通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning)
LAW300TF(法学 / law 300)会社法Corporation Law
教科担当責任者 / Instructor in charge of class:笹久保 徹Toru SASAKUBO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 通信教育部(通信学習)School of Correspondence Education (Correspondence Learning) |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
担当者Instructor name | 笹久保 徹、石井 宏司 |
科目種別Class Type | 通信学習(リポート・試験) |
履修学年Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 経済学部 経済学科 専門教育科目 |
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Outline (in English)
The purpose of this course is to help students understand important and fundamental knowledge of the corporation law.
The goals of this course are to (1) able to obtain basic knowledge about the corporation law, (2) able to explain clauses and systems of the corporation law, (3) able to understand the relationship between the corporation law and our society, (4) able to use the knowledge to solve specific problems.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
【学習の到達目標】Goal
会社法の重要かつ基礎的な知識を習得すること。
① 株式会社および持分会社に関する会社法上の制度の基本を正確に理解すること。
② 上記の知識を活用して、具体的な問題を解決する能力を身につけること。
【この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)】Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
会社法の重要かつ基礎的な知識を習得すること。
① 株式会社および持分会社に関する会社法上の制度の基本を正確に理解すること。
② 上記の知識を活用して、具体的な問題を解決する能力を身につけること。
【授業で使用する言語】Default language used in class
日本語 / Japanese
【科目の概要】Method(s)
株式会社に関する会社法上の基礎知識を学習する。
「会社法」は、2005年(平成17年)に単独法典として成立したものであり、株式会社および持分会社について規定する。それ以前においては、1899年(明治32年)以来、現行商法典の中に株式会社および持分会社に関する多くの規定が存在していた。したがって、会社法が成立する以前に株式会社や持分会社を勉強した人は、株式会社・持分会社に関する規定は、会社法○○条ではなく、商法○○条として記憶している。
会社法において重要かつ基本的なことを述べておこう。
株主になろうとする者が、通常、一定の金額の金銭を出資すると、株式会社に対する請求権の束としての「株式」が生じる。株式を表章する有価証券が株券である。株券を持つ者は、正当に株式を有するということが推定される。正当に株式を有する者を「株主」という。株主は、出資した金銭の集積されたものをうまく運用してその金額を増加させるために「取締役」を選任する。取締役は、①法令・定款・株主総会決議を遵守し、②善管注意義務を尽くし、③忠実義務を遵守しながら、株式会社の経営を行なわなければならない。取締役は会社の経営をうまく行い、剰余金を産出しなければならない。取締役が会社を経営した結果として剰余金を産出した場合、株主は、その剰余金をさらなる出資に当てることもできるし、また、自分たちが受け取り、個人的に消費することもできる。この産出された剰余金のうち、株主が受け取るところの金銭を「配当」という。わが国には、約250万社の株式会社が存在し、その中の約4000社の株式会社の株式のみが金融商品取引所に上場され、常に売買されている。このような株式を上場株式という。上場株式は、多くの場合、その需要供給のバランスから株価が定まる。上場株式を有する株主にとっては、配当が増加すること、および、上場株式の株価が上昇することが、利益となる。
会社法は、比較的、まとまった法体系を規定しており、その意味では、学習しやすい法律ということができる。なお、条文のほかに、判例によって形成された部分も少なからず存在するので、判例法についても十分に注意を払わなければならない。
【成績評価基準】Grading criteria
リポート及び単位修得試験において評価する項目は、記載内容の正確さ、論理的な整合性、リポート・答案の構成、リポートにおける判例・資料・文献の引用である。
最終評価は単位修得試験で評価する。
【テキスト名および詳細】Textbooks
指定市販本: 柴田和史『会社法詳解〔第3版〕』(商事法務、2021年) ¥5,600+税
※第2版(2015年)も使用可能だが、大幅に法改正されているので注意。
【学習指導、注意点等】Work to be done outside of class (preparation, etc.)
通信学習のリポートに添削・講評でフィードバックする。六法等を開いて会社法の条文を参照しつつ、指定したテキスト(柴田和史著『会社法詳解〔第3版〕』(商事法務、2021年))をていねいに読み込むこと。また、電車の中など時間のあるときに、参考図書の柴田和史著『ビジュアル 図でわかる会社法〔第2版〕 (日経文庫)』(日本経済新聞出版社、2021年)を見てほしい。
① 会社法に限らず、およそ商法・民法・会社法・手形法などを学ぶに際しては、必ず条文を参照する習慣をつけること。六法を愛用し、ともかく、六法の必要なページを開く習慣を身につけて欲しい。このようにして物事の根拠となる条文を使いこなす能力を習得していることが、法学部生の最大の長所である。
② 会社法で用いられている基本的な概念を正確に理解すること。たとえば、「株式」とは何か、「忠実義務」とはいかなる義務か、「株式」と「株券」の違いを正確に説明できるか、「吸収合併」と「株式交換」はどこが異なるか、などの基本的理解に関わる問いに答えることができるためには、テキストに述べてある各概念の定義や説明を丁寧に注意深く読むことが必要である。
③ 会社法は、比較的、ほかの法律の知識を必要としないで理解することのできる法律といえる。もちろん、民法における契約や債権債務関係の知識、不法行為に関する知識などは当然の前提として要求される。しかし、もっとも大きな問題は、全文で979条もあり、そのうえ、各条文が長いため、六法のページ数を比較すれば、民法典の約2.5倍の分量があるということである。したがって、会社法に関しては、各条文がどのような内容を規定しているかを理解することが最初の大きな仕事となる。
④ 会社法においては、「株主」、「取締役」、「監査役」、「会社債権者」などが、基本的な登場人物である。取締役が具体的に会社法上のなんらかの行為をするとき、場合によっては、株主の利益を増加させ、同時に、会社債権者の不利益を増加させることがある。また、場合によっては、その逆のことがある。さらに、場合によっては、株主の不利益を増加させ、取締役の利益を増加させることがある。このように、会社法で規定されているさまざまな事象は、誰かと誰かの利害関係を緊張させる場合が多く、会社法は、その問題をさまざまな法的テクニックを駆使することよりバランスの取れた結論が導かれるように条文を設定している。学生は、条文の定めた内容をただ丸暗記するのではなく、ぜひそのあたりを理解した上で、会社法を内容豊かなものとして学んで欲しい。
学習に際して、指定テキスト(柴田和史『会社法詳解〔第3版〕』(商事法務、2021年)以外にも以下の図書が参考となる。
1.柴田和史著『ビジュアル 図でわかる会社法 〔第2版〕(日経文庫)』(日本経済新聞出版社、2021年)、¥1,000(税抜)
2.柴田和史著『類型別 中小企業のための会社法〔第2版〕』(三省堂、2015年)、¥2,800(税抜)
3.北村雅史=柴田和史=山田純子著『現代会社法入門〔第4版〕』(有斐閣、2015年)、¥2,900(税抜)
4.近藤光男=柴田和史=野田博著『ポイントレクチャー会社法〔第2版〕』(有斐閣、2015年)、¥3,800(税抜)
5.神作裕之ほか編『会社法判例百選〔第4版〕』(別冊ジュリスト254号)(有斐閣、2021年)、¥2,500(税抜)
以上の参考図書を利用する場合に改訂版が出版されているときは、改訂版を参考にすること。