法学部Faculty of Law
POL200AC環境政策環境政策
上岡 直見Naomi KAMIOKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0530 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他/intensive・other courses |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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Outline (in English)
[Course Outline]
This course introduces the common thinking process and examples on environmental issues. Although there is no single correct solution for any environmental issue, the common thinking process will be applicable. To realize an environmental policy, it will be required to allocate human resources and budget for the tasks, and to predict and evaluate the effects. As the scope of environmental issue is very wide, it is not possible to cover all themes due to limitation of time. Energy and pollution issues will be taken up mainly. In addition, COVID-19 and infectious transmission simulations will be introduced as hot issue.
[Learning objectives]
The goals of this course are to understand the common thinking process to realize environmental policy, (1) identify the problem to be solved, (2) setting a goal, and (3) planning how to achieve it.
[Learning activities outside of classroom]
After each on-line session, students will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text.
[Grading Criteria /Policies]
Final grade will be calculated according to the following process: Short reports for every session 70%, 2 reports (mid-term and term-end) 30%. No examination will be scheduled.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現実社会の中で法律的・政治的な考え方や評価を求められる分野は多岐にわたりますが、環境の分野においては物理現象を対象にします。これは刑法・民法・商法等とは異なる点です。法令・判例・事例を知るだけでは具体的なイメージが把握できません。どの「政策」でも唯一の正解はありませんが、(1)解決すべき課題を認識し、(2)目標を設定し、(3)それをどのように達成するかを考える過程は共通です。法曹・公務員・企業などいずれの道に進んでもこの過程で改めて勉強が求められます。課題に対して、資源すなわちヒト・モノ・カネを割り当て、効果の予測と評価を行う過程が必要です。環境問題を現象面と数量面で捉え、誰が・何を・どれだけすればよいのかを考えます。環境問題は対象が広いため全部のテーマは取り上げられませんが「環境政策」ではエネルギー・地球温暖化等を取り上げます。また時事問題として感染症やデマの伝播シミュレーション等も取り上げます。学習支援システム"教材"でテキスト"環境政策資料_2022年版"を提供しているので、履修を検討している人は参考にして下さい。
到達目標Goal
(1)環境問題はなぜ起きるのか、感覚や風説ではなく物理的な現象としてメカニズムを把握する考え方を習得する。
(2)政策の立案・評価を数字を用いて検討する手法を習得する。また広くは環境問題にかぎらず数字を通じた客観的・論理的な考え方に親しむ。
(3)エネルギー・放射線・大気汚染・騒音・道路政策等の基本的な知識を理解する。
(4)問題の基本的な構造を理解した後、応用問題について自分で結果を導く手法を習得し、環境問題に限らず広くビジネス全般にも応用できる手法を知る。
(5)メディア等で提供される情報を一方的に受け取るだけでなく、多くの情報の中から要点を整理し自分なりの考え方を構築できる考え方を習得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
多人数が予想されるため大学の授業方針により「オンデマンド方式」で実施します。本来の時間割に合わせてその週の学習内容を動画等で解説します。テキストを参考にして学習後、学習支援システムの「テスト/アンケート機能」を使用して、理解したこと・コメント・質問等を返して下さい(リアクションペーパーに相当)。それにより参加の確認とします。(※毎回、翌週水曜日までを期限とします。忘れないように提出して下さい)コメント・質問等に対しては、次回以降に個別または要約・抜粋して回答あるいは補足の説明を行います。基本的にシラバスの順序で実施しますが、社会情勢の変化や注目される訴訟・判決などの状況により随時変更することがあります。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:はじめに/新型コロナⅠ─シミュレーションと社会
ガイダンス/この科目の目的として現象を数字で捉える考え方を紹介する。現象を数字で捉えることによる論理的な判断。感染症の侵入を広義の環境問題として取り上げる。(演習:ある都市に感染症が侵入した場合の拡大のシミュレーションと対策効果の試算)
2[オンライン/online]:新型コロナⅡ─感染症と社会・経済
新型コロナに関して「命か経済か」という議論が行われた。いずれも一方的に断定できないが、そのバランスをどう考えたらよいのか。新型コロナに関して発生したさまざまな影響を整理して考える。
3[オンライン/online]:危険・安全とは何か
厚労省のサイトでは新型コロナワクチンの接種について「予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で」と記載されているが、ワクチンに限らずそもそも「安全・危険」とは何か、客観的な指標はあるのか、数字で評価する考え方や方法を紹介する。
4[オンライン/online]:「正しい情報」とは何か/環境問題で取り扱う数字
環境に関する数値の単位や換算について考え方や取り扱いに慣れる。(演習: 大きな(あるいは小さな)数の計算、単位の換算、データとその解釈の関連)
5[オンライン/online]:経済・社会システムと環境のかかわり/さまざまな経済・雇用効果
環境にかかわる現象は、人間の経済の活動の結果としてあらわれるものであり環境を直接コントロールする政策は存在しない。環境をコントロールするのは経済政策であることを説明。(演習:日常の消費が誘発する環境負荷、エネルギー需給の将来予測など)
6[オンライン/online]:東京オリンピック(中止の場合は別の事例)の環境負荷
東京オリンピックを例に、大規模プロジェクと環境負荷の関係、それがもたらす健康被害等について考える。(演習:オリンピックの準備・開催に伴う環境負荷の発生とその影響について)
7[オンライン/online]:地球温暖化のメカニズム
宇宙における地球の位置づけ、地球の大気の温度はどのように決まっているか、温暖化のメカニズムについて考える。(演習:地球の熱バランスと大気の温度に関する試算)
8[オンライン/online]:原発や放射線の基礎情報/放射線被曝について
放射線の被曝はどのように計算・評価したらよいか。放射線は人間にどのように到達するか。法令や制度・基準によって被曝はどのように影響されるか。(演習:空気や食品を通じた一般消費者の被曝を計算してみる)
9[オンライン/online]:大気汚染物質や放射性物質の拡散と人間への到達
放射性物質や大気汚染物質について発生源から人間への到達はどのような要因によって左右されるか。(演習:発生源からの拡散について簡略化した例題により概要を理解する)
10[オンライン/online]:発電・送電・停電
電気の需要・供給は「発電」だけではなく送電のシステムと併せて考える必要がある。電気はどのように発電し送電されてくるか。停電とはどういうことか、停電を防ぐための取り組み。北海道大停電(2018年)、関東大停電(2019年)等について。(演習:電力需給に関する試算)
11[オンライン/online]:電力の費用について考える
電力の価格(電力料金)はどのように決まっているのか、「真のコスト」とは何かを考える。原子力事故の損害賠償についての法的側面についても考える。(演習:発電コストはどのように計算されるのか。また事故リスクコストを考慮した電力価格について試算)
12[オンライン/online]:環境インパクト/「環境に優しい」とは何か/ライフサイクルアセスメント
物質の有害性に関する考え方を紹介。「環境に優しい」とはどのように評価すべきか。「水素社会」は本当にクリーンなエネルギー体系か。 (演習:電気自動車やバイオ燃料に関する評価)
13[オンライン/online]:エネルギー体系の概観と将来/「脱炭素社会」は可能か
世界や日本で人々はエネルギーをどのように使ってきたか。政府は2050年にCO2ゼロ社会を目指すとしているが、それにはどのような方策があるか、またそれは可能かを考える。
14[オンライン/online]:環境を経済評価する/環境政策の歴史
どのような政策にもメリット・デメリットの両面があるが、それをどのように評価して人々の合意を形成するか。環境政策の評価に係る生命や健康の経済価値の評価、「社会的費用」の考え方(演習:大気汚染の経済損失)また明治期から現在までの環境政策と法律的観点の変化を資料的に紹介する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前にテキストに目を通しておくことを勧めます。毎回ではありませんが高校数学の範囲で指数・対数を使用する問題があります。(指数と対数の変換ができれば可)ただし課題には計算は要求しないので、高校・受験で数学を放棄した人でも大丈夫です。時間の制約から授業内で演習は実施できないので事後に自分で計算してみることを勧めます。
テキスト(教科書)Textbooks
学習支援システム"教材"でテキスト"環境政策資料_2022年版"を提供しています。
参考書References
指定の参考書はありません。
成績評価の方法と基準Grading criteria
学習支援システムの「テスト/アンケート機能」を利用して、全14回中10回以上の参加コメント(教室授業のリアクションペーパーに相当)と、春学期中間および終了時の課題2回の提出を単位の条件とします。指示があった時にテキストに基づく課題を提出(「テスト/アンケート機能」を利用)して下さい。評価の配分は、各回授業の参加 70%・課題2回合計 30%とします。なお参加の条件を満たしても課題を提出しない場合は単位対象外です。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学習の内容だけでなく、私自身の民間企業での経験から、就職活動、就職後の仕事に対する姿勢、対人関係などに関するコメントが参考になったとの感想が多かったので、関連した情報提供も併せて行うようにします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
テキストはスマートフォンやタブレットでも閲覧できますが画面が狭く図表などが見づらいのでPCの使用を推奨します。
その他の重要事項Others
【実務経験】2000年まで企業に所属し化学プラントの設計、安全性解析、運転、環境対策等の実務経験があり、技術士資格(化学部門)を有しています。その応用として環境に関する訴訟の専門家証人として参加経験があります。これらの経験から、法律的な観点に立ちつつも数量的かつ具体的に環境問題を捉え、問題を解決する手順を考える授業を目指しています。
【履修について】履修歴や前提科目は問わず1年生から選択可能です。原則としてシラバスの順序で授業を行いますが、エネルギー・環境・政治・原子力や核の分野では常に新しい事態が生じるため、内容を臨時に変更することがあります。