文学部Faculty of Letters
LIT300BC(文学 / Literature 300)日本文芸批評史A日本文芸批評史A
川鍋 義一Yoshikazu KAWANABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2553 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The aim of this course is to help students acquire Japanese modern literary criticism concerned in novels, poems, politics, and so on.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
批評だの評論だのというものは、一体、なんでしょうか? それは文学原論ともいうべきものであり、表現理論であり、創作理論であり、読者の理論であり、作品論・作家論であり、場合によっては社会と人間のあり方を考察する政治論をも射程に入れます。
要するに鷗外の「小説といふものは何をどんな風に書いても好いものだ」をもじって、批評・評論というのは論理的な書き方をしてあれば何を書いてもよいものなのです。
ところが狭い意味での論理性などを無視した批評というのもあって、それが人の心を強く打つものだったりする。そうなると批評ってなんだと考えてみても、もう訳がわかりませんね。困ったものだ。
ということでこの授業では、たとえば「論理性って文学に必要なのか?」ということを小林秀雄に聞いてみましょう。「文学って自分の体験したこともないことを描けるのか?」ということを有島武郎と一緒に考えてみましょう。「文学は現実を写すことができるのか?」、「文学って役に立つのか?」、「文学は現実とどのように切り結ぶべきなのか?」……といろんな批評に聞いてみましょう。
そういった難問に向き合った先輩たちの真摯な態度が批評する態度であり、その著作をヒントにして難問と向き合うわたしたち自身の態度が批評であると言えるかもしれません。授業のテーマはそれらの難問に明確な答えを出すことではなく、わたしたち自身が思考する上でのヒントを得ることです。
上記テーマを達成するためには、近現代日本文学史、表現理論、政治、思想の基本的なことがらについての理解も必要になります。諸君はこれらの問題についても知識を身につけます。
到達目標Goal
上記「授業の概要」の問題意識に沿って、文学とはなにか、表現とはなにかということを、論理的な側面から考えられるようにすることが目標です。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
オンライン(オンデマンド)の講義形式。授業は金曜4限に授業支援システム、Google Classroomなどで公開されます。パワーポイントのファイルなどを視聴し、Google フォームの課題に答える形式で授業は進行します。
文学史上に残る著名な批評を1本読み、まずは作品の読解をし、次に時代(文学史・社会史)背景との関連で作品を理解し、批評史の通史的な観点を持てるようにし、さらに作品から逸脱して、発展的な考察を加えます(近現代文学史になじみのない人も多いでしょうから、そのあたりの導入にも配慮します。心配しないでいいですよ)。これを5講(6作品)で繰り返します。
以上のような形式で進行しますから、まずはテキストの指定箇所を事前に読んできてもらいます。難しい文章も多いけど、読む気のない人は受講しないでください。それが受講の条件です。難解な箇所は解説します。テキストは必ず持参すること。
また、批評の研究ですから、話が理屈っぽくなるのは仕方ない。「理屈なんかカンケーねーよ」という人は受講しないでください。
春学期は『小説神髄』から大正末・昭和初期のいわゆる三派鼎立の状況(主に新感覚派)まで。
各回、Googleフォームで課題に答えてもらいます。締め切り後、受講生の回答をまとめて公開し、受講生同士で共有します(氏名などは伏せます)。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンスと予備知識
授業進行の説明と近代文学史理解のための予備知識
第2回:近代文学の始まり
坪内逍遙「小説神髄」(抄):近代文学の言語
第3回:近代文学の始まり
坪内逍遙「小説神髄」(抄):近代文学の内容
第4回:文学と人生
北村透谷「人生に相渉るとは何の謂ぞ」:時代背景
第5回:文学と人生
北村透谷「人生に相渉るとは何の謂ぞ」:読解
第6回:文学と人生
北村透谷「人生に相渉るとは何の謂ぞ」:発展的考察
第7回:自然主義
文学は現実を描き得るか 田山花袋「露骨なる描写」:リアリズムとはなにか
第8回:自然主義
文学は現実を描き得るか 田山花袋「露骨なる描写」:発展的考察
第9回:白樺派
文学は何を描き得るか 有島武郎「宣言一つ」武者小路実篤「新しき村に就て」:文学史的背景
第10回:白樺派
文学は何を描き得るか 有島武郎「宣言一つ」武者小路実篤「新しき村に就て」:有島の文学理論
第11回:白樺派
文学は何を描き得るか 有島武郎「宣言一つ」武者小路実篤「新しき村に就て」:体験と文学
第12回:三派鼎立の状況 千葉亀雄「新感覚派の誕生」
文学史的背景
第13回:三派鼎立の状況 千葉亀雄「新感覚派の誕生」
横光利一作品読解および表現理論への発展的考察
第14回:試験まとめと解説
試験まとめと解説
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
テキストの指定箇所は授業前に必ず読んでおくこと。これは受講のための必須の条件であり、これを怠る人には単位を認定しません。
本授業の準備・復習時間は、各1時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
千葉俊二/坪内祐三編『日本近代文学評論選【明治・大正篇】』(岩波文庫)品切れのため、プリントなどでこれに代える。ほかに適宜プリント配布。
参考書References
特になし
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(Google フォームなどを利用した課題)50%、期末のレポート50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
※ 近現代日本文学を専門としない学生の受講も歓迎するため、専門用語には解説をつけることを心がけています。
※ 上にも書いてありますが、この授業はオンライン(オンデマンド)で実施します。授業はそれぞれの曜日時限に、学習支援システム、Google Classroomなどで公開されます。
※ メール(大学のアカウント)は、頻繁にチェックしてください。2020年度は、チェック漏れによる課題未提出などのトラブルが続出しました。そういうことがないようにしましょう。
※ コンピュータ、通信などの問題が生じたとき、教員の使っているそれらの用語を知らないときは、まずググりましょう。
その他の重要事項Others
春学期の明治~大正と、秋学期の昭和とで問題が完結するので、通年での受講を強く推奨します。