社会学研究科Graduate School of Sociology
SOC500E1-2217(社会学 / Sociology 500)メディア研究実習2Methods of Media Studies2
北原 利行
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 社会学研究科Graduate School of Sociology |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | X6029 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木7/Thu.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 2022年度以前「調査報道実習2」を修得済みの場合は履修不可 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
Various problems have been pointed out on the Internet, such as fake news, flames, defamation, slander, etc. On the other hand, people's information intake behavior is increasingly shifting to the Internet. As a result, the status of the old mass media (newspapers, broadcasting, publishing, movies, etc.) seems to be declining relatively, while SNS and various other media and services on the Internet are flourishing. On the other hand, mass media outlets continue to be the main providers of news, and a variety of program content is provided by broadcasting and film. It has become difficult to capture various media and communication events with the traditional media-independent approach. Furthermore, the Internet has dismantled the traditional vertically integrated media structure, and the concept of media has changed as it can now be accessed through a single platform, the Internet. The old concept of media has become fluid, and content itself can now be viewed as media. Traditional senders and receivers are becoming relative and there is no longer a fixed and clear division between them. This lecture will reevaluate the social functions of media and communication, and discuss the state of media, communication, and content, including the business structure that supports them, as well as analytical methods and solutions to various communication problems occurring in contemporary society. The lecture will discuss analytical methods and solutions to the various communication problems that arise in today's society. In particular, we aim to acquire a critical perspective that enables us to discuss the relationship between mass media and social media from both perspectives.
[Learning activities outside of classroom]
Be proactive and have broad, conscious contact with a number of media outlets, including newspapers and television.
Actively keep abreast of Internet services, etc. In particular, deepen your understanding of current issues through the use of social networking services.
Standard class preparation and review time is 2 hours each. It is more important to review than to preparation.
[Grading Criteria/Policy]
Your overall grade in the class will be decided based on the following
Participation in lectures and assignments 60%
Final report 40%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
インターネット上ではフェイクニュースや炎上、あるいは名誉毀損、誹謗中傷などさまざまな問題が指摘されているが、その一方で人々の情報摂取行動はどんどんインターネットに移行しつつある。その結果、旧来のマスメディア(新聞、放送、出版、映画など)の地位は相対的に低下し、インターネットのSNSやさまざまなメディア、サービスが興隆しているようにも見える。その一方でニュースの提供者はマスメディアの報道機関が主流を占めており、放送や映画からさまざまな番組コンテンツか提供されている。従来のメディアごとに独立したアプローチでメディア、コミュニケーション上のさまざまな事象を捉えることが困難になっている。さらにはインターネットによって従来の垂直統合型のメディア構造が解体され、インターネットという一つのプラットフォームでアクセスできるようになったことでメディアの概念が変わってしまい、旧来のメディアの概念が流動的になり、コンテンツそのものがメディアとして捉えられるようにもなってきている。従来の発信者、受信者は相対化し固定化した明確な区分もなくなりつつある。メディア、コミュニケーションの社会的機能を捉え直し、それを支えるビジネス構造的な視点も含めて、メディアやコミュニケーション、さらにはコンテンツのあり方について考察し、現代社会におけるそれらの上で起きているさまざまなコミュニケーション上の諸問題への分析手法、解決の方策について論じる。特にマスメディアとソーシャルメディアの関係について双方の立場から論じることができるクリティカルな視点の獲得を目指す。
到達目標Goal
メディア、コミュニケーションについての基礎的な理論の習得。メディア、コミュニケーションの全体像の俯瞰、比較のために多種・多様なメディアについての俯瞰や理解、インターネット上のコミュニケーション、ソーシャルメディアなどについての理解、消費者・生活者の情報摂取行動についての基礎的な知識の習得を最初に講義形式で行うその上でマスメディア、インターネット上でのコミュニケーションなどの現状におけるさまざまな諸問題についての分析力および課題解決のための論理的構築できるスキルを習得する。必要に応じて具体的な調査手法や調査実践などについてもとりあげる。また、プレゼンテーションスキルの向上も目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義と演習形式で行う。
講義については、レジュメを配布し、内容に沿って説明し、受講者に対して問題提起し、リアクションについての議論を行うことで、インタラクティブな形式で進行させる。講義が終了した後に復習もかねてリアクションペーパー的な課題を課する予定。
受講者の問題意識をもとに、課題解決のための演習形式を取り入れて、受講者との間でのディスカッションを行い、課題解決のための思考を深めスキルの向上を図る。
授業内容については、受講者の関心領域などに対して柔軟に対応するので、下記の授業計画からの変更の可能性もある。
アクティブラーニングに関しては、途中に設ける予定。
授業形式については対面講義を基本とするブレンド授業形式またはハイフレックス授業形式を想定しているが、受講者の要望、社会環境の変化などに柔軟に対応する。便宜的に講義形式は対面としてあるが、受講生と相談の上形式を決定する。
第一回目の講義に関しては学生の対面参加での可否を確認するためにオンラインで実施する。その結果をもとに二回目以降の講義の仕方について対応を検討する。
課題等に関しては適宜必要に応じて実施するが、フィードバックに関しては講義内もしくは学習システムを通して行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:ガイダンス
受講者の問題関心の確認
メディア、コミュニケーションについての全体像の俯瞰、基礎理論の確認
第2回[対面/face to face]:メディア論
メディア論の基礎、マスメディア論について
第3回[対面/face to face]:コミュニケーション論①
コミュニケーション論の基礎、多種多様なコミュニケーションの形態について
第4回[対面/face to face]:コミュニケーション論②
インターネットを中心としたコミュニケーションの解析
第5回[対面/face to face]:新聞
新聞産業の構造、新聞の受容、ジャーナリズムなどの諸問題について
第6回[対面/face to face]:テレビ・ラジオ
テレビ・ラジオ産業の構造、テレビの受容、視聴率などの諸問題について
第7回[対面/face to face]:出版
出版産業の構造、書籍・雑誌の受容、電子出版などの諸問題について
第8回[対面/face to face]:映画・アニメ、その他
映画産業、アニメ産業の構造、その受容、その他メディアなどの諸問題について
第9回[対面/face to face]:インターネット
インターネットの構造、消費者の情報摂取行動、コミュニケーションの諸相
第10回[対面/face to face]:インターネットサービス、コンテンツ
インターネット上のメディア、サービスを他のメディアとの対比で分析する。インターネット上での諸問題の検討。
第11回[対面/face to face]:ソーシャルメディア
ソーシャルメディアの現状、多のメディア、コミュニケーションとの関係性
第12回[対面/face to face]:コンテンツ
音楽、ゲームなど上記メディアでは捉えきれなかった部分について
第13回[対面/face to face]:演習
受講者の問題意識にそって演習形式で課題の検討を行う。
第14回[対面/face to face]:まとめ
まとめ
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
積極的に、新聞やテレビなどの多くのメディアに幅広く意識的に接触すること。
インターネット上のサービス等についても積極的に把握する。特にSNSの活用を通じて現状の諸問題についての理解を深めておくこと。
講義内容に沿って生じた疑問などを参考書などを中心に予習・復習する。
日常より問題意識を持って、メディア、コミュニケーション上の諸問題について批判的に捉えることで受講者自身が設定した演習課題についての考察を深める。
授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。準備よりも復習に重点を置くこと。
テキスト(教科書)Textbooks
指定した教科書は使用しない。講義の都度レジュメ、資料等を配布する。
参考書References
吉見俊哉『メディア文化論-メディアを学ぶ人のための15話』(有斐閣)、佐藤卓己『メディア社会―現代を読み解く視点』(岩波書店)、 M.マクルーハン『メディア論』(みすず書房),L.レッシグ『REMIX』(翔泳社)、電通メディアイノベーションラボ『情報メディア白書』(ダイヤモンド社)など。
講義内でも関連参考書について紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(講義、課題への参加度) 60%
期末レポート 40%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
アニメーション市場関連についての要望が多い。また既存のメディアとソーシャルメディアの関係についての関心が高い。また、マスメディアについての現状の整理についても一定のニーズが存在している。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
諸連絡、資料配布・課題提出等のために学習支援システムを利用する。
その他の重要事項Others
電通総研、電通コミュニケーションラボにおいて、マスメディア、コミュニケーションについてのリサーチ、コンサルティングなどに従事。それらの経験に基づいて、多角的・俯瞰的に講義を行う。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
メディア、コミュニケーション、広告
<研究テーマ>
マスメディア企業の戦略、企業の広告戦略、広告市場の変遷
<主要研究業績>
「コロナ禍で進んだ新聞のDX──「2020年日本の広告費」から見る動向」、2021年4月、新聞研究
{地方紙が地域課題解決の核にカギは当事者報道にあり}、2017年7月、朝日新聞 Journalism
「2018広告コミュニケーションの総合講座理論とケーススタディー」(共著)、2017年12月、日経広告研究所
「情報メディア白書」(共著)、2007年~、ダイヤモンド社