文学部Faculty of Letters
PHL400BB(哲学 / Philosophy 400)哲学演習(5)哲学演習(5)
笠原 賢介Kensuke KASAHARA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2234 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
Seminar on Nietzsche's Philosophy. Key words: The Gay Science, Thus Spoke Zarathustra; Diverse interpretations on Nietzsche' thought, Nietzsche's influence to modern thoughts, Nietzsche's confrontation with the western philosophical tadition.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
不確実な今の時代を考え、生きてゆくうえで見落とすことのできない哲学者ニーチェを取り上げます。
前年度に引き続き、ニーチェ哲学のエッセンスが詰まった断章集『悦ばしき知恵』を読みます。同じ時期に書かれた『ツァラトゥストラ』との関係、ニーチェ哲学の現代哲学・思想・芸術への影響、哲学の伝統との関係にもふれてゆきます。
一般に流布されたニーチェについての既成観念を取り払って、ニーチェの言葉に直接耳を傾け、対話・討論することを目指します。
到達目標Goal
ニーチェのテクストに直接触れ、討論を通して、ニーチェ哲学についての理解を深める。一般に流布されたニーチェ像を越えて、ニーチェ哲学の現代的な意義、魅力、問題点を各人の目でとらえ、討議する。現代哲学・思想、芸術に与えた影響、哲学の伝統との関係、ニーチェの時代のコンテクストをとらえる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
はじめに『悦ばしき知恵』のいくつかの断章でニーチェの考え方の特徴を確認した後、授業計画に示したテーマごとに断章を選んで読み進めます。
テクストは『愉しい学問』(森一郎訳)講談社学術文庫を用います。
毎回、取り上げるテーマと報告者を決めて進めてゆきます。報告者は、レジュメを作成し、担当箇所を解きほぐして、問題点や疑問点を提起します。討論を通して、複数の視点から内容への理解を深めるという形で進めます。
リアクション・ペーパーにおける良いコメントは授業内で紹介し、討論に生かします。課題の提出・フィードバックは「学習支援システム」を通して行う予定です。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
通年
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス
ゼミの進め方について。ねらい。ニーチェと『悦ばしき知恵』についての導入的な話。
第2回:さまざまなニーチェ像・ニーチェ理解
参加者のニーチェについての理解を出し合いながら、ニーチェ像の多様性を確認し、今後の読み進めの方向性を探ります。以下の進度は、おおよその目安です。
第3回:『悦ばしき知恵』(1)
ニーチェの言葉の魅力
『悦ばしき知恵』の読みやすい断章を取り上げ、ニーチェの言葉の魅力をとらえます。
第4回:『悦ばしき知恵』(2)
ニーチェの言葉の魅力
引き続き『悦ばしき知恵』の読みやすい断章を取り上げ、ニーチェの言葉の魅力をとらえます。
第5回:『悦ばしき知恵』(3)
〈考えること〉と〈生きること〉
ニーチェがなぜ断章という表現形式で書いたのか、そこにはどのような哲学が潜んでいるのかを考えます。
第6回:『悦ばしき知恵』(4)〈考えること〉と〈生きること〉
引き続き断章という表現形式を採用したニーチェの考え方、哲学を探ります。
第7回:『悦ばしき知恵』(5)
〈知ること〉〈真理〉〈学問/科学〉をめぐって
〈知ること〉〈真理〉〈学問/科学〉をめぐる断章を取り上げ、〈遠近法〉というニーチェの考えを検討します。
第8回:『悦ばしき知恵』(6)〈知ること〉〈真理〉〈学問/科学〉をめぐって
引き続き〈知ること〉〈真理〉〈学問〉をめぐる断章を取り上げ、〈系譜学〉というニーチェの考えを検討します。
第9回:『悦ばしき知恵』(7)
ニーチェと西洋哲学の伝統
ニーチェが〈真理〉をめぐる西洋哲学の伝統とどのように対決したのか、関連する断章を取り上げて考えます。
第10回:『悦ばしき知恵』(8)
ニーチェと西洋哲学の伝統
ニーチェは、哲学の伝統を全否定しているのではなく、多面的に見ていることをプラトン、デカルトを論じた断章によって確認します。
第11回:『悦ばしき知恵』(9)
〈神の死〉をめぐって
〈神の死〉が語られた断章を取り上げ、その意味を考えます。
第12回:『悦ばしき知恵』(10)〈神の死〉をめぐって
引き続き〈神の死〉が語られた断章を取り上げ、その意味を考えます。
第13回:『悦ばしき知恵』(11)
ニーチェと相対主義、ニヒリズムの問題
これまで取り上げたテーマを踏まえて、ニーチェは相対主義者、ニヒリストなのかを討論します。
第14回:春学期のまとめ
期末レポートの執筆を見すえながら、春学期に取り組んだ内容を振り返り、討論とまとめをおこないます。春学期レポート課題の提示。
秋学期
第15回:春学期のふりかえりと秋学期の展望
春学期の内容を整理し、秋学期の内容を展望します。配布のプリントによって討議します。
第16回:『悦ばしき知恵』(12)
〈行動〉と〈運命愛〉
〈行動〉〈運命愛〉〈愛〉が語られた断章を取り上げ、考えます。
第17回:『悦ばしき知恵』(13)〈行動〉と〈運命愛〉
引き続き〈行動〉〈運命愛〉〈愛〉が語られた断章を取り上げ、掘り下げます。
第18回:レポートに基づく発表(1)
春学期のレポートのいくつかについて、執筆者が発表をし、皆で討議します。
第19回:レポートに基づく発表
(2)
春学期のレポートのいくつかについて、執筆者が発表をし、皆で討議します。
第20回:『悦ばしき知恵』(14)〈時間〉〈瞬間〉をめぐって
〈時間〉〈瞬間〉をめぐる思索が示された断章を取り上げ、『ツァラトゥストラ』と関連させて考えます。
第21回:『悦ばしき知恵』(15)〈時間〉〈瞬間〉をめぐって
引き続き〈時間〉〈瞬間〉をめぐる思索が示された断章を取り上げ、『ツァラトゥストラ』と関連させて考えます。
第22回:卒業論文の中間発表(1)
卒論執筆予定者が内容の要点を発表し、質疑応答と討議をおこないます。
第23回:卒業論文の中間発表(2)
卒論執筆予定者が内容の要点を発表し、質疑応答と討議をおこないます。
第24回:『悦ばしき知恵』(16)〈芸術〉/〈制作〉をめぐって
ニーチェの〈芸術〉観が示された断章を取り上げ、その内容をとらえます。
第25回:『悦ばしき知恵』(17)〈芸術〉/〈制作〉をめぐって
ニーチェの〈芸術〉観が示された断章を取り上げ、一年間で明らかになったこととの関連を考えます。
第26回:『悦ばしき知恵』(18)〈音楽〉をめぐって
〈音楽〉を論じた断章を取り上げ、その哲学的意味を考えます。
第27回:哲学者たちのニーチェ理解
ヤスパース、ハイデガー、ピヒトのニーチェ解釈を示して、これまでに学んだ内容と関連させて考えます。
第28回:全体のまとめ。
期末レポートの執筆を見すえながら、今年度に取り組んだ内容をふりかえり、まとめをおこないます。秋学期レポート課題の提示。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
取り上げる断章をあらかじめ読んでゼミにのぞむこと。各回の担当者は、担当箇所についてプリントをあらかじめ作成すること。補いの資料を配布した場合には、それを読んでポイントを確認すること。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
ニーチェ(森一郎訳)『愉しい学問』講談社学術文庫。
参考書References
青木隆嘉『ニーチェを学ぶ人のために』世界思想社。渡邊二郎他編『ニーチェを知る事典』ちくま学芸文庫。ニーチェ(氷上英廣訳)『ツァラトゥストラはこう言った(上)・(下)』岩波文庫。ピヒト(青木隆嘉訳)『ニーチェ』法政大学出版局。氷上英廣『ニーチェの顔』岩波文庫。柏原啓一『総合人間学』日本放送出版協会。笠原賢介「ニーチェとプラトン」『法政大学文学部紀要』第79号。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(討論・質疑応答への参加、発表、リアクション・ペーパー)とレポート(春学期末、秋学期末それぞれ一回)によって、到達目標を基準にして評価します(平常点50%、レポート50%)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
報告、質疑応答、討論に積極的に参加してほしい。リアクション・ペーパーへの記入を積極的におこない、活用してほしい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
Zoomで接続可能な機器が必要である。