政治学研究科Graduate School of Politics
POL500A3（政治学 / Politics 500）公務員制度研究Study of Civil Service System
森谷 明浩Akihiro MORIYA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 政治学研究科Graduate School of Politics |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X5052 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期後半/Fall(2nd half) |
| 曜日・時限Day/Period | 土 3/ Sat.3,土 4/ Sat.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市院棟‐203 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 公共政策学、連帯社会と合同 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
政治学専攻 修士専門科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The aim of this course is to help students acquire Japanese civil service system including international comparison(U.K.,U.S.A.,Germany and France).
This course deals with detailed explanation of the Japanese civil system and its actual implementation.
Your overall grade in this course will be decided based on the following
Short reports: 50%,In-class contribution: 50%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
近年における国家公務員の勤務環境、人材確保のための取組、給与制度の見直し、政官関係の変遷などに触れながら、日本の国家公務員制度全般について研究し、新時代の公務員人事管理の在り方としてどのような方向性が考えられるかについて探求する。必要に応じ、主要諸外国（英米独仏）との比較などについても解説する。
到達目標Goal
日本の国家公務員制度の具体的内容及び制度の背景にある事情について理解を深めるとともに、国際比較の中における日本の国家公務員制度の特色などについても考察する。これらを踏まえ、今後の国家公務員制度の在るべき姿について自ら考える力を身に付ける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は特に強く関連、「DP2」「DP3」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義は対面で行う。日本の国家公務員制度の成り立ち、全体像について概観した上で、採用や昇任、人事評価の仕組み、給与制度、勤務環境などいくつかの主要分野に関する現行制度や運用状況を説明するとともに、そのような制度設計や運用状況となっている背景事情などの解説も行う。その中で、国際比較における日本の特色や近年の公務員制度改革の動向、政官関係の状況等についても言及していく。
各回の授業の前半では、教員がその回に取り上げる分野について解説を行い、後半では学生自らが考える問題点や今後考え得る方策などについて自由討議を行い、学生が更なる研究を進めるに当たっての視座を提供していくことを主眼とする。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回・第2回[対面/face to face]：国家公務員制度の全体像と採用、昇進、人事評価
日本の国家公務員制度の成り立ちや全体像を概観した後で、近年の人材確保方策、国家公務員の昇進実態、国家公務員の人事評価制度と近年の見直し等について解説し、国家公務員の人材確保策や人事評価の在り方などについて考える。
第3回：第4回[対面/face to face]：給与
国家公務員給与の決定過程、人事評価を用いた昇給やボーナスの決定方法、諸手当、近年の給与制度の見直し（人材確保や組織パフォーマンスの向上、働き方やライフスタイルの多様化への対応）等について解説し、国家公務員の適切な給与水準や給与制度の設計を考えるに当たってどのような視点が重要かを考える。
第5回・第6回[対面/face to face]：勤務環境の整備
フレックスタイム制度やテレワークの現状、その他の働き方改革の推進など、職員の多様なワークスタイル・ライフスタイルも踏まえた勤務環境の整備のための取組等について解説し、国家公務員の勤務環境の更なる整備に向けてどのような事柄が考えられるかについて検討する。
第7回・第8回[対面/face to face]：官民間の人事交流、非常勤職員の現状
中途採用の拡大や任期付職員の積極的な活用など民間人材を公務に誘致するための取組やその現状、非常勤職員の制度等について解説する。その上で、複雑化・高度化する行政課題に対応するため、公務においてどのような人材確保策が求められるのか、官民の円滑な人材流動化のためにはどのようなことが必要かを考える。
第9回・第10回[対面/face to face]：シニア職員の活用、退職管理、研修
定年年齢の60歳から65歳への引上げや再就職規制等について解説し、シニア職員の役割や活用方策としてどのようなことが考えられるか検討する。また、国家公務員に対してどのような研修が行われているかについて概観し、今後必要となってくる研修メニューなどについて考える。
第11回・第12回[対面/face to face]：身分保障、服務、懲戒、公平審査
国家公務員の身分保障の在り方、国家公務員として守るべきルール（服務）やそれに反した場合の制裁（懲戒処分）、職員が懲戒処分等の不利益な処分を受けた際の人事院への不服申立制度等について解説し、中立・公正な人事管理を実現するためには何が必要かについて検討する。
第13回・第14回[対面/face to face]：公務員制度改革、公務員制度の将来像
1990年代以降の政官関係の変化、内閣人事局の設置（2014年）に至る公務員制度改革の動向等を中心に解説し、政治と行政の適切な関係とはどのようなものかについて考える。また、講義全体を振り返り、将来の在るべき公務員制度を設計するに当たり、どういった視点が必要かを考える。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各２時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
特定の教科書は使用しません。
参考書References
村松岐夫編著『公務員人事改革―最新米・英・独・仏の動向を踏まえて―』（2018年学陽書房）
村松岐夫編著『最新公務員制度改革』（2012年学陽書房）
西尾勝著『行政学［新版］』（2001年有斐閣）
西尾隆著『公務員制』（行政学叢書⑪）（2018年東京大学出版会）
吉田耕三・尾西雅博編『逐条国家公務員法〈第2次全訂版〉』（2023年学陽書房）
吉田耕三編著『公務員給与法精義第五次全訂版』（2018年学陽書房）
嶋田博子著『職業としての官僚』（2022年岩波新書）
人事院HP https://www.jinji.go.jp/top.html
内閣官房内閣人事局HP https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/index.html
内閣官房（旧）国家公務員制度改革推進本部HP https://www.gyoukaku.go.jp/koumuin/index.html
成績評価の方法と基準Grading criteria
〇 平常点50％（毎回の授業において、その回における課題を理解して自らの理解の上に立って議論に参加・貢献しているか）
〇 小論文（レポート）50％（自ら選択する課題について考察を行った小論文）
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
学生自らが問題点を発見し考察を深めることができるようにします。
その他の重要事項Others
教員は、人事院に在職し、国家公務員の人事行政の制度及びその運用を実際に担当している。さらに内閣人事局などへの出向経験を通じ、人事院以外の角度からも人事行政に関わってきている。
これらを通じた経験や知見を紹介し、近年の公務員制度の動向や将来の在るべき公務員像などについても幅広く議論していく。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞公務員制度
＜研究テーマ＞近年における我が国の公務員制度の動向
＜主要研究業績＞
森園幸男ほか編『逐条国家公務員法全訂版』（2015年学陽書房）（共著）
吉田耕三編著『公務員給与法精義第五次全訂版』（2018年学陽書房）（共著）