公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
SOC500P1-210(社会学 / Sociology 500)市民社会とコミュニティStudy on Local Community as an Institution in the Civil Society
名和田 是彦Yoshihiko NAWATA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | X9069 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 月 6/ Mon.6,月 7/ Mon.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市BT‐0802 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
公共政策学専攻 (修士課程)政策研究コース専門科目 |
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Outline (in English)
Different types of so-called civil society organizations in Japan , which are active mainly in the local community, are analyzed in this class.
Term-end examination or Repoting in the class: 80%、 Discussions in the class : 20%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「コミュニティ制度論」が主として制度的側面を対象にしたのに対して、本科目ではコミュニティ・レベルで展開している民間諸主体の公共的な動きを、事例研究を通じて考え、理論的な整理を行う。
到達目標Goal
地域的まとまり論という基本枠組、日本のコミュニティの基礎的組織(自治会・町内会や地区社会福祉協議会、地区民生委員協議会、消防団など)や地域で活動するNPOなどについて理解し、その現代的、日本的特徴を理解すること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP2」「DP3」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP4」は特に強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
公共政策研究科修士課程のこの「市民社会とコミュニティ」は、同博士後期課程の「コミュニティ構造特殊研究」及び政治学研究科の「コミュニティ論研究2」との合併開講である。進め方は開講時に相談して決めたいが、講義形式のほか受講者による報告形式を取り入れることを想定している。「地域的まとまり」とその重層構造という理論枠組を基礎として理解した上で、日本では、合併によって失われた制度枠組を自治会・町内会が民間的に回復するという特異な経過を辿ったほか、民間(「市民社会」)側の多彩な営為が生活を支えてきたことを論じていく。特に今世紀に入って多様に展開されている事例、コミュニティ・ビジネスの事例や協働事業の事例などを事例研究として取り上げる。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:地域的まとまり論とコミュニティの定義
「地域的まとまり」とその重層構造とその日本的特質を理解する。ミルトン・コトラーに学びつつ、地域社会運営の制度的必要条件として、管轄領域の公的画定、法人格、課税権、条例制定権を析出し、これを失った地域社会がこれを回復するためにコトラーが考えた私法人での実績を積み上げるという戦略に注目する。
第2回[対面/face to face]:市民社会組織が織りなす日本の地域コミュニティ
日本のありふれた地域コミュニティは、地縁型及びテーマ型の市民社会組織が連関している姿としてイメージできる。
第3回[対面/face to face]:自治会・町内会論
上記4条件を民間的原理の上に回復する地域組織として自治会・町内会を捉え、その組織的な基本的特質と歴史とを論ずる。
第4回[対面/face to face]:日本的地縁組織の現在
自治会・町内会が現在抱えている困難を分析する。
第5回[対面/face to face]:テーマ型市民活動の特徴と現代的傾向
地縁型の組織とテーマ型の組織との緊張関係をパーソナリティの類型論という観点から解明するほか、テーマ型市民活動の中にも、相異なる類型があることを、アンケート調査に基づいて明らかにする。また、最近では、市民活動が事業化、専門化している様子にも注意を払う。
第6回[対面/face to face]:市民活動事例研究 1 市民活動の専門化・事業化
この20年ほどの間に、ボランティアベースで始まった市民活動が、次第に専門化・事業化を遂げた事例をいくつか分析する。
第7回[対面/face to face]:現代の「公共空間」とコミュニティカフェ
居場所づくりを志向する市民活動は意外に多い。中でもコミュニティカフェに焦点をあて、公共空間というものについて考える。
第8回[対面/face to face]:市民活動事例研究 2 コミュニティカフェのビジネスモデル
とりわけ「港南台ファウンカフェ」に焦点を当てて、コミュニティカフェとそのビジネスモデルを分析する。
第9回[対面/face to face]:協働事業提案制度
市民活動支援として行なわれている協働事業提案制度を分析し、市民活動の資金問題についても考える。
第10回[対面/face to face]:市民活動事例研究 3 ヨコハマ市民まち普請事業
協働事業提案制度の中でも特異な存在である横浜市のヨコハマ市民まち普請事業を検討する。
第11回[対面/face to face]:コミュニティワークの専門性
昨今は「コーディネーター」と称する支援者を置く仕組みが増えている。「コーディネート」というものの専門性に迫ることを試みる。
第12回[対面/face to face]:市民活動事例研究 4 冒険遊び場づくり
冒険遊び場づくりを特に取り上げ、いくつかの事例に則して、その「プレイリーダー」の専門性を具体的に分析してみる。
第13回[対面/face to face]:市民活動の法人論
雲南市等のいわゆる4市協議体が提唱した「スーパーコミュニティ法人」をきっかけにコミュニティにおいて使いやすい法人に関する議論が高まった。その腫瘍論点を整理する。
第14回[対面/face to face]:市民活動事例研究 5 労働者協同組合の可能性
2020年に労働者協同組合法が制定され、市民活動が選択できる法人形態がまた一つ増えた。その持っている可能性や位置づけについて考える。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の内容と授業で提示された文献や資料について、よく復習をすること。事前に提示された資料がある場合は、予習を行なうこと。それぞれにおおむね2時間程度をかけることを想定している。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。
参考書References
授業中に指示するが、拙著の『コミュニティの法理論』(創文社、1998年)や『コミュニティの自治』(日本評論社、2009年)、『自治会・町内会と都市内分権を考える』(東信堂、2021年)に、本科目の基本的なアイデアが展開されている。
成績評価の方法と基準Grading criteria
開講時に相談して決めたいが、受講者が一度ずつ授業中に報告をして もらうことを想定しており、その場合には授業での報告 80 %、授業 中での討論・発言 20 % m と考えている。期末レポート方式になっ た場合には、そのレポートが 80%としたい。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
この授業を担当するのは久しぶりであるから、学生・院生からの直接の反応から気づいたことというものはない。このところ院生たちの間でコミュニティ政策への関心はやや強まっていると感じているので、ここ数年の研究を活かし、またこの数年の新しい動きにも留意していきたい。
担当教員の専門分野等
コミュニティ政策、公共哲学、法社会学