市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course
HIS100LA(史学 / History 100)日本史ⅠJapanese History I
小口 雅史Masashi OGUCHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 市ヶ谷リベラルアーツセンター(ILAC)ILAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | Q1209 |
旧授業コードPrevious Class code | P1179 |
旧科目名Previous Class title | 日本史Ⅰ |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y802 |
配当年次Grade | 営1年K~U、環1年/法文営国環キ2~4年 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
選択・必修Optional/Compulsory | |
カテゴリー(2017年度以降)Category (2018~) |
2017年度以降入学者 ILAC科目 100番台 基盤科目 1群(人文分野) |
カテゴリー(2016年度以前)Category (2017) |
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Outline (in English)
Course outline : In this lesson, we will examine from the birth of Japan to the modern society from various aspects such as politics, diplomacy, social economy, culture.
Learning Objectives : we will introduce specific methods to acquire the ability to "think" rather than "remember" the "history". In some cases, I also ask students opinions on interpretation of historical materials.
Learning activities outside of classroom : Before each class meeting, students will be expected to spend 30 minutes to understand the course content. After each class meeting, students will be expected to spend 20 minutes to understand the course content.
Grading Criteria /Policies : Final grade will be calculated according to the following process term-end examination (95%), and in-class contribution (5%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
歴史学は「現在と過去との対話」だと言われています。現代社会を理解し、その未来を展望するためには、過去の歩みの正しい理解が必要となります。とくに日本古代の歴史は、日本国家の原点であり、中国を中心とする東アジア世界の政治・外交秩序と密接な関係を保ちながら展開されました。まさに現代世界の基盤になったものです。
この講義では、こうした特徴ある日本古代史をベースに、1回毎に時代を代表するメルクマールを設定しますので、みなさんは、歴史の見方、歴史の流れを総体的・論理的にとらえ、現代との対話ができるようになる方法を取得することを目標に頑張ってください。
到達目標Goal
暗記主体の高校までの日本史とは異なって、大学の日本史は、「歴史を考える」ことを目指します。そのことは、例えば中学校・高等学校で日本史を教える立場にたったときにも重要です。「歴史を考える」時に、必要となる知識の習得と歴史的事実の調べ方、その全体像の論理的構成方法を学ぶことになります。高校で学んだ教科書の記述がどのように成り立っているのか、その根拠になった学説にまで遡って根拠史料を踏まえて解説していきます。もはや、高校生のようにひたすら暗記することは必要ありません。なぜその時点で、そこで、その事象が発生したのかを論理的に考える力をつけましょう。
最終的には、古代の日本史像について、東アジア世界のなかの日本という国際環境ないし地理的視点を常に保ちながら、豊かで多様な価値観に支えられた新しい歴史像を構築する能力を養うことを目標とします。このことは現代社会を正しく理解し、さらには将来の社会生活において必ず役に立つはずです。
高校までの「勉強としての日本史」とはまったく異なる、大学での「学問としての日本史」「科学としての日本史」の魅力を十分味わってください
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
各学部のディプロマ・ポリシーのうち、以下に関連している。法学部・法律学科:DP3・DP4、法学部・政治学科:DP1、法学部・国際政治学科:DP1、文学部:DP1、経営学部:DP3、国際文化学部:DP2、人間環境学部:DP2、キャリアデザイン学部:DP1
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的に講義形式で進めます。適宜スライドやビデオを用いて視覚的な理解をはかることも考えています。
謎多き日本古代国家の成立過程からはじめて、その展開・崩壊と、そこから生まれてくる中世国家の形成過程、展開・崩壊を、論理的に考えながら「時代」像を構築してみます。具体的に当時の生の史料を解読しながら皆さんといっしょに考えていきます。
高校までの日本史では原則として正解は一つでしたが、大学での日本史は正解は一つではありません。答えは私の講義を聴いた上で、皆さん各自で考えてみましょう。
皆さんから出された質問その他へのフィードバックは、まとめて最終授業で、講評や解説として実施します。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序論・日本史の時代区分
科学ないし学問としての歴史学とは何かを考えます。そのための大前提が時代区分論です。ここで古代とは何かを定義します。
第2回[対面/face to face]:ヤマト王権-日本国家の初源
律令国家の前史として、ヤマト王権の最終的な国家の姿を検討してみます。
第3回[対面/face to face]:大化改新-古代史上最大の政治改革
対外的緊張の高まりのなかで、ヤマト政権の限界を打破して新国家体制を作るべく、古代史上最大のクーデターが実行されます。その政治改革の実像を検討してみます。
第4回[対面/face to face]:律令法の成立と展開
新国家体制の柱となった律令とは何かについて考えてみます。
第5回[対面/face to face]:律令国家の財政制度
古代国家の財政の特徴を、中央財政と地方財政とにわけて考えてみます。
第6回[対面/face to face]:在地首長と地方政治
通信手段が貧弱だった時代にわずか60余名の国司で日本を統治できたのはなぜか。現地に根ざした在地首長たちの姿を追ってみます。
第7回[対面/face to face]:古代家族論
世界史の奇跡と言われた「正倉院文書」中にはたくさんの戸籍があります。古代家族の真実の姿を考えてみます。
第8回[対面/face to face]:律令国家の転換
東大寺に代表される天平文化華やかなりし時代は、じつは律令国家の大きな転換点でもありました。その実態を検討します。
第9回[対面/face to face]:公営田制-人から土地へ
戸籍によって人を支配する古代国家は、次第にその維持が難しくなります。変わって登場したのが土地を支配する体制でした。その実態を探ります。
第10回[対面/face to face]:王朝国家論
人から土地への変化は、中央政府の在り方は変えませんでしたが、地方政治は大きく変化しました。それを重視する「王朝国家論」について検討してみます。
第11回[対面/face to face]:摂関政治とは
地方の変化にもかかわらず中央で権勢を奮った貴族政治の実態とその力の源泉を探ってみます。
第12回[対面/face to face]:荘園制の展開
高校の日本史の先生方が一番嫌っている「荘園とは何か」をテーマに、じっくりと考えてみます。
第13回[対面/face to face]:院政の特徴-摂関政治との比較
摂関政治はやがて院政へと変化しました。なぜそうした変化が生まれ、両者の違いは何かについて考えてみます。
第14回[対面/face to face]:武家政権前夜
平氏政権から鎌倉幕府への道筋はどうやって引かれたのか。歴史的背景を探ってみます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習は事前のテキスト内容の理解を期待します。人によって異なりますが、2時間が標準とされています。また事前にプリントなど補足教材を授業支援システムを通じて配布することもあります。その場合は、それを活用しながらテキストを読んでおくと、講義内容がいっそう分かりやすくなると思います。
実際に「歴史を考える」作業は授業のなかだけで完結するように講義を工夫して行います。復習しておくと次回の講義の理解に役立ちます。これも人によって異なりますが2時間程度が標準とされています。
テキスト(教科書)Textbooks
日本史概論編集委員会編『日本史概論』(上)(同成社)
参考書References
特に指定しません。必要に応じて補助プリントを授業支援システムを通じて配布します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
基本的に期末試験(論述問題)によって行います(95%相当)。
この講義の目標である、現代と対話しながら「歴史を考える」という思考方法が身についたかどうかを、具体的に論述してもらって判断します。
なお受講生数によっては、講義中に質疑応答を設けることがありそれを反映することも予定し
ています(5%相当)。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
高校日本史を履修していない人はやや難解なようです。ただ高校日本史を繰り返すつもりは全くありませんので。高校で日本史を履修しなかった人はあらかじめ日本古代史の概説書を読んでから受講することを強く勧めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
とくになし
その他の重要事項Others
とくになし
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉
日本古代史・法制史・北方史・国際日本学
〈研究テーマ〉
日本古代社会経済史・日中比較律令法史・古代中世北方史
〈主要研究業績〉
2010年、『古代末期・日本の境界-城久遺跡群と石江遺跡群』
2008年、『エミシ・エゾ・アイヌ』(編著)、岩田書院
2008年、「近時の在欧吐魯番出土漢文文書の整理・公開等をめぐって」『古文書研究』66
2007年、「『在ベルリン吐魯番出土漢文世俗文書総合目録』のその後-FileMakerによるDatebaseのWeb公開の一例として」『漢字文献情報処理研究』8