人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIT500B7（文学 / Literature 500）能と楽劇ⅠNoh and Musizal Performance I
山中 玲子
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X1086 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 木4/Thu.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-関連科目 |
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Outline (in English)
In this class, you will learn how to apply the consideration of staging to the study of Noh works and how to decipher staging materials.
Learning Objectives are:
1)to be able to correctly interpret the content of the noh text,
2)to be able to use old materials on staging as material for researching the work.
3) to understand what "staging" means to Noh as a traditional performing art.
Each student is responsible for collating old chant manuscripts as preparatory work.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
能は700年近い歴史を持つ伝統芸能で、レパートリーもほぼ固定され、演出の決まりも多いが、それでも演者・流儀によりさまざまな演出の工夫があり、すぐれた工夫はそれがまた新たな「決まり」「秘伝」となって伝えられてきた。作品の主題や主人公の人物像をどう解釈するかによって特別の演出が作られている場合もある。この授業では能の作品研究に演出についての考察を活かす方法や、演出資料の解読方法を学ぶ。
到達目標Goal
1）謡曲独特の表現に慣れ、テキストの内容を正しく解釈できるようになる。
2）能の所作や囃子の演奏法など、演出に関する古い資料を読み解き、作品研究の材料として使えるようになる。
3）伝統芸能である能にとって「演出」がどういう意味を持つかを理解する。
4）小書と呼ばれる能の替演出の概要を知る。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
前期は講義を主体とします。能の演出の基本的な考え方や、演出研究に必要な資料の読み方などを、具体的な作品に沿って説明し、授業参加者にも実際に古い資料を読んでもらいながら進めていきます。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：能の概説と能楽研究所の資料紹介
能について学ぶ際の基礎資料、能楽研究所の使い方の紹介。
第2回[対面/face to face]：能演出のバリエーション
能の「演出」とはどういうことか。伝統芸能の決まりの中での工夫について。
第3回[対面/face to face]：演出研究のための資料
演出研究のための基礎文献とその使い方を学ぶ。
第4回[対面/face to face]：《朝長》を読む
《朝長》のテキストを読み、作品の主題や演出のポイントを知る。
第5回[対面/face to face]：《朝長》の小書「懺法」について
《朝長》の小書演出「懺法」の内容や成立過程を知る。
第6回[対面/face to face]：本来の演出が別置されてできた小書
《清経》の「音取」、《安宅》の「延年」など、本来の演出が能の類型化の中で別置されてできた小書について、概観する。
第7回[対面/face to face]：《采女》を読む
能《采女》のテキストを読み、主題と演出のポイントを知る。
第8回[対面/face to face]：《采女》の小書「美奈保之伝」について
《采女》の作品解釈と深く関わる小書「美奈保之伝」の内容と変遷を学ぶ。
第9回[対面/face to face]：観世元章と小書演出
観世元章により能の演出の改革について概観する。
第10回[対面/face to face]：作品解釈と深く関わる小書
元章による小書演出の実例を動画で鑑賞する。
第11回[対面/face to face]：ワークショップ：「型付」を読む①
下間少進の『童舞抄』を読んでみる。型付に共通の用語や個々の資料に特有の用語を知る。
第12回[対面/face to face]：ワークショップ：「型付」を読む②
『宗節仕舞付』を読んでみる。型付に共通の用語や個々の資料に特有の用語を知る。
第13回[対面/face to face]：ワークショップ：「囃子伝書」を読む
鼓伝書や笛伝書を読み、特有の用語を知る。
第14回[対面/face to face]：まとめ
前期のまとめとしてのミニ発表
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
謡本の古写本や演出資料の解読などは、各自がおこなったうえで授業に参加してもらうことになるので、能楽研究所の閲覧室等での自習時間は多くなるはずです。
テキスト（教科書）Textbooks
使わない
参考書References
横道萬里雄『能にも演出がある 小書演出・新演出など』（2007年檜書店）
横道萬里雄・山中玲子・松本雍『能を面白く見せる工夫 小書演出の歴史と諸相』（）（2009年檜書店）
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業内での発言や授業への貢献度（40％）、ワークショップ及びミニ発表（60％）
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
今年度の授業は、前年度から参加している学生たちの希望によって決めました。現代の能を彩る「小書」や能演出の基本を押さえ、作品研究と結びつけたいというのが彼らの希望でしたので、それに添うように組み立てていきます。できれば前期後期続けて受講していただきたいと考えています。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞中世文学 能楽研究
＜研究テーマ＞能の作品研究・演出研究
＜主要研究業績＞
・「修羅能以前の『平家の能』―〈経盛〉の再検討を通して―」、『無常の鐘声 平家物語』（松尾葦江編、花鳥社、2020.7）、pp.213-229
・「〈二人静〉―音阿弥の演出・元章の解釈」、『観世』 85巻3号、檜書店、2018.3、pp.28-35
・ 「『御世話筋秘曲』の解読と復元の記録」、『能楽研究』 41、法政大学能楽研究所、2017.3、pp.91-112
・ 「能の「習事」と番組上の小字注記―「小書」という語の意味するところ―」、『能楽研究』 40、能楽研究所、2016.3、pp.135-160
・ 「能〈通小町〉遡源」、『国語と国文学』 93巻3号、東京大学国語国文学会、2016.3、pp.3-16