文学部Faculty of Letters
LIT200BC(文学 / Literature 200)編集理論BEditing and Publishing in Theory B
福江 泰太Yasuta FUKUE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2710 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月5/Mon.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Courses | |
他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 日本文学科 |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night | 夜間時間帯 |
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Outline (in English)
Course Outline: In the first half of the course, students will learn about how written Japanese is laid out and proofread. Students will learn to use basic proofreading symbols. The second half of the course will look back at the history of the book and how the form of the book has transformed, situate current e-books and web-based content within that history, and consider the future of the book.
Learning Objectives: In the spring semester, we dealt with the process of editing and producing books and magazines. In the fall semester, students will learn about “proofreading” and “layout,” which could not be discussed in detail in the spring semester. Many of you may have used the typesetting software InDesign to create magazines, and anyone can use InDesign to create typesetting easily. However, without knowledge of the norms of layout that form the basis of typesetting, it is impossible to create beautiful and accurate typesetting. This lecture will review how written Japanese is laid out, a subject that we take for granted, from an editorial point of view. In the second half of the course, we will do a rough survey of the history of books and situate digital books as a new image of books within that history. However, the current digital book is still in its infancy. Students will acquire perspectives to view and appreciate both e-books and paper books.
Learning Activities Outside of the Classroom: Students are encouraged to use catalogs available in libraries and other institutions to investigate the various forms of books from the past and present. For the history of books, knowledge of Japanese and world history is required as background. Students should study the historical background of the period applicable to the class content in advance. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
Grading Criteria/Policy: The evaluation of your performance will be based on your participation in the class (50%) and the contents of your final report (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
前半は、日本語の表記法と校正について学びます。基本的な校正記号は使えるようにします。後半は、書物の歴史を振り返りながら、書物の姿がどのように変容してきたのか、その歴史の中に現在の電子書籍やWeb上のコンテンツを位置づけ、書物の将来を考えていきます。
到達目標Goal
編集理論Aは、実際の書物や雑誌の編集制作過程を順に講義しましたが、編集理論Bでは、Aで詳論できなかった「校正」や「表記法」について学びます。皆さんの中には、組版ソフトのInDesignを使って雑誌作りを経験した人も多いと思います。InDesignを使えば誰でも簡単に組版ができます。しかし組版のもとになる表記法の知識がなければ、美しく正確な組版ができません。当たり前と思っていた日本語表記法を編集の視点から見直します。また後半では書物の歴史をラフスケッチし、その歴史の中にデジタル書籍を新しい書物像として位置づけます。しかし現在の電子書籍はまだまだ未完成です。電子書籍、紙媒体の書籍、それぞれを自由に見るための視点を獲得します。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基本的な校正記号の理解にはテキストを使います。テキストに準じ、20程度の校正記号を使えるようにします。書物史の講義では、DVD視聴や可能な限り、パピルスや羊皮紙、中世写本やインキュナブラの零葉、和本や明治期の特殊な製本様式による書物など「原物」に接するようにします。授業ごとに感想や疑問点を書いてもらいます。次の授業でそれを反映させます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:日本語の表記法はどのように変わったか
編集者は日本語の表記法について考える最前線に立っています。編集という視点から見た日本語の表記法を考えます。
第2回[対面/face to face]:組版の特性と表記法
原稿用紙に書く場合、ワードで入力する場合、印刷組版の場合、それぞれに表記法のズレが生じます。その違いを理解することが大切です。
第3回[対面/face to face]:約物について
文字以外の句読点や様々な括弧の類を「ヤクモノ」と言います。約物は新たに日本語表記に付与された記号です。約物について概観します。
第4回[対面/face to face]:漢字について① 当用漢字・常用漢字・人名漢字
漢字行政の変遷を概観します。当用漢字と常用漢字、人名漢字、それぞれがもたらした問題について考えていきます。
第5回[対面/face to face]:漢字について② 拡張新字体
新たに生み出された拡張新字体がもたらした問題について考えます。
第6回[対面/face to face]:校正記号について① テキスト1~5
下記に示したテキストを使って、基礎的な校正記号を学び、練習問題を解いていきます。4回の授業で全篇仕上げます。
第7回[対面/face to face]:校正記号について② テキスト6~10
字間や行間の訂正など。
第8回[対面/face to face]:校正記号について③ テキスト11~15
中つきルビ、肩つきルビ、グループルビについて。
第9回[対面/face to face]:校正記号について④ テキスト16~20
校正記号のまとめ。
第10回[対面/face to face]:書物の歴史① 巻子本から冊子本へ
百万塔陀羅尼から和本の形が成立するまでを概観します。
第11回[対面/face to face]:書物の歴史② 江戸から明治へ
江戸時代の書物文化と洋装本の成立について概観します。
第12回[対面/face to face]:書物の歴史③ 活版印刷と写真の誕生
書物文化にとっての革命、活版印刷と写真について考えます。
第13回[対面/face to face]:書物の歴史④ 活版印刷以降
写真植字、電子組版、オフセット印刷などについて概観します。
第14回[対面/face to face]:書物の歴史⑤ デジタル書物へ
書物が紙という支持体から解放される過程を考えます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
古今東西のさまざまな書物の姿を、図書館等にある図録を利用して調べてください。書物の歴史については、日本史、世界史の知識が背景として必要です。授業内容に該当する時代については、事前に歴史的背景を学習しておくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
校正練習帳(1)校正記号を使ってみよう タテ組編 日本エディタースクール 550円
参考書References
随時紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業への参加姿勢50% 期末のレポート内容50% を併せ成績の評価とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
講義形式ですが、議論しあえる自由な雰囲気の授業にしましょう。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
随時DVDを視聴します。
その他の重要事項Others
編集理論ABの通年履修が好ましい。
「実務経験」學藝書林、小澤書店、集英社「青春と読書」編集部等を経て、2000年より編集事務所を主宰し、現在に至る。編集の現場で起きている問題を素材に、編集の困難と可能性について、受講生とともに考えていきたい。