-173の7行目まで
第11回:成務天皇・仲哀天皇・応神天皇
「中つ巻」のまとめ
「中つ巻」のまとめ
「聖」性とは何かという点についての考察
pp.173-203
第12回:「下つ巻」の開始
仁徳天皇から反正天皇まで
「聖帝」と呼ばれることの意味について
pp.204-225の後ろから6行目まで
第13回:允恭天皇・安康天皇
天皇と「ならない」こと、殺害される天皇
pp.225-239の後ろから3行目まで
第14回:「下つ巻」のまとめ
雄略天皇から推古天皇まで
一言主神とはいかなる神か
語られない天皇とはいかなる天皇か(継体天皇)
pp.239-271
秋学期
第1回:和辻哲郎『倫理学』の企図
和辻哲郎『倫理学』に関する概要の説明
第2回:和辻哲郎『倫理学(一)』「人間のとしての倫理学の意義」
「世の中」かつ「人」としての「人間」についての考察
pp.19-29の後ろから1行目まで(以下、ページ数は和辻哲郎『倫理学(一)』(岩波文庫)による)
第3回:人間として「存在」することの意味
倫理学と人間の存在の関係についての考察
pp.29-47
第4回:和辻倫理学の方法論
和辻倫理学の独特の方法論についての考察
pp.48-61の3行目
第5回:西洋哲学との対比
カントの哲学・倫理学思想との対比
pp.61-74
第6回:考察の出発点の確認
考察の出発点としての「日常的事実」の重視
pp.75-90
第7回:「個人として」あること
「個人」としての存在のあり方についての検討
pp.91-113の3行目まで
第8回:「個人的あり方」の問題
人間を「個人」として捉えることの問題性について
pp.113-133
第9回:人間の「全体的契機」
人間が有する「全体的側面」についての考察
pp.134-153
第10回:和辻倫理学の「否定性」
和辻倫理学の「否定」の論理の導入についての検討
pp.154-165の7行目まで
第11回:「否定」の論理の根本的性格
「否定」の論理が和辻倫理学においていかなる効果を発揮しているか
pp.165-180
第12回:倫理学の根本へ
倫理学の根本の探究へ向かうにあたって、まずは西洋思想を確認する
pp.181-201の8行目まで
第13回:「自由」と「否定性」の関係
和辻倫理学においていかなる形で「自由」が語り得るのかについて
pp.201-217
第14回:私的・公共的
私的あり方と公共的あり方の関係性についての検討
pp.219-233
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の該当箇所を熟読した上で講義に参加することが必須である。
特に、発表担当者は担当箇所を幾度も綿密に読み込んだ上でレジュメを作成することが強く求められる。
本演習の準備・復習時間は、各4時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
春学期:『古事記』(新潮日本古典集成版)
教科書として指定してあるので、参加者は各自で必ず入手した上で演習に参加すること。
秋学期:和辻哲郎『倫理学(一)』(岩波文庫、2007年以降の版)教科書指定しておくので、参加者は各自必ず入手した上で参加すること。
参考書References
まずは参考書などを参照せず、原典そのものにあたって入念に読み込むことが先決である。そこで理解しきれなかった点を、講義内の議論を通じて深めていくことになる。
参考文献は講義内で適宜指示していくことになるが、まずは図書館を積極的に利用し文献検索に慣れることが重要である。論文の検索については、この演習を通じてCiNiiの利用に慣れていくこと。
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表担当時の発表内容(レジュメの水準を含む)(50%)と、講義内での発言や講義への参加姿勢(30%)と、学期末レポート(20%)によって評価する。
講義においては毎回の発言・質問を「必須」として求めるので、事前学習として事前に該当箇所を読み込んだ上で講義に出席することが必要である。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
発表時間と討論時間の配分がうまく機能するように調整を心がけたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
発表担当の際には必ずレジュメを作成し配布すること。
パワーポイントを使用する場合においても、議論を展開しやすいように重要箇所はなるべく文章形式を採用すること。
パワーポイントの使用を希望する際には、前の週までに講義担当教員にその旨を連絡すること。
担当教員の専門分野等
<専門領域>日本近代哲学・日本思想史
<研究テーマ>京都学派を中心とした日本近代哲学の研究、ならびに日本思想史(神・儒・仏・物語・武士道など)の研究
<主要研究業績>
①「「ひと」であること、「私」であること―三木清の「哲学的人間学」をめぐって―」(『日本倫理思想論究 第2号』、2014)
②『科学技術の倫理学Ⅱ』(勢力尚雅 編共著、2015)
③「『三河物語』における譜代意識の根底―「慈悲」と「情」と「武辺」との関係から―」(『倫理学紀要第24輯』、2017)