スポーツ健康学部Faculty of Sports and Health Studies
SOC100IA(社会学 / Sociology 100)スポーツ文化論Sports Culture
山本 浩Hiroshi YAMAMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | スポーツ健康学部Faculty of Sports and Health Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | M1650 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金1/Fri.1 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | ※2012年度以前入学生はカテゴリーが異なります |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory |
専門教育科目 スポーツビジネスコース専門科目 |
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Outline (in English)
"Sports could be regarded as kinds of cultural activity?" The theme of the lecture is not to find out answers to the question. Sports are no longer merely physical activities. It is overshadowed by politics, economy and society, furthermore a tremendous number of people are involved in. They contain commercial value, entertainment, and something spiritual. It seems to be a tool for life, and sometimes we consider it as the way that should be traced. Once looking closely at various elements of sports and reconstructing them to reconsider how they appear their styles, we could discover the modernity of sports. Culture could only be approved after the laps of decades. Confirm that sports and the phenomena surround them have worth, inherited from ancestors.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「スポーツとは文化活動なのか」。繰り返されてきた問いへの答えを探そうとするのがこの講義の狙いではない。スポーツはいま、アスレティックであるだけではなくなった。そこには政治、経済、社会が影を落とし、世界中で人々の関心を恒常的に引きつけるものになっている。商品価値、娯楽性、精神性をちりばめながら、あるときは道具、あるときは極めるべき深奥の道。スポーツの具有する様々な要素を子細に見つめ、それを再構成して改めてスポーツがどんな形を取り始めているのかを考えとき、そこにスポーツの持つ現代性が透けて見えてくる。文化は、時代の波を乗り越えて初めて文化たり得た。スポーツとスポーツを取り巻く事象に、時代を超えて未来に受け継がれる価値があるのを確認する。
到達目標Goal
芸術とスポーツの間には似た部分と異なる部分がある。文化の中枢を担うと任じて止まない芸術に、個人の意志や思想、技術や表現があるように、スポーツの中にも同じ要素が存在する。スポーツを勝敗の観点だけから評価するのではなく、優劣の結果だけを見つめるのでもなく、社会の中で時間とともにその存在感を増してきたのはどんな理由があってのことなのか。美点を取り上げるばかりでなく、未だに顔を覗かせるさまざまな不正にも目を向けることで、スポーツの持つ特性を再認識できるようにすることが目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」「DP5」「DP6」「DP7」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
近代スポーツの発生を起点に、スポーツの変遷を社会の変化の中で確認しながら、現代スポーツの置かれている状況を分析していく。そのためには、法のあり方、金銭の巡り、社会の反応に敏感でなければならない。日本のスポーツを規定する基本法に始まって、さまざまな切り口を毎週の講義で展開しながら、「勝つ」「負ける」だけでないスポーツの実態を多面的に理解することが狙いである。そのためには日本のスタンダードをいきなり世界に適用しないこと、世界の水準から日本を推し量らないことが肝要である。ルール、レギュレーション、組織の寄付行為、法的な側面のチェックと、海外の動向にもアンテナを張っていきたい。それぞれが、自分のスポーツの持つ文化性をこれまでと違ったフィルターで見られるような完成系を目指す。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンス スポーツの文化性
スポーツ文化の考え方を概観し、講義の内容と流れを伝達する。
2[対面/face to face]:スポーツ基本権
平成23(2011)年に公布されたスポーツ基本法には、スポーツ基本権が謳われている。この権利を法文に明記したことは極めて大きな意味を持つ。一方で、競技団体の未成熟なガバナンスの為に起こる不祥事があって、たびたび国の指導を受けてきたのも日本スポーツ界の現実だ。スポーツと政治との関わりを理解する。
3[対面/face to face]:スポーツ振興法と「スポーツ(体育)の日」
1964年東京で開催された東京オリンピックこそが、日本の現代スポーツの出発点だ。それを支えたのがスポーツ振興法であり、体育の日であった。プロ化の始まる前のスポーツ観が、現代スポーツの中にどう生かされているのかを習得する。
4[対面/face to face]:スポーツの商品化
オリンピックにプロが入り始めるのが1980年代。オリンピック憲章からプロフェッショナル排除の文言が消えるのと前後して、スポンサーやプロフェッショナルがスポーツの世界になだれ込んでくる。ビジネスにまでなった現代スポーツの転回点を確認する。
5[対面/face to face]:スポーツと科学
スポーツを体験から捉えるだけでなく、科学がスポーツに近づくことによってスポーツの現代性は実現した。科学とスポーツとの連携を検証する。
6[対面/face to face]:オリンピック・パラリンピックに学ぶ
日本がオリンピックに最初に登場するのは、1912年のストックホルム大会。以来、オリンピックを目標に国内競技スポーツは強化を進めてきた。オリンピックに牽引された日本のスポーツ強化を総括する。
7[対面/face to face]:スポーツに国の威信をかけて
東西が対決した冷戦時代。スポーツは国が総力を挙げて支援すべきツールとなった。70年代から80年代にかけて、国家の道具となった時代を振りかえる。
8[対面/face to face]:世界選手権とスポーツ組織
競技団体にとっては競技普及、競技力向上とともに健全経営が大きな課題となっている。メガイベントに向かう組織のあり方を把握する。
9[対面/face to face]:国体と企業スポーツ
日本の競技スポーツは、長い間、国体に焦点を当てながら進んできた。教育を巻きこんだ強化が都道府県ベースでどのように発展してきたのか。戦後の75年を分析する。
10[対面/face to face]:子どものスポーツ環境
どの国も子どものスポーツに対する働きかけには力が入っている。海外の事例を参考にしながら、子どものスポーツ環境を考える。
11[対面/face to face]:スポーツクラブ
日本の総合型地域スポーツクラブのモデルは、ドイツのスポーツクラブに求めることができる。しかし、70年代から80年代のドイツのクラブと、現在のそれには大きな違いがある。スポーツクラブがスポーツにどう関わってきたのかを確認する。
12[対面/face to face]:オリンピックと競技力
オリンピックの度にメダル争いに関心が高まる。しかしこの傾向は、オリンピックの創始者クーベルタンの思ったところではない。それぞれの国の思惑とメディアの傾向が、この流れを加速させている。競技力強化の観点からオリンピックをチェックする。
13[対面/face to face]:オリンピックと報道
クーベルタンは、第一回の近代オリンピックが始まる前から、ジャーナリストの存在にある種の期待を抱いていた。活字メディア中心の時代であったがそれが100年を経るうちに、今までとは全く違った様相を見せるようになる。オリンピックとメディアの関係を探求する。
14[対面/face to face]:まとめと講義内試験
半期にわたるスポーツ文化論を総括する講義内試験を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
関心を持つ競技の成り立ちや、そのスポーツが抱えている課題など、情報を取得しておくこと。その競技が、いつ、どこで、どのようにして生まれ、現在のような形に立ち至ったのかを知ることは、スポーツ全体の文化性を概観するときに、有用なヒントになるからだ。そうした知識は、他のスポーツとの差異を見極めるのに有効で、やがてはスポーツ全体を立体的に浮かび上がらせてくれる。
テキスト(教科書)Textbooks
特になし。
参考書References
「現代スポーツの論点」友添秀則 編著 大修館書店 2020年
「よくわかるスポーツとジェンダー」 飯田貴子・熊安貴美江・來田享子 編著 ミネルヴァ書房 2018年
「オリンピック・スタディーズ」清水 諭 編著 せりか書房 2004年
「日本社会で生きるということ」阿部謹也 著 朝日新聞社 1999年
成績評価の方法と基準Grading criteria
「講義ごとに課す課題」と「最終講義時間に設定する講義内試験」の評価の総和が単位認定の要素となる。
対面形式:「講義毎に課す課題」は、講義時間内に指定する時間を使って書きその場で提出。
※オンライン時:指定期限内に学習支援システムの「課題」欄を経由して提出する。
※ハイブリッド時:集中力の差を考慮して、対面で参加する学生とオンラインの学生との間に異なる課題を設定する。
オンラインで受講しているにもかかわらずライブ参加がなく、課題だけを提出する登録受講生の評価は、原評価の半分とする(最高点1.5)。ライブ参加の場合も、短時間で切り上げて講義から退出した場合には得点が下がる可能性がある。
配点:最終日を除く講義内課題、13 回に満点を取り続ければ 39 点(3点/0.5点刻み×13)。
最終講義内に実施する期末論文試験(ターム /フレーズ問題20点、小論文50点) には必ず取り組むこと。
すべてパーフェクトであれば、109 点が獲得できる。
通常講義時に学校を代表しての行事参加、病欠、欠席の避けられない冠婚葬祭に対しては、期末試験の後に、講義内課題に代わる追加のレポート課題を(最高3点)学習支援システムを通じて掲示する〔既定の書類、体育会指定書類、会葬礼状類、医療機関の日付の入った領収書コピーなどを提出のこと〕。ただしこの条件が適用されるのは、一人につき3回まで。自分の都合での欠席は救済の対象にならない。この場合のレポートは通常の講義内課題より負荷の高いものになる。期末時の追加レポートを選択せず、オンライン参加のないままでの講義内課題に学習支援システムからの回答提出も選択できる。その場合、相当な理由があった場合には最高点2点とする。全講義終了後、レポートを選択するか、その都度講義内課題を選択するかは受講者の判断で行うことができる。両方を同時に選択することはできない。
単位認定の重要な要素、期末試験は試験期間中ではなく最終講義日に設定されるので欠席のないように。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
スライドの表示を、わかりやすいつくりにする。
その他の重要事項Others
土地・気候・習俗・食べ物・歴史・地理的環境・経済力・教育制度、さまざまな要素がスポーツ文化に影響を与えている。小さな井戸を深く掘るだけでなく、水の出る場所を求めて広い視野で世界を見渡してもらいたい。