生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry
PPE300YD(生産環境農学 / Plant production and environmental agriculture 300)生物制御化学Bioregulation Chemistry
中牟田 潔Kiyoushi NAKAMUTA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 生命科学部Faculty of Bioscience and Applied Chemistry |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | H8032 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes |
成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学 生:教員の受講許可が必要(オンライン授業の場合は、学習支援システムで許可を得るようにする) |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<生命科学部>Category |
応用植物科学科 学科専門科目 |
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Outline (in English)
The lectures for this course will encompass concepts of insect physiology and chemical ecology and their application for insect pest management. Students will understand the function and chemical structure of hormones that regulate the condition of the body. And they also understand “pheromones” which mediate intraspecific communication and “allelochemicals” mediating interspecific communication. Furthermore, students will understand the application of semiochemicals in insect pest management.
Your study time will be more than four hours for a class. Your overall grade in the class will be decided based on the following: Mid-term examination: (45 %)Term-end examination: 45 %、and in-class contribution (10%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
昆虫は様々な化学物質を用いて、体内環境を維持するとともに、同種個体間や異種個体間のコミュニケーションを行っている。本授業は昆虫をおもな対象として、ホルモンなどが体内環境をどのように維持するのか、さらに信号化学物質(セミオケミカル)がコミュニケーションをどのように仲介しているのか、また、それらの物質を利用した害虫管理等について理解する。
到達目標Goal
到達目標を以下の3つにおく。①昆虫のイメージを正しく把握して昆虫に親しみを持てるようにする。具体的には、分類群と形態、生理生態の多様性を知り、そこに至った進化の概要を把握することにより、昆虫への親近感が持てるとともに昆虫と人間の関わりの深さを理解する。②昆虫の摂食、成長、繁殖、休眠など基本的な生物現象が、ホルモンやセミオケミカルによる化学的制御によって成り立っていることを知る。③植食性昆虫に対する「二次代謝物質」による植物の化学防衛、およびそれを巡る昆虫-植物間の多彩な「共進化」を理解する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
DP2
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
昆虫をおもな対象として、「到達目標」を達成できることを念頭においた講義を主体とする。
理解の助けとして、多様性の高い昆虫のイメージ造りに役立つスライド画像や動画などをできるだけ活用する。また、研究の実際をイメージできるように、授業に関連して教員自身が直接・間接に経験した研究事例を随時織り込んでわかりやすく紹介する。
課題等の提出・フィードバックは「学習支援システム」を通じて行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:序論
本授業で扱う「生物制御化学」とは何かを、制御主体(生物およびヒト)から考える。
第2回[対面/face to face]:化学物質による生理・生態の制御
昆虫に限らず、生物には細胞間、個体間、異種個体間など、さまざまなレベルで化学コミュニケーションが存在することを知る。
第3回[対面/face to face]:セミオケミカル(1):フェロモンとアレロケミカル
セミオケミカルは個体間の化学コミュニケーション言語であり、①同種個体間で作用するフェロモン ②異種間で作用するアレロケミカルよりなることを知る。
第4回[対面/face to face]:セミオケミカル(2):方法論
セミオケミカルの機能や化学構造を明らかにするための、生物学的手法および有機化学的手法、さらに両者を組み合わせた手法を知る。
第5回[対面/face to face]:植食性昆虫の寄主探索におけるセミオケミカル
植物を餌とする昆虫が寄主植物を探索・発見する過程には様々なセミオケミカルが関与していることを知る。
第6回[対面/face to face]:種間関係を仲介する炭化水素
昆虫の体表にある脂質は乾燥や病原菌の感染を防ぐ働きをもつが、体表炭化水素が共生者の認識や捕食者を避けるためのカモフラージュなど種間関係を仲介していることを知る。
第7回[対面/face to face]:中間まとめ
ここまでの授業の理解度をテストする
第8回[対面/face to face]:フェロモン(1):機能によるフェロモンの分類
フェロモンは受容後の情報伝達経路によって ①「プライマーフェロモン」:ホルモン的な経路(階級分化など) ②「リリーサーフェロモン」:神経的な経路(性誘引、警報、集合など)に分けられることを知る。
第9回[対面/face to face]:フェロモン(2):合成フェロモンの利用
合成性フェロモンの害虫防除への利用には、①モニタリング、②大量誘殺、 ③誘引・殺虫、④交信かく乱があることを知る。
第10回[対面/face to face]:フェロモン(3):「フェロモン剤抵抗性」の出現
交信かく乱法において最も注目すべき課題:静岡県下で茶樹害虫「チャノコカクモンハマキ」で確認された「フェロモン剤抵抗性」は世界で唯一の事例であり、解決策も見いだされたことを知る。
第11回[対面/face to face]:フェロモン(4):侵略的外来アリの制御化学
わが国で問題になる2種の侵略的外来アリ、アルゼンチンアリとヒアリを取り上げて、生態と防除について概説した後、化学的防除について、一般的なベイト剤と殺虫剤の利用に加えて環境負荷の小さいフェロモン利用の可能性も探る。
第12回[対面/face to face]:アレロケミカル(1):シノモン植物-植食者-天敵の三者間相互作用
信号を発する種、それを受け取る種の双方にとって有利な相互作用を仲介するシノモンを、植物-植食者-天敵の関係を例に知る。
第13回[対面/face to face]:アレロケミカル(2):アロモンとカイロモン
昆虫は化学物質を用いて自己の防衛を行っている。これらの物質はアロモンの一種である。また、昆虫の中には他の生物が出す化学物質を感知し、自己に有利な物質として利用している(カイロモン)。ここではアロモンとカイロモンの例を紹介する。
第14回[対面/face to face]:期末まとめ
授業の理解度をテストする。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】1.受講前および受講期間中に教科書などで次の分野の基礎を学んでおく:「有機化学」、「昆虫学」、「動物分類学」、「植物分類学」
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は不使用:毎回の講義時に用いる資料は学習支援システムにアップロードする。
参考書References
1.「最新応用昆虫学」田付・河野編著、朝倉書店、2009
2.「昆虫生理生態学」河野・田付編著、朝倉書店、2007
3.その他、講義において随時紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
中間まとめ、期末まとめにて実施する試験によって「到達目標」に掲げた3つの項目ごとに基本的な事項の理解ができているかどうかを評価する
要素ごとの配分と評価基準
・中間試験、期末試験(それぞれ45%):得点による
・平常点(10%):授業への参加姿勢
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布・課題提出等のために学習支援システム等を利用する。