理工学部Faculty of Science and Engineering
MEC300XB(機械工学 / Mechanical engineering 300)宇宙工学Space Engineering
矢野 創Hajime YANO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学部Faculty of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | H5065 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工学部>Category |
機械工学科機械工学専修 学科専門科目 |
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Outline (in English)
The modern society is directly connected with the global environment beyond national borders and thus our every-day life heavily depends upon benefits from space technology. The most challenging quests in science of this century such as origins and principals of life and the Universe itself also require deep exploration of space. This class aims students to learn fundamental concepts of space and role of space engineering in our modern society, to understand introductory knowledges in the whole disciplines of space engineering, and to acquire basic skills for planning and executing actual space projects, which will be applicable to many other disciplines.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
国境を越えて地球環境と直接繋がった現代社会は、宇宙技術の恩恵なしに一日も営むことができません。また宇宙そのものや生命の起源や原理など、今世紀最大の謎を探求する舞台も、宇宙空間に広がっています。本科目では、宇宙の基礎概念および現代社会における宇宙工学の役割を学ぶとともに、宇宙工学全体を俯瞰した基礎知識を理解し、実際の宇宙プロジェクトを立案・実施するうえで必要な基本的技能を身に着けることを目的とします。
到達目標Goal
1. 宇宙の基礎概念および現代社会における宇宙工学の役割について理解します。
2. 宇宙工学全般に関する基礎知識を習得します。
3. 宇宙輸送系、人工衛星、宇宙探査機の基本原理およびシステム構成を理解し、実際の宇宙プロジェクトを立案・実施するうえで必要な基本的技能を習得します。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
【授業の概要】
本科目では、「新時代の教養」として宇宙の基礎概念および現代社会における宇宙工学の役割を学ぶとともに、学術と実学の両面から宇宙を目指す学生諸君には入門編となる「宇宙工学全体を俯瞰した基礎知識」と、他業務にも応用可能な実践知としての「宇宙プロジェクトの立案・運用に必要な基本的技能」について習得します。
【授業の進め方】
新型コロナウィルス対策として、全14回の授業をオンライン受講できるようにシラバスを設計しています。そのため、授業⽀援システムを積極的に活用します。なお秋学期中にキャンパスでの受講が可能になる場合は、その後の授業方法を再度見直します。
【授業方法】
>講義: Zoomによる同時双方向通信を基本とします。授業開始時間よりZoom接続を始め、おおむね10分後から講義を開始します。なお各回の受講方式の変更や補講日が設定される場合は、授業支援システムの「お知らせ」欄にて告知しますので、各自ご確認ください。
> 初回アンケート: 初回には受講者全体の宇宙工学の基礎知識に関する理解度を確認する「アンケート」を、必ずお答えください。これは今後の授業レベルを適切に計ることを目的とし、各人の成績には反映しません。
> クイズ: 第二回以降のオンライン講義では毎回「クイズ」を一問、「テスト/アンケート」ページにて実施しますので、必ず答えてください。クイズとは、主に前回授業の内容の振り返りを目的とした、選択肢形式の短い質問のことです。
>課題や考課等については、「授業時間外の学習」と「その他の重要事項」にてご確認ください。また上記の授業の進め方は、今後変更される可能性がありますので、授業時や「お知らせ」欄の告知にご注意ください。
> なお提出された課題、学習等の実施内容、 質疑応答によって出された受講生の疑問については、適宜フィードバックを行っていきます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1:概論
('21/09/21)
(1)本授業の構成・オンライン授業の進め方・成績考課、
(2)基礎知識調査、
(3)宇宙とは何か、
(4)宇宙開発史、
(5)宇宙業界における世界のステークホルダー
[参考図書: 宇宙工学概論]
2:宇宙工学と現代社会
('21/09/28)
(1)現代の宇宙産業、
(2)日常生活を支える宇宙技術、
(3)社会の問題解決に貢献する宇宙技術
[参考図書: 宇宙工学概論、エンジニアリングの神髄、宇宙探査機はるかなる旅路へ、宇宙工学入門II]
3:宇宙工学と宇宙科学・探査
('21/10/05)
(1)宇宙探査の世界潮流、
(2)現代宇宙科学の最先端、
(3)宇宙科学・探査を実現するための宇宙工学の挑戦
[参考図書: 星のかけらを採りにいく、宇宙探査機はるかなる旅路へ、宇宙工学入門II]
4:システム工学
('21/10/12)
(1)システムの概念と特性、
(2)システム工学の目的とアプローチ、
(3)モデリングと解析、
(4)部分最適と全体最適、
(5)システム思考の応用
[参考図書: 基礎システム工学]
5:軌道力学
('21/10/19)
(1)三次元空間での軌道要素とケプラー方程式、
(2)二体問題・制限三体問題・摂動・軌道遷移、
(3)人工衛星の運動、
(4)惑星間航行の軌道計画、
(5)軌道決定
[参考図書: 天体と軌道の力学、人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門II]
6:宇宙輸送システム
('21/10/25)
(1)ロケット推進原理、
(2)ロケットエンジンの種類・機構・特性、
(3)航法系、
(4)誘導制御系、
(5)世界のロケット
[参考図書: 宇宙工学概論、宇宙工学入門]
7:人工衛星システム
('21/11/02)
(1)衛星システム構成・コンフィギュレーション・運用、
(2)重力安定化衛星、
(3)スピン衛星、
(4)姿勢決定・姿勢制御、
(5)超小型衛星とコンステレーション
[参考図書: 衛星設計入門、人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門]
8:宇宙探査機システム
('21/11/09)
(1)探査天体と探査手法、
(2)探査機システム構成・コンフィギュレーション・運用、
(3)着陸機・ローバ・カプセル、
(4)惑星間航行の軌道計画・決定
[参考図書: 人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門II、宇宙探査機はるかなる旅路へ、小惑星探査機「はやぶさ」の超技術、はやぶさ2 最強ミッションの真実]
9:衛星・探査機サブシステム(A)
('21/11/16)
(1)構造系、
(2)熱制御系、
(3)電源系
[参考図書: 宇宙工学概論、衛星設計入門、人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門、宇宙探査機はるかなる旅路へ]
10:衛星・探査機サブシステム(B)
('21/11/30)
(4)通信系・地上系、
(5)データ処理系、
(6)姿勢・軌道制御系
[参考図書: 宇宙工学概論、衛星設計入門、人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門、宇宙探査機はるかなる旅路へ]
11:衛星・探査機サブシステム(C)
('21/12/07)
(7)推進系(化学・非化学)、
(8)ミッション系(地球周回・片道探査・往復探査)
[参考図書: 宇宙工学概論、衛星設計入門、人工衛星と宇宙探査機、宇宙工学入門、宇宙探査機はるかなる旅路へ、小惑星探査機「はやぶさ」の超技術]
12:プロジェクトマネジメント
('21/12/14)
(1)プロジェクトの特徴、
(2)PMBOKの基礎、
(3)WBS・スケジュール、
(4)QCDトライアングル、
(5)S&MA管理、
(6)プログラムマネジメント
[参考図書: よりよくわかるプロジェクトマネジメント、エンジニアリングの神髄]
13:宇宙プロジェクト実践
('21/12/21)
(1)ミッション目標と成功基準、
(2)全体スケジュール、
(3)選抜~基本設計~詳細設計、
(4)開発・検証、
(5)打上げ・運用・成果創出、
(6)解散・延長
[参考図書: 宇宙プロジェクト実践、小惑星探査機「はやぶさ」の超技術、星のかけらを採りにいく]
14:まとめ・期末考査(TBD)
('22/01/11)
(1)仮想宇宙探査プロジェクト最終報告
(2)期末考査
(3)授業評価アンケート
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】
【復習教材】
毎回、講義で使用したパワーポイント等の資料を⽤いて復習することを推奨します。資料は、授業後に授業⽀援システムの「宇宙工学 教材」フォルダからダウンロード可能にします。
【課題】
本科目では、各学生が主体的に調査・分析を行う課題レポートを、10月、11月それぞれ一本ずつ提出していただきます。各回のテーマは各月最初の授業で発表し、締切りは各月最終回の授業日翌日00:00までとします。提出方法は授業支援システムによるアップロードを標準としますが、情報インフラ等の事情により難しい場合は、講師まで事前に個別相談してください。
【アクティブラーニング(掲示板ディスカッション)】
本科目では12月に約一か月の参加期間を設けて、授業時間外のアクティブラーニングとして、仮想宇宙探査プロジェクトの構築に関する「掲示板ディスカッション」を行います。最終回までに、一つのチームとして最終報告書を提出してもらう予定です。
テキスト(教科書)Textbooks
必須テキストは設けませんが、参考書リストを参照のうえ、各講義に関連する項目の予習を推奨します。オンライン授業時の講義資料は、授業⽀援システムを⽤いて提⽰します。
参考書References
浅居喜代治著: 基礎システム工学、オーム社
川口淳一郎監修: 小惑星探査機「はやぶさ」の超技術、講談社
木田隆、小松敬冶、川口淳一郎著: 人工衛星と宇宙探査機、コロナ社
木下宙著: 天体と軌道の力学、東京大学出版会
栗木恭一著: 宇宙プロジェクト実践、日本ロケット協会
小林繁夫著:宇宙工学概論 丸善株式会社
茂原正道著:宇宙工学入門、培風館
茂原正道、木田隆著:宇宙工学入門II、培風館
津田雄一著: はやぶさ2 最強ミッションの真実 NHK出版
日本プロジェクトマネジメント協会編: よりよくわかるプロジェクトマネジメント、オーム社
ヘンリー・ペトロスキー著、安原和見訳: エンジニアリングの真髄、筑摩書房
室津義定編著: 航空宇宙工学入門、森北出版
矢野創著: 星のかけらを採りにいく-宇宙塵と小惑星探査-、岩波書店
山川宏著: 宇宙探査機はるかなる旅路へ、化学同人
成績評価の方法と基準Grading criteria
新型コロナウィルス対策として、全14回の授業および授業外学習のすべてをオンラインで実施する際、以下の配分と評価基準に即して成績考課を行う予定です。ただし秋学期中にキャンパスでの受講が可能になる場合は、授業方法とともに考課についても見直しますので、ご注意ください。
> 初回アンケート(1回) 0%
(提出必須・開始時点の理解度の把握)
> クイズ (12回) 18%
(各授業のポイントの理解)
> 課題レポート(2本) 22%
(宇宙工学の役割の理解、宇宙輸送系・人工衛星・宇宙機の基本の習得)
> 掲示板ディスカッション参加(1回) 10%
(宇宙プロジェクト基本技能の習得)
>期末試験(1回) 50%
(宇宙の概念、宇宙工学の役割、宇宙工学全般の基礎知識、宇宙プロジェクト基本技能の習得)
上記の合計を100%としたとき、本科目が設定した到達目標を60%以上達成している履修登録学生を合格とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本授業シラバスは現講師によって2020年度より全面的に刷新されて以来、2年度目になります。2020年度の受講学生74名を対象に行ったアンケート結果によると、コロナ禍下で全授業をオンラインで行ったにもかかわらず、本講義は「受講開始前に期待していない学習内容を教授できていた」とする評価が8割を超え、7割以上が「宇宙工学への関心がさらに高まった」と答えました。一方、授業支援システムの各種機能を使ったアクティブラーニングや期末考査に一部の技術的課題が明らかになりました。本年度の授業は、こうした初年度の教訓を生かして、より深い学びをオンライン授業で実現すべく、一層の工夫を試みていきます。なお、授業レベルについては、必ずしも宇宙工学を専門としない理工学系学部生の受講に配慮しつつも、宇宙理工学の研究を志す学部生や一部大学院生に必須となる学識もカバーします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料閲覧、課題提出、ディスカッション参加等のため、授業⽀援システムを積極的に活用します。
その他の重要事項Others
【この科目を要件とする履修科目】
ありません。ただし高校卒業程度の物理及び数学を学習していることを想定します。
【期末試験】
試験期間に実施します。オンラインにて実施する場合の要項は、後日周知します。
【オフィスアワー】
オンライン授業期間中は、「Zoomによる双方向通信型授業」終了直後に30分間、Zoom接続を延長して、オフィスアワーを設けます。また、学習支援システムを経由したテキストによる質問も受け付けます。
【実務経験のある教員による授業】
講師は過去25年にわたって、日欧米で1ダース以上の宇宙実験および宇宙探査プロジェクトを実践してきた経験を有しており、現在も太陽系探査科学の学術研究および大学院教育に従事しています。本科目では、そうしたバックグランドを生かして、学術的な基礎知識と、宇宙プロジェクトの実践知の初歩の両方を、意欲ある学生諸君にお伝えしたいと思います。なお法政大学大学院理工学研究科では、JAXAとの連携協定に基づく客員准教授として大学院生の研究指導にも当たっています。